子供の生活実態調査【都内の小中高校生等調査】(中間のまとめ) 

2017年02月23日
東京都では、今後の子供・子育て支援施策の参考とするため、子供と子育て家庭の生活状況などに関する「子供の生活実態調査」を実施しました。小学5年生、中学2年生、16-17歳を対象とした調査結果の概要(中間のまとめ)は、以下のとおりです。

【主な調査結果】

1 生活困窮の状況

(1)家計の状況

金銭的な理由から、食料や衣類の購入、公共料金の支払いができなかった割合は、困窮層に多い

[食料や衣類の購入、公共料金の支払い状況(過去1年間)]
○ 約1割の世帯において、過去1年間に金銭的な理由で家族が必要とする食料が買えなかった経験があり(図表 1-1-1)、約 15%で衣類が買えなかった経験がある(図表 1-1-2)。また、約 3%の世帯において、公共料金(電話、電気、ガス、水道)の滞納経験がある(図表 1-1-3)。この割合は困窮層で特に多く、食料では困窮層の約 6 割から約 7 割(図表 1-1-4)、衣類では約 8 割(図表1-1-5)、公共料金では約 2 割から約 3 割である(図表 1-1-6)。

(2)子供の生活水準(所有物と体験)

子供の所有物や海水浴・スポーツ観戦などの体験の有無は、生活困難度により差がある

[所有物の状況]
○ 小学 5 年生、中学 2 年生が「欲しいが、持っていない」とした物品は、「携帯音楽プレーヤー」「携帯電話、スマートフォン」「子供部屋」が上位であった(図表 1-2-1)。「2足以上のサイズのあった靴」などの生活用品や、「スポーツ用品(野球のグローブや、サッカーボール等)」など子供の生活の質にかかわる物品について、生活困難度別の差が大きい(図表 1-2-2)。

[子供への支出]
○ 保護者が「経済的にできない」子供のための支出は、「1年に1回くらいの家族旅行」、「学習塾(または家庭教師)」、「習い事」であり、約1割から約2割の世帯がこれに該当する(図表1-2-3)。
特に、年齢の高い子供を持つ保護者ほどこれらが支出できないとする割合が多い(図表 1-2-3)。

[子供の体験]
○ 小学 5 年生と中学 2 年生の保護者に、過去1年間において、子供と「海水浴に行く」などの体験をすることがあったかを聞いたところ、「金銭的な理由」で体験が「ない」としたのは、小学 5 年生では 2%から約 5%、中学 2 年生では約 3%から約 6%である(図表 1-2-4)。「時間的な制約」で体験が「ない」としたのは、小学 5 年生では約 5%から 14%であり、中学 2 年生では約 13%から 21%である(図表 1-2-4)。困窮層では、小学 5 年生の保護者の約 26%から約 38%、中学 2 年生の保護者の約 28%から約 45%が、「金銭的な理由」によってこれらの体験を子供にさせることができないとしている(図表 1-2-5,6)

(3)子供の食と栄養

食事の回数や栄養群の摂取状況は、生活困難度により差がある

[朝食の摂取状況]
○ 中学 2 年生の 1.9%が朝食を「いつも食べない」、2.9%が「食べない方が多い(週 1、2 日)」(図表1-3-1)。困窮層では、「いつも食べない」割合が 7.8%、ひとり親(三世代)世帯では 6.0%である(図表 1-3-1)。

[栄養群の摂取状況]
○ 小学5年生と中学2年生の7割以上が給食以外にも毎日野菜を食べるが、「1週間に2~3日」以下の子供も約 1 割存在する(図表 1-3-2,3)。小学 5 年生の困窮層では、約 2 割が「1週間に 2~3 日」以下である(図表 1-3-2)。「肉か魚」についても、同様に、「1 週間に 2~3 日」以下の子供が存在する(図表 1-3-4,5)。「果物」については、給食以外にまったく「食べない」子供が小学 5 年生で 3.3%、中学 2 年生では 4.6%である(図表 1-3-6)。

○ 16-17 歳では、食事の回数が「ほぼ毎日2食」以下である割合が、全体の 13.2%となっている(図表 1-3-7)。困窮層では、22.7%が「ほぼ毎日2食」以下である(図表 1-3-7)。動物性たんぱく質では差がないものの、野菜、植物性たんぱく質、乳製品、果物では、困窮層は一般層に比べ摂取頻度が少ない(図表 1-3-8)。

