女子中高生とその母親世代に「働き方改革に関する意識調査」 

2017年12月25日
GMOリサーチは、日本の未成年・成人モニターを対象に「働き方改革に関する意識調査」を実施いたしました。

【調査背景】

 日本政府が内閣官房に「働き方改革実現推進室」を設置し、本格的に労働環境改善に取り組み始めて1年が経ちました。この「働き方改革」のもと、「在宅勤務(テレワーク)」や「裁量労働制」の導入など、新たな取り組みを始める企業・団体も増加しています。
 また、2016年4月には「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」(通称:女性活躍推進法)が施行され、労働者数300名を超える企業に対しては、女性の活躍推進に向けた取り組み状況の把握や課題分析、行動計画の策定、実施状況の公表などが義務づけられました。
 このように、「働き方改革」に関する取り組みが官民一体となって推進されることで、今後はさらに、働く女性が個性や能力を最大限に発揮し活躍できる環境が整っていくことが期待されています。
 そこで、GMOリサーチは、今後社会を担っていく女子中高生およびその母親世代の有識者が、働き方改革に何を望んでいるのか、また希望する職業について娘と母親のギャップを探るべく、アンケート調査を実施いたしました。

【調査結果】

■回答者の分布(表1)
 「女子中高生」および「女子中高生の娘を持つ有職女性(以下、母親)」がほぼ同数の構成となるようサンプルを回収した。また、女子中高生の場合は本人の学年、母親の場合は末子の学年について、中学1年生から高校3年生まで各学年で人数のばらつきがないよう構成している。

■将来働く業種について(図1~4)
~「医療・福祉」が女子中高生・母親ともに最多~

 女子中高生に「将来就きたい業種」、母親に「娘に将来就いてほしい業種」を尋ねたところ、ともに「医療・福祉(女子中高生:23.2%、母親:29.8%)」が最多となった。 2位以降の業種を属性別に見ると、女子中高生は「教育(18.7%)」「広告・出版・デザイン(15.8%)」「サービス・レジャー(10.4%)」と続いた。母親は「官公庁・公社・団体(27.3%)」、「メーカー(13.7%)」「教育(13.3%)」の順となった一方、「あてはまるものはない(27.0%)」が約3割に上っていることから、娘に将来就いてもらいたい職業について具体的なイメージを持っていない人も多いことがうかがえる。

~女子中高生と母親のギャップ~

 女子中高生と母親が希望する業種の上位5位を抜粋し、回答割合を比較したところ、母親の希望2位だった「官公庁・公社・団体(母親:27.3%、女子中高生:6.4%)」で、女子中高生の回答と20ポイント以上もの差がつく結果となった。その他、母親の3位「メーカー(母親:13.7%、女子中高生:5.9%)」で7.8ポイント、5位「学術研究・技術(母親:12.5%、女子中高生:4.0%)」で8.5ポイント、女子中高生が下回っている。 一方、女子中高生の3位だった「広告・出版・デザイン(女子中高生:15.8%、母親:9.3%)」では6.5ポイント、5位「マスコミ・報道・メディア(女子中高生:9.7%、母親:3.5%)」でも6.2ポイント、母親が下回っており、「医療・福祉」や「教育」を除いては女子中高生と母親で希望する業種にギャップがあることが垣間見える結果となった。

■働く上で重視する点(図5)
~女子中高生は「休暇制度」や「安定性」、母親自身は「勤務地」や「時間」を重視~

 続いて、女子中高生には「将来働く上で重視する点」を、母親には「ご自身が働く上で重視する点」を尋ねた。女子中高生は、「休暇制度(52.6%)」「勤め先の安定性(50.6%)」が過半数に上り、次いで「勤務時間帯(43.0%)」「通勤時間(34.8%)」「育児支援(30.3%)」で3割を超える結果となった。一方、母親は「勤務地(69.5%)」「通勤時間(61.7%)」「勤務時間帯(60.5%)」で6割を超え、居住地や生活リズムを基盤に、働きやすい場所・時間を重視していることがうかがえる。
 また、「働き方改革」の重要な目標であり、企業の導入が進みつつある「テレワーク・在宅勤務(女子中高生:1.2%、母親:1.3%)」や、「副業の可否(女子中高生:8.1%、母親:4.3%)」は1割未満と低い結果となった。

■働き方改革について(図6~9)
<働き方改革の認知度・関心度> ~若年層の方が認知・関心ともに低い~

 続いて、「働き方改革」に関する意識を調査した。まず「働き方改革を耳にしたことがあるか」と尋ねたところ、女子中高生の6割弱(57.0%)、母親の7割超(70.7%)が「はい」と回答した。女子中高生は母親より13.7ポイント下回っており、若年層の認知は母親世代ほどは進んでいないと言える。 また、「働き方改革」を認知している人の関心度を探ったところ「関心があり、そういった制度を取り入れている企業で働きたい(女子中高生:36.6%、母親:33.7%)」が、ともに3割を超える結果となった。また、「関心がある」という回答を合算すると、女子中高生は過半数(55.8%)、母親は7割超(71.2%)となり、認知度同様、若年層の方が関心は低いことがうかがえる。

<働き方改革に期待すること>

 「働き方改革」を認知している人に、「働き方改革に期待すること・必要だと思うこと」を尋ねたところ、女子中高生・母親ともに「性別・年齢・障がいの有無などに関わらず活躍できる会社になる(女子中高生:57.5%、母親:38.2%)」「残業が少なくなる(女子中高生:50.4%、母親:39.4%)」「有給休暇が取りやすくなる(女子中高生:49.9%、母親:48.6%)」「始業・終業の時間が柔軟に決められるようになる(女子中高生:31.0%、母親:37.7%)」が3割を超え、上位4位に挙がった。 特に女子中高生は「性別・年齢・障がいの有無などに関わらず活躍できる会社になる(57.5%)」が約6割に上り、誰もが活躍できる環境に期待をしていることがわかった。その他、「残業が少なくなる(50.4%)」「有給休暇が取りやすくなる(49.9%)」で約5割の回答を集めており、仕事だけでなくプライベートにも時間を割ける環境も必要だと考えていることがうかがえる。

<働き方改革による家庭への影響>

女子中高生に、「働き方改革による家庭の変化」を聞いたところ、「特にない(89.1%)」が約9割を占めた。「働き方改革」の取り組みが各企業・団体で進む一方で、家庭の影響はまだ少ないことが垣間見える結果となった。


【調査概要】
・調査テーマ:働き方改革に関する意識調査
・調査地域:日本
・調査対象:
 11~18歳の女子中高生・・・・・・・・・・・595名
 女子中高生の娘を持つ30~59歳の有職女性・・600名  計1,195名
・調査期間:2017年12月7日~12月10日
・調査方法:
 ・女子中高生 LINEリサーチ(LINE Research Platform)を活用したスマートフォン調査
 ・30~59歳の有職女性 GMOリサーチの提携モニターへのインターネット調査
  ※女子中高生に対しては、保護者の同意を得て実施

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[GMOリサーチ]
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