世界のベストレストラン50 

2017年04月06日
2017年度の「世界のベストレストラン50」のリストが2017年4月5日(水)、オーストラリア・メルボルンのロイヤル・エキシビション・ビルディングで開催された表彰式にて発表され、アメリカ・ニューヨークにある「イレブン・マディソン・パーク(Eleven Madison Park)」が初めて1位の栄誉に輝きました。記念すべき15周年を迎える「世界のベストレストラン50」の2017年度のリストには、新たに6店のレストランがランクインし、3店がカムバックを果たしました。また、アジアからは、日本とタイからの各2店含む、計7店がトップ50入りしました。

今回初の「世界のベストレストラン」の称号を手にした「イレブン・マディソン・パーク」は、「北米のベストレストラン賞」のタイトルも同時に獲得しました。同店は2010年に50位で初ランクイン後、2012年にトップテン入り、2016年は3位へと順調に順位を上げてきました。レストランの共同オーナー、ウィル・グィダラ氏とスイス出身のシェフ、ダニエル・ハム氏は、キッチンとダイニングルームとの間の敷居を低くすることで、ファイン・ダイニングに楽しさの要素を加えています。マディソンパークを見下ろすアール・デコ建造物内にある同店の、季節毎に変わるテイスティング・メニューには、ニューヨークの豊かな歴史と食の伝統が反映されています。

世界の食と文化の多様性が表れる形となった2017年のリストは、5大陸22カ国より選出されたレストラン50店から構成され、フランス、スペイン、アメリカ合衆国から、それぞれ6店がランクインを果たしました。

また、2017年2月に発表された「アジアのベストレストラン50」にて3年連続の首位の座に輝いたバンコクの「ガガン(Gaggan)」が2016年の23位から大幅に順位を上げ7位に入り、「アジアのベストレストラン賞」を受賞しました。2016年32位にランクインしたシンガポールの「レストラン・アンドレ(Restaurant Andre)」も大幅に順位を上げ14位に、また、東京・南青山の「NARISAWA」が18位、香港の「アンバー(Amber)」が24位、バンコクの「ナーム(Nahm)」が28位、中国・上海のポール・ペレ氏率いる「ウルトラバイオレット(Ultraviolet)」が41位にそれぞれランクインしたほか、ミーレ社がスポンサーを務める「注目のレストラン賞」を2016年に受賞した東京の「傳(でん)」が45位に入りました。2017年度のトップ50リストの概要は以下のとおりです。

・ニューヨークの「イレブン・マディソン・パーク」が初の1位の座に
・初登場の6店、カムバックの3店を含む9店が、2016年のリストから異なる顔ぶれに
・タイ・バンコクの「ガガン」が2016年の23位から大幅に順位を上げ7位にランクイン
・シンガポールの「レストラン・アンドレ」が2016年から18ランク順位を上げ14位に
・バンコクのガガンが「アジアのベストレストラン賞」を受賞

【太平洋】
・2017年の授賞式ホスト国であるオーストラリアからは、初登場の1店を含む2店がランク入りしました。「オーストラリアのベストレストラン賞」を受賞したメルボルンの「アッティカ(Attica)」は、2016年から順位を1つ上げて32位に、ヴィクトリア州の「ブレイ(Brae)」が44位に初登場しました。

【ヨーロッパ】
・2016年首位の栄冠に輝いたイタリア・モデナにある「オステリア・フランチェスカーナ(Osteria Francescana)」は2位に後退したものの、「ヨーロッパのベストレストラン賞」のタイトルを維持しました。イタリアからは他に、リスト常連となっている「ピアッツァ・ドゥオモ(Piazza Duomo)」(15位)や「ル・カランドレ(Le Calandre)」(29位)に加え、43位に初登場したカステル・ディ・サングロにある「レアーレ(Reale)」などがトップ50入りを果たしました。