(4)住宅の状況

住居の広さは「4室以上」が多く、居室が少ない住宅では、子供の学習時間が少ない傾向にある

[住宅の広さ]
○ 子供の住む住居の広さでは「4室以上」(玄関・風呂等を含まない)が約 7 割であるが、約 5%が「2室以下」である(図表 1-4-1)。「2室以下」の住宅に住む 16-17 歳は 5.1%存在し(図表1-4-1)、彼らは家に勉強場所がなく、学校の授業以外の学習時間も少ない傾向がある(図表1-4-2,3)。

2 子供の学び

(1)学校選択

公立・私立別の高校選択の理由は、生活困難度により異なる

[学校選択の理由]
○ 高校選択を学校の設置者別にみると、一般層は公立が 41.3%、私立が 55.8%であり、困窮層は公立が 59.2%、私立が 36.1%となっている(図表 2-1-1)。
○ 公立高校を選んだ理由は、「私立高校の授業料等の費用が高かったため」が一般層では 61.3%であるのに対し、周辺層では 78.1%、困窮層では 85.5%である(図表 2-1-2)。私立高校を選んだ理由は、一般層では「教育の質が高い」(43.6%)、「教育方針が気に入った」(37.5%)が多いのに対し、困窮層では「公立高校の入試に合格しなかった」(54.4%)が最も多い(図表 2-1-3)。

(2)授業の理解度

授業がわからないと感じる子供は、一般層に比べ困窮層に多い

[授業の理解度とわからなくなってきた時期]
〇 小学 5 年生の 85.6%が通常の授業を「いつもわかる」「だいたいわかる」と答えているものの、13.0%が「あまりわからない」「わからないことが多い」「ほとんどわからない」と回答している(図表2-2-1)。中学 2 年生では、この割合が 24.3% である(図表 2-2-2)。困窮層ほど割合は高くなり、小学 5 年生では約 3 割(図表 2-2-1)、中学 2 年生では約半数となっている(図表 2-2-2)。
また、小学 5 年生の授業がわからない子供の 36.6%が、小学 3 年生までにわからなくなったと回答し、中学 2 年生の授業がわからない子供の 34.4%が、小学生段階でわからなくなったと回答している(図表 2-2-3,4)。

〇 16-17 歳の約 3 割は、授業が「あまりわからない」「わからないことが多い」「ほとんどわからない」と回答している(図表 2-2-5)。授業が「わからないことが多い」「ほとんどわからない」子供は、一般層で 15.3%であるのに対し、困窮層では 28.6%である(図表 2-2-5)。

(3)学校外での学習状況

学習塾に通っている(または家庭教師に来てもらっている)子供は、一般層に比べ困窮層に少ない

[通塾状況]
○ 学習塾に通っている(または家庭教師に来てもらっている)子供は、小学 5 年生と中学 2 年生でそれぞれ約 5 割、16-17 歳で約 3 割いる(図表 2-3-1,2,3)。この割合は、困窮層ほど低くなり、困窮層の小学 5 年生で約 3 割、中学 2 年生で約 4 割、16-17 歳で約 1 割となる(図表2-3-1,2,3)。

(4)学習環境の状況

自宅で勉強場所がない子供は、一般層に比べ困窮層に多い

[学習環境の欠如の状況]
○ 「インターネットにつながるパソコン」がない子供は、小学 5 年生と中学 2 年生では、それぞれ31.8%と 24.0%(図表 2-4-1)、「自分だけの本」は 14.0%と 11.6%である(図表 2-4-2)。困窮層では、どの年齢層も「インターネットにつながるパソコン」がない子供は約 4 割、小学 5 年生では「自分専用の勉強机」がない子供も約 4 割いる(図表 2-4-1,3)。

〇 各年齢層の約 3%から約 4%が「自宅で宿題(勉強)をすることができる場所」が「ない(欲しい)」としている(図表 2-4-4)。困窮層では、この割合は小学 5 年生で 11.2%、中学 2 年生で 13.9%、16-17 歳で 16.8%である(図表 2-4-4)。どの年齢層においても、約 4 割の子供が「家で勉強できない時、静かに勉強できる場所」を「使ってみたい」としている(図表 2-4-5)。

(5)補習教室への参加状況

公立小中学校で行われる補習教室への参加率は、一般層に比べ困窮層が高い

[補習教室のへの参加状況・参加しない理由]
〇 公立の小中学校で行われる補習教室については、小学 5 年生および中学 2 年生の約 2 割から約 3 割が「いつも」または「時々」参加している(図表 2-5-1,2)。困窮層の子供は、一般層に比べて参加率が高い(図表 2-5-1,2)。補習教室に参加しない理由は「必要がない」が最も多いが、「学校でやっていないから」も小学 5 年生で 22.2%、中学 2 年生で 15.0%存在する(図表 2-5-3)。

