就職白書2016 -インターンシップ編- 

2016年02月16日
リクルートキャリアのよりよい就職・採用の在り方を追究するための研究機関・就職みらい研究所は、企業および学生のインターンシップの実施や参加の状況を明らかにするため、全国の新卒採用を実施している企業と、就職活動を行った2016年卒業の大学4年生・大学院2年生を対象に、調査を実施いたしました。

【調査結果概要】

【インターンシップの実施状況】<企業>

・新卒採用を実施している企業のうち、2015年度にインターンシップを実施した(予定含む)企業は59.5%と、2014年度の49.9%より9.6ポイント増加した。また、2016年度に実施予定の企業は61.1%と、2015年度よりも1.6ポイント増加する見通しである。

【2016年卒学生のインターンシップへの参加状況】<学生>

・2016年卒学生のうち、インターンシップ参加者は39.9%と、2015年卒よりも13.0ポイント増加した。

【内定者のインターンシップ参加状況、インターンシップ参加企業への入社状況】

・企業の2016年卒の内定者の中に、インターンシップ参加者がいたかどうかについて、参加者がいたのは66.5%で、前年よりも20.1ポイント増加。また、そもそも採用目的として実施しているのは19.9%と、前年よりも9.0ポイント増加した。

・インターンシップ参加学生の20.4%が、インターンシップ参加企業に入社予定である。参加企業ではないが、同業種の企業に入社予定は24.9%で、合わせて45.3%がインターンシップに参加した業種へ、入社予定となった。

【調査結果】

Ⅰ.インターンシップの実施状況 <企業>

1)実施状況
新卒採用を実施している企業のうち、2015年度にインターンシップを実施した(予定含む)企業は59.5%と、2014年度の49.9%より9.6ポイント増加した。また、2016年度に実施予定の企業は61.1%と、2015年度よりも1.6ポイント増加する見通しである。

2)実施期間
2014~2016年度いずれかに、インターンシップを実施した企業に、インターンシップの実施期間(主なもの)を尋ねると、2014年度では「1週間以上2週間未満」、2015年度では「1日」、2016年度(予定)では「1日」が最も多い。

3)前年と比較した際の変更および変更予定状況【2014~2016年度いずれかの年度で実施】
2014~2016年度にインターンシップを実施または実施予定の企業において、2014年度と比べた2015年度の変更状況について見る。
まず、2015年度について見ると、2014年度と比較して「同じ」が多いものの、「受け入れ人数」では43.2%、「回数」では35.7%、「内容」では36.5%、「時期」では30.2%が、それぞれ「増やした」または「変更した」と回答している。
次に2016年度について見ると、「受け入れ人数」で35.3%、「回数」で30.5%が「増やす予定」と回答している。

4)実施目的と成果
インターンシップを実施(予定も含む)した企業の実施目的は、2016年度では「仕事を通じて、学生に自社を含め、業界・仕事の理解を促進させる」(85.5%)が最も多く、次いで「学生に就業体験の機会を提供することで、社会貢献する」(58.4%)であった。
目的に対しての成果を見ると、「仕事を通じて、学生に自社を含め、業界・仕事の理解を促進させる」(81.5%)に次いで「学生に就業体験の機会を提供することで、社会貢献する」(51.0%)であり、目的と同順であった。
実施目的について2012年調査より経年で見ると、2013年調査を境に、「学生に就業体験の機会を提供することで、社会貢献する」と「仕事を通じて、学生に自社を含め、業界・仕事の理解を促進させる」が逆転している。

5)実施における苦労や懸念点
2015年度のインターンシップを実施(予定も含む)する際の苦労や懸念点を見ると、「プログラムの企画・設計」(78.5%)「社内協力者の巻き込み」(74.5%)、「プログラムの実施」(45.4%)が多かった。
そのうち、最も苦労・懸念した点は、「社内協力者の巻き込み」(38.0%)であった。

6)実施対象
2015年度のインターンシップ実施対象は、前年度と同様に「大学3年生」が92.3%と突出して多く、次いで、大学院1年生の49.8%だった。

7)受け入れ部門/プログラム内容/指導担当者 【当該年度実施】
2015年度について見る。
インターンシップの受け入れ部門を見ると、「人事部門」(56.1%)が最も多く、次いで「技術・設計部門」(27.7%)、「営業・販売部門」(25.7%)である。
インターンシップのプログラム内容を見ると、「通常業務でなく別の課題やプロジェクト」(53.1%)が最も多く、「職場や工場の見学」(43.1%)、「社員の補助的な業務の一部」(35.2%)と続く。
インターンシップの受け入れ学生に対して、直接指導する担当者を見ると、「一般社員クラス」(71.6%)が最も多く、「係長・主任・リーダークラス」(62.9%)と続く。