・フランスからは、トップ50内の店数が6店へと2016年から倍増し、うち3店がトップ20内にランクインしました。国内最高位の4位に入った「ミラジュール(Mirazur)」、12位の「アルページュ(Arpege)」をはじめ、「アラン・デュカス・オ・プラザアテネ(Alain Ducasse au Plaza Athenee)が13位にドラマチックにカムバックを果たしました。また、「最上位の新規入賞レストラン賞」を受賞した「アレノ・パリ・オ・パヴィオン・ルドワイヤン」が31位に初登場したほか、同じくパリにある「セプティーム」(35位/15位ランクアップ)と「ラストランス(L'Astrance)」(46位/11位ランクアップ)が2016年から大幅に順位を上げました。「セプティーム」はサステイナブル・レストラン協会の審査に基づいて選出される、サイルストーン・バイ・コンセンティーノ社がスポンサーを務める「サステイナブル・レストラン賞」も受賞しています。

・スペインからは6店がトップ50のリストに名を連ね、うち3店がトップテン入りを果たしました。以前首位の座に輝いたこともある「アル・サリェー・ダ・カン・ロカ」は2017年3位にランクインし、不変の暖かな雰囲気とサービスを評価され、フェラーリ・トレント社がスポンサーを務める「アート・オブ・ホスピタリティー賞」を受賞しました。「アサドール・エチェバリ(Asador Etxebarri)」が2016年から4つ順位を上げて6位に、サン・セバスティアンにある「ムガリッツ(Mugaritz)」は9位に入りました。

・デンマークも善戦し、首都であるコペンハーゲン内のレストラン2店がトップ50内にランクインしました。「ゼラニウム(Geranium)」が2016年から9つ順位を上げて19位に、過去に「サステイナブル・レストラン賞」を2度受賞している「レレ(Relae)」が39位に入りました。

【アメリカ大陸】
・ニューヨークのレストランが2017年のリストのトップに輝きましたが、同じくニューヨークにあるエンリケ・オルベラ氏率いる「コスメ(Cosme)」が40位に初登場しました。同じくオルベラ氏のメキシコ・シティにあるレストラン、「プジョル(Pujol)」も2016年から5つ順位をあげ20位に入っています。ニューヨーク郊外にある、ダン・バーバー氏率いる革新的なレストラン「ブルーヒル・アット・ストーンバーンズ」は2016年から37位も順位を上げて11位となり、ラバッツァ社がスポンサーを務める「ハイエスト・クライマー賞」を受賞しました。

・南米からは5店のレストランがトップ50入りしました。アルゼンチン・ブエノスアイレスにある「テグイ(Tegui)」が49位に初登場し、2016年「ハイエスト・クライマー賞」を受賞したペルー・リマの「まいど(Maido)」が2016年から5つ順位を上げて8位に入りました。ヴィルジリオ・マルティネス氏が率いる「セントラル」が「南米のベストレストラン賞」を獲得し、さらに彼自身はシェフ達によって選出される、「シェフズ・チョイス賞(エストレージャ・ダム社提供)」も受賞しています。

【部門賞】
・2017年度の「ダイナースクラブ(R)ライフタイムアチーブメント賞」に輝いたヘストン・ブルメンタール氏が率いる「ディナー・バイ・ヘストン・ブルメンタール(Dinner by Heston Blumenthal)」が9つ順位を上げ、36位となりました。

・「世界の最優秀女性シェフ賞」には「ヒシャ・フランコ」のアナ・ロス氏が選ばれました。

・ニューヨークをベースに活躍するパティシエ兼起業家のドミニク・アンセル氏が「世界のベストペストリーシェフ賞」を受賞しました。彼の知名度を一気に押し上げた「ソーホー・ベーカリー(Soho Bakery)」を2011年にオープンし、オリジナルのスイーツ「クロナッツ」を世に送り出したことで、フランス出身のアンセル氏の名は東京やロンドンにまで広く知られるようになりました。彼の尽きることのない想像性と革新力、そして小売やレストランの垣根を越えた活躍が評価され、今回の受賞となりました。

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