3 子供の生活・友人関係

(1)放課後の過ごし方

クラブ活動に参加する子供は、一般層に比べ困窮層に少ない

[放課後の過ごし方]
〇 平日の放課後に過ごす場所について、過ごす頻度が「週に 3~4 日」以上の割合をみると、小学5 年生では、「自分の家」が最も多く約 6 割、次いで「塾や習い事」が約 4 割、「公園」が約 2 割である(図表 3-1-1)。中学 2 年生では、「学校(部活など)」が最も多く約 7 割、次いで「自分の家」が約 4 割、「塾や習い事」が 1 割である(図表 3-1-2)。

〇 クラブ活動などについては、中学 2 年生の約 9 割、16-17 歳の約 7 割が参加しており、中学 2年生では困窮層ほど参加率が低い(図表 3-1-3,4)。16-17 歳の困窮層と周辺層では、一般層に比べて参加率が 10%程度少ない(図表 3-1-4)。

(2)友人関係

放課後一人で過ごすことが多い子供は、小学 5 年生、中学 2 年生で約 1 割、16-17 歳で約 2 割いる

[友人関係と孤立]
〇 16-17 歳の約 5 人に 1 人は、平日の放課後に「一人で過ごす」ことが一番多い(図表 3-2-1)。
小学 5 年生、中学 2 年生では、約 1 割である(図表 3-2-1)。

[いじめ]
〇 いじめられたことが「よくあった」「時々あった」と回答した小学 5 年生は、困窮層に多く、約 4 人に1 人である(図表 3-2-2)。

(3)居場所事業等の利用意向

居場所事業への利用意向は、年齢層が高いほど関心が高く、一般層に比べ困窮層で高い

[居場所事業への利用意向]
〇 居場所事業については、特に、16-17 歳において潜在的な利用意向が高くなっている。16-17歳の約 3 人に 1 人が家以外で「平日の放課後に夜までいることができる場所」や「休日にいることができる場所」を「使ってみたい」としている(図表 3-3-1,2)。生活困難度別には、潜在ニーズはどの層においても高くなっているが、困窮層は一般層と比べて「使ってみたい」「興味がある」とする子供の割合がより多く、居場所事業が困窮層のニーズに対応していることが示唆される(図表3-3-1,3)。

〇 夜遅くまで子供だけで過ごした経験がある小学 5 年生は約 6%である(図表 3-3-4)。就労してい
る小学 5 年生の母親の 4.9%が早朝(5~8 時)、5.9%が夜間(20~22 時)、33.4%が土曜、19.9%が日曜・祝日の仕事がある(図表 3-3-5)。この割合は、ひとり親世帯の方が高い(図表 3-3-6)。
小学 5 年生の約 4 割、中学 2 年生の約 5 割、16-17 歳の約 6 割が「平日の放課後に夜までいることができる場所」を「使ってみたい」「興味がある」としている(図表 3-3-7)。

[「夕ごはんをみんなで食べることができる場所」への利用意向]
〇 どの年齢層も 5 割近くの子供が「家の人がいない時、夕ごはんをみんなで食べることができる場所」について、「使ってみたい」「興味がある」としている(図表 3-3-8)。この割合は、困窮層ほど高い(図表 3-3-9)。

4 子供の健康と自己肯定感

(1)健康・医療

自分の健康状態が良くないと感じている子供や、医療機関の受診抑制を経験したことがある子供は、困窮層ほど多い

[子供の健康状態]
〇 子供の主観的健康状態および保護者からみた子供の健康状態は、困窮層ほど良くない傾向にある(図表 4-1-1,2,3、図表 4-1-4,5,6)。むし歯がある子供は困窮層で多くなっており、「4本以上」ある子供も、小学 5 年生で 5.5%、中学 2 年生で 5.0%、16-17 歳で 3.8%となっている(図表4-1-7,8,9)。

[医療機関の受診抑制]
〇 すべての年齢層において、1割強の保護者が「過去 1 年間に、子供を医療機関で受診させた方がよいと思ったが、実際には受診させなかったことがある」としている(図表 4-1-10)。この割合は、困窮層ほど高くなっている(図表 4-1-11)。また、小学 5 年生では、ひとり親(二世代)世帯で多い(図表 4-1-12)。