8)参加者への評価等のフィードバック状況 【当該年度実施】
2015年度のインターンシップ参加者に対しての、評価等のフィードバック状況は、「学生にのみ直接している」(33.4%)が最も多く、前年度の30.0%より3.4ポイント増加した。「特にしていない」は26.9%で、前年度の20.9%よりも6.0ポイント増加した。

9)インターンシップ選考と採用選考基準の相違/選考方法 【当該年度実施】

2015年度のインターンシップ参加者の選考基準と採用選考の基準との相違を見ると、「全く同じ」であるのは27.5%で、「多少異なる」39.2%と「全く異なる」33.3%を合わせると、7割強が異なっている。
また、選考基準が異なっている場合、どちらが厳しいかを聞いたところ、「採用の方が厳しい」が71.3%で、「どちらかというと採用の方が厳しい」の22.3%を合わせると93.6%であり、採用選考の基準の方が厳しい状況である。

2015年度のインターンシップ参加者の選考方法は、「書類」選考が最も多く45.7%で、「先着順や抽選」(25.8%)が続く一方で、「選考はしていない」が35.6%となっている。
従業員規模別に見ると、規模が小さくなるにつれて、「選考はしていない」が多くなり、特に、300人未満企業では半数以上となっている。一方、5000人以上企業では、「書類」選考の59.2%が最も多く、続いて「面接」が36.6%で、「選考はしていない」のは14.1%である。

Ⅱ.2016年卒の学生のインターンシップへの参加状況<学生>

1)参加状況/参加社数
2016年卒学生のうち、インターンシップ参加者は39.9%と、2015年卒よりも13.0ポイント増加した。
インターンシップ参加社数は1社が48.9%と最も多く、次いで2社の24.8%であった。

2)参加期間/プログラム内容
インターンシップ参加期間は、「1日」(53.2%)が最も多く、次いで「3日以上1週間未満」(33.8%)であった。
参加したインターンシップのプログラム内容を見ると、「通常の業務ではなく、別の課題やプロジェクトを経験」(48.5%)が最も多く、次いで「仕事をしている社員に同席あるいは同行」(39.7%)であった。

3)参加目的/インターンシップ先を選ぶ際に重視したこと
インターンシップ参加目的を見ると、「仕事理解」(67.0%)、「業種理解」(63.4%)、「企業・職場の雰囲気を知る」(32.6%)の順であった。
インターンシップ先を選ぶ際に重視したことを見ると、「業種」(56.8%)が最も多く、「インターン内容」(46.6%)、「職種」(37.3%)の順であった。

4) 参加してよかったと思う点/参加しなかった理由
インターンシップに参加してよかったと思う点は、「仕事内容を具体的に知ることができた」(66.1%)が最も多く、「業種について具体的に知ることができた」(62.3%)、「企業・職場の雰囲気を知ることができた」(33.8%)の順であった。
インターンシップに参加しなかった学生の理由を見ると、「インターンシップの内容に魅力を感じなかった」(37.1%)、「採用選考上有利になると思わなかった」(19.4%) 、「実施時期や時間が、自分の予定と合わなかった」(14.8%)の順であった。

5)インターンシップでの報酬等の支給状況
参加したインターンシップでの、交通費などの支給状況を見ると、交通費は32.3%だが、宿泊費または宿泊施設の無償提供は16.0%、報酬(交通費、宿泊費を除く)は8.5%であった。

Ⅲ.内定者のインターンシップ参加状況<企業・学生>

1)内定者のインターンシップ参加状況、インターンシップ参加企業への入社予定状況
企業の2016年卒の内定者の中に、インターンシップ参加者がいたかどうかについて、参加者がいたのは66.5%で、前年よりも20.1ポイント増加した。また、そもそも採用目的として実施しているのは19.9%と、前年よりも9.0ポイント増加した。
インターンシップ参加学生の20.4%が、インターンシップ参加企業に入社予定である。参加企業ではないが、同業種の企業に入社予定は24.9%で、合わせて45.3%がインターンシップに参加した業種へ、入社予定となった。


【調査概要】

【企業調査】
2016年卒(大学生・大学院生)の採用活動振り返り調査
・調査目的:新卒採用に関する企業の活動実態を把握する
・調査方法:郵送法
・調査対象:全国の新卒採用を実施している従業員規模5人以上の企業4,050社
・調査期間:2015年12月24日~2016年1月28日
・回収社数:1,260社(回収率31.1%)

【学生調査】
2016年卒(大学生・大学院生)の就職活動振り返り調査
・調査目的:就職に関する学生の活動実態を把握する
・調査方法:WEBアンケート―調査協力:株式会社インテージ
・調査対象:インテージ社のモニターにスクリーニング調査を行い、民間企業を対象に就職活動を行った全国の大学4年生・大学院2年生の男女を対象
・調査期間:2016年1月5日~2016年1月19日
・集計対象:2,146人

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