「2016年、最も注目した医学・医療界のニュース」に関する調査(会員医師対象) 

2016年12月26日
医師10万人以上(国内医師の3人に1人)が参加する医師専用コミュニティサイト「MedPeer(メドピア)」を運営するメドピアは、会員医師を対象に「2016年、最も注目した医学・医療界のニュース」についてのアンケートを実施いたしました。

■調査結果(回答者:MedPeer会員医師4,378⼈、調査期間:2016/11/30〜2016/12/6)

― 総合ランキング ―
1 位 新専門医制度で混乱、2018 年度に延期へ(年初) 25%
2 位 オプジーボなど「高額薬剤問題」急浮上(2月) 23%
3 位 謎の中毒死、大口病院事件(9月) 13%
4 位 「オートファジー」大隅氏にノーベル賞(10月) 11%
5 位 いらない手術・クスリ週刊誌報道で混乱(8月) 5%
6 位 熊本地震など、全国から災害医療支援(4月以降) 3%
7 位 37 年振りの医学部開設、東北医科薬科大(4月) 3%
8 位 産業医大病院、点滴袋に穴(11月) 2%
9 位 医師需給、2040 年に 1.8 万⼈過剰に(3月末) 2%
10 位 診療報酬改定(7 対 1 基準、紹介状なし受診など)(4月) 2%


●「2016年、最も注目した医学・医療界のニュースは?」の募集に対し4,378人の医師が回答し、1位は「新専門医制度で混乱、2018年度に延期へ(年初)」(1,083人)となった。2位は「オプジーボなど「高額薬剤問題」急浮上(2月)」(1,008人)、3位は「謎の中毒死、大口病院事件(9月)」(556人)であった。

●勤務医・開業医別のランキングにおいては、勤務医では「新専門医制度で混乱、2018年度に延期へ(年初)」が、開業医では「オプジーボなど「高額薬剤問題」急浮上(2月)」が1位に選ばれた。また、勤務医のみでランクインしたのは「産業医大病院、点滴袋に穴(11月)」「柳原病院、医師逮捕事件(8月)」、開業医のみでランクインしたのは「診療報酬改定(7対1基準、紹介状なし受診など)(4月)」「化血研、違法製造で再び改善命令(10月)」であり、より自身に関係のあるニュースが選ばれた。

回答コメント(1~5位まで一部抜粋)

1位 「新専門医制度で混乱、2018年度に延期へ(年初)」 1,083名
・未だにどうなるのか決まっていないようで現場でいつから必要になるのか?取る必要があるのか?判断できなくて困ります。(50代、総合診療、勤務医)
・新専門医制度案自体に驚きましたが、多くの医師の反対意見にもかかわらず、「廃止」とならず単に「延期」となったのは誠に残念です。(70代、健診・予防医学、勤務医)
・やはり新専門医制度の混乱で医療現場でも混乱が起こっています。(50代、神経内科、開業医)
・今後の展開次第では、医療崩壊への最後の一撃になりかねません。若い先生方がかわいそうです。(50代、一般内科、開業医)
・結局のところ、患者さんにとってのメリットなど考えていない、官僚の私利私欲のための変更としか思えません。(30代、代謝・内分泌科、勤務医)

2位 「オプジーボなど「高額薬剤問題」急浮上(2月)」 1,008名
・一番気になった。個人的には薬価の決定方法について知るいい機会になったが、決め方には大いに問題があるとよくわかった。(30代、泌尿器科、勤務医)
・やはり、医薬品の高騰が保険制度の維持に与える影響について現実を突きつけられた大きな事件だったと思います。(30代、整形外科・スポーツ医学、勤務医)
・年間3500万円の薬ってなんでしょう?医療費削減のためにジェネリックに変更するのがバカバカしく思えてきました。(50代、一般内科、開業医)
・このような高額医療が保険認可もびっくりだが、政治の思惑で半額に値下げされ、適価とはいったいなんだろうと思った。(50代、眼科、開業医)

3位 「謎の中毒死、大口病院事件(9月)」 556名
・このような事件があると、今後さらに医療者側への風当たりが強くなるのではと感じました。病院前で出勤時にインタビューに答えている医師の姿がかわいそうでした。(30代、眼科、勤務医)
・善意に基づいて働いている医療に、このような悪意が入ると回避しようがない。対応は、点滴や薬品を鍵付きの部屋で管理し、監視カメラを付けるしかなく、仕事効率が非常に落ちた。(40代、在宅医療、勤務医)
・犯人が今もどこかで虎視眈々と次の犯行を伺っていはしないか、また、模倣犯がでても犯行自体気づきにくいという点でインパクトがあった。(50代、一般内科、開業医)

4位 「「オートファジー」大隅氏にノーベル賞(10月)」 499名
・恥ずかしながらオートファジーという言葉を初めて聞きました。その後の報道やインターネットの情報をみると、臨床医でも大変興味深かった。(70代、腎臓内科・透析、勤務医)
・大隅先生のノーベル賞は、改めて基礎研究の重要性を示すものでした。山中伸弥先生の時とは違う大きな意義があると思います。(40代、その他、勤務医)
・オートファジーの解明が新たな治療の開発につながると思われるので更に医者として働く意欲がわいてきました。(70代、リウマチ科、勤務医)

5位 「いらない手術・クスリ週刊誌報道で混乱(8月)」 218名
・とても迷惑している。不安を煽って発行部数を伸ばすつもりなのか?飲まなかった時のデメリットについても触れないのが、公平性に欠ける。出版社のもうけ主義を象徴しているようだ。(50代、一般内科、勤務医)
・患者さんの中には、これらの記事の影響で薬をやめてしまった方もいる。休薬後の検査でビックリするほどの値になったためやはり服用したいとの申し出をされた。(60代、代謝・内分泌科、勤務医)
・たかが週刊誌と思っていたが、マイナスの影響力が実際の医療現場でハンパなかった。(50代、一般内科、開業医)


医師専用コミュニティサイト「MedPeer」調べ

【調査概要】
調査期間:2016/11/30 ~ 2016/12/6
有効回答:4,378人(回答者はすべて、医師専用コミュニティサイトMedPeerに会員登録をする医師)
調査方法:MedPeer内の「ポスティング調査」コーナーにおいて、事務局より以下の質問を投げかけました。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[メドピア]
 マイページ TOP