〇 受診抑制の理由は、小学 5 年生の困窮層では「様子改善」が最も多く、次いで「多忙」が多い(図表 4-1-13)。中学 2 年生の困窮層では「多忙」が最も多く、次いで「本人受診希望なし」が多い(図表 4-1-14)。また、16-17 歳の困窮層では、周辺層や一般層に比べ、「自己負担金払えず」が多くなっている(図表 4-1-15) 。

[予防接種未接種状況]
〇 小学5年生と中学2年生の定期予防接種の未接種は少ないものの、任意接種であるインフルエンザ(過去1年)、おたふくかぜの未接種率は、約 3 割から 5 割弱となっている(図表 4-1-16)。未接種率は困窮層ほど高い(図表 4-1-17,18)。

(2)自己肯定感

一般層に比べ困窮層の子供は、孤独を感じる割合が高く、主観的幸福度が低い傾向にある

[自己肯定感]
○ 自己肯定感について 9 項目を聞いたところ、生活困難度別に差が見られる項目は、小学 5 年生と中学 2 年生では少ないが、16-17 歳では、「不安を感じることはない」「自分のことが好きだ」以外の 7 項目で差が見られ、困窮層では一般層より否定的な回答(「(そう)思わない」)をする割合が高くなっている(図表 4-2-1)。

○ 小学 5 年生の 12.2%、中学 2 年生の 9.8%、16-17 歳の 11.7%が「孤独を感じることはない」について「(そう)思わない」(=孤独を感じる)と回答しており、この回答は困窮層に多い傾向がある(図表 4-2-2,3,4,5,6,7)。

[子供の主観的幸福度]
〇 16-17 歳の子供に、この1年間を振り返っての幸福度を 0(とても不幸)から 10(とても幸せ)の11 段階で聞いたところ、幸福度が低い(幸福度 0-3)割合は、一般層が 4.6%、困窮層が 13.8%、幸福度が高い(幸福度 8-10)割合は、一般層が 50.7%、困窮層が 31.0%となっており、一般層に比べ困窮層の子供の主観的幸福度は低い傾向にある(図表 4-2-8)。

[子供の抑うつ傾向]
〇 小学 5 年生の 12.3%、中学 2 年生の 20.1%にて抑うつ傾向が見られる(DSRS-C バールソン児童用抑うつ性尺度)(図表 4-2-9)。中学 2 年生では、困窮層ほど抑うつ傾向が見られる(図表4-2-10)。16-17 歳の 26.3%が「気分・不安障害相当」(K6 スケールにて 9 点以上)と見られる(図表4-2-11)。抑うつ傾向は、中学2年生と16-17歳では、一般層と比べて困窮層に多い(図表 4-2-10,12)。

5 保護者の状況

(1)保護者の就労状況

一般層に比べ困窮層の保護者は、正規社員の割合が少ない

[父親の就労状態]
○ 父親の就労状態は正規社員が最も多く、約 8 割となっている(図表 5-1-1,2,3)。この割合は困窮層ほど低くなり、困窮層の小学 5 年生の父親では約 6 割、中学 2 年生と 16-17 歳の父親ではそれぞれ約 5 割となる(図表 5-1-1,2,3)。

[母親の就労状態]
○ 母親の就労状態は非正規社員が最も多く、小学 5 年生の母親の約 4 割、中学 2 年生と 16-17歳の母親のそれぞれ約 5 割が非正規社員である(図表 5-1-4,5,6)。生活困難度別に正規社員の割合をみると、小学 5 年生と中学 2 年生の母親では、困窮層が約 1 割、一般層が約 2 割と差が出ている(図表 5-1-4,5,6)。

[共働きの状況]
〇 共働きの状況は、「一人が正規、一人が非正規・自営・自由業」の割合が最も高く、小学 5 年生のふたり親世帯の場合は約 4 割、中学 2 年生と 16-17 歳の場合はそれぞれ約 5 割となっている(図表 5-1-7)。また、ふたり親世帯であっても正規社員の保護者がいない世帯が約 13%から約16%ある(図表 5-1-7)。この割合は困窮層ほど高くなり、各年齢の困窮層において、それぞれ約4 割である(図表 5-1-8,9,10)。

(2)保護者の健康状態と精神的ストレス

一般層に比べ困窮層の保護者は、主観的健康状態が悪く、抑うつ傾向にある割合が高い

[保護者の健康状態]
○ 各年齢層でそれぞれ 9 割を超える保護者は、自分の健康状態について、「よい」「まあよい」「ふつう」と答えている(図表 5-2-1)。この割合は困窮層ほど低くなり、小学 5 年生と中学 2 年生では約 8 割、16-17 歳では 7 割強である(図表 5-2-2,3,4)。

[保護者の抑うつ傾向]
○ 小学 5 年生、中学 2 年生、16-17 歳のいずれにおいても、困窮層の約 6 割から約 7 割の保護者が、心理的ストレスを抱えている(図表 5-2-5,6,7)。「気分・不安障害相当」(K6 スケールにて9 点以上)と見られる保護者は、各年齢層において1割を超える(図表 5-2-8)。この割合は困窮層ほど高くなり、困窮層の小学 5 年生の保護者は約 3 割、中学 2 年生と 16-17 歳の保護者は、それぞれ約 4 割となる(図表 5-2-5,6,7)。

(3)相談相手

保護者の約1割は、困ったときに相談する相手がおらず、この割合は困窮層ほど高い

[保護者の相談相手]
○ 保護者の約1割は、困った時に相談する相手がいない(図表 5-3-1)。この割合は困窮層ほど高くなり、各年齢層の困窮層において、それぞれ 2 割を超える保護者は相談相手がいない(図表5-3-2)。世帯タイプ別にみると、ひとり親世帯の相談相手がいない割合がふたり親世帯に比べて高い(図表 5-3-3)。

6 制度・サービスの利用

(1)子供本人の支援サービス利用意向

子供の利用意向が最も高い支援サービスは、「家で勉強できない時、静かに勉強できる場所」

[支援サービスへの子供の利用意向]
○ 子供が利用意向のある支援サービスは、「家で勉強できない時、静かに勉強できる場所」について、「使ってみたい」「興味がある」の割合が最も高く、約 6 割から約 7 割となっている(図表6-1-1,2,3)。また、中学 2 年生と 16-17 歳については、一般層に比べ困窮層の子供の方が、各種支援サービスの利用意向が高い傾向にある(図表 6-1-4,5,6)。

〇 学校外の学習支援の潜在ニーズは高く、「大学生が勉強を無料でみてくれる場所」について、子供の約 5 割から約 6 割が「使ってみたい」または「興味がある」としている(図表 6-1-1,2,3)。また、保護者の約 3 割が「学校以外が実施する学習支援」に対して「興味がある」としている(図表6-1-7)。

(2)情報の受け取り方法

子供に関する施策の情報の受け取り方法は、「学校からのお便り」が最も多く、困窮層ほど行政機関からの情報取得方法が利用されていない

[施策情報の受け取り方法]
○ 子供に関する施策の情報の受け取り方法については、「学校からのお便り」が最も多く、すべての年齢層で 8 割を超えている(図表 6-2-1)。また、行政経由の情報取得方法である「行政機関の広報誌」「行政機関のホームページ」について、一般層よりも困窮層の利用率が低い(図表
6-2-2,3,4)。

(3)支援サービス利用状況・認知状況・利用意向

保護者の利用関心が最も高い支援サービスは、「学校が実施する補講」

[支援サービスの利用状況・認知状況]
○ 「子ども食堂」「フードバンク」といった食事支援に関するサービスについては、知らないため利用されていない割合(非認知による不利用率)が高く、小学 5 年生と中学 2 年生でそれぞれ約 4 割、16-17 歳で約 3 割となっている(図表 6-3-1)。また、困窮層は一般層に比べ、各支援サービスについて非認知による不利用率が高い傾向にある(図表 6-3-2,3,4)。

[支援サービスへの保護者の利用意向]
○ 保護者が利用意向のある支援サービスは、すべての年齢層で、「学校が実施する補講」への利用意向が最も高く、次いで「学校以外が実施する学習支援」、「居場所事業(小学校高学年も利用できる児童館や学童クラブ、中学生以上の子供が自由に時間を過ごせる場所など)」と続いている(図表 6-3-5)。これらの支援サービスについては、一般層に比べ困窮層の方が各支援サービスの利用意向が高い(図表 6-3-6,7,8)。


【調査概要】
・調査対象:都内の 4 自治体(墨田区・豊島区・調布市・日野市)に在住の小学 5 年生、中学 2 年生、16-17 歳(高校 2 年生及び高校に在籍していない同年齢の子供を含む)の子供本人とその保護者
・調査対象数:19,929 世帯
・抽出方法:住民基本台帳により、対象年齢層の者すべてを抽出
・調査方法:郵送法(一部ウェブ回答)
・有効回答数:
 子供 8,367 票 (有効回答率 42.0%)
 保護者 8,429 票 (有効回答率 42.3%)
・調査期 間 平成 28 年 8 月 5 日から 9 月 7 日まで

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