第6回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査(未成年の子・孫をもつ20~69歳の男女個人) 

2017年12月28日
リスクモンスター(リスモン)は、第6回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査結果を発表いたしました。

【調査結果】

1 ランキングトップ5に変化なく根強い人気

「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」のランキング1位は「国家公務員」(回答率20.3%)となりました。次いで2位「地方公務員」(同15.8%)、3位「トヨタ自動車」(同9.5%)となり、以下4位「全日本空輸(ANA)」(同7.6%)、5位「日本航空(JAL)」(同5.5%)、6位「NTTドコモ」、「三菱商事」(同4.3%)、8位「花王」、「資生堂」(同3.9%)、10位「東日本旅客鉄道(JR東日本)」(同3.8%)と続きました。(図表A)

業種としては製造業が7社(トヨタ自動車、花王、資生堂、サントリー、タニタ、本田技研工業(ホンダ)、味の素)と最も多く、その他交通インフラ系4社(全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、東日本旅客鉄道(JR東日本)、東海旅客鉄道(JR東海))、総合商社3社(三菱商事、伊藤忠商事、三井物産)と続きました。

前回(第5回)の結果と比較したところ、トップ5の順位に変動はなく「国家公務員」が引き続き1位となりました。公務員を除く結果では1位「トヨタ自動車」、2位「全日本空輸(ANA)、3位「日本航空(JAL)」に変動はなく、特に「トヨタ自動車」は第2回調査から5回連続で1位、「全日本空輸(ANA)」は過去6回の調査ですべて2位以内となっているなど、過去の調査からトップランクを維持しており不動の人気であることがうかがえます。

一方で、「NTTドコモ」(前回23位→6位)、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」(前回22位→10位)、「伊藤忠商事」(前回26位→17位) 、「三井物産」(前回29位→17位)は大幅にランクアップし、特に商社のランクアップが目立ちました。(図表A)

また、前回上位20位以内であった「パナソニック」(前回6位→22位)、「楽天」(前回9位→48位)、「三井住友銀行」(前回11位→32位)が大幅にランクダウンする結果となりました。(図表A)

なお、トップ100については図表Bの通りです。

2 前回から引き続き世代を問わず不動の人気を誇る「トヨタ」と「ANA」

お子さんに勤めてほしい企業について集計したところ、1位は「国家公務員」(回答率18.0%)となりました。次いで2位「地方公務員」(同16.3%)、3位「トヨタ自動車」(同10.3%)、4位「全日本空輸(ANA)」(同7.8%)、5位「日本航空(JAL)」(同4.8%)、6位「資生堂」、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」、「グーグル(Google)」、「アップル(Apple)」、「タカラトミー」(同3.3%)と続きました。(図表C)

お孫さんに勤めてほしい企業についての集計についても、1位「国家公務員」(回答率22.5%)、2位「地方公務員」(同15.3%)、3位「トヨタ自動車」(同8.8%)、4位「全日本空輸(ANA)」(同7.5%)、5位「日本航空(JAL)」(同6.3%)となりました。以下6位「三菱商事」、「花王」(同5.8%)、8位「NTTドコモ」(同5.5%)と続きました。(図表D)

お子さん、お孫さんに勤めてほしい企業において、トップ5(国家公務員、地方公務員、トヨタ自動車、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)の順位は同順となり世代を問わず人気であることがうかがえます。

アンケート対象が父母世代となる“お子さんに勤めてほしい企業”においては、前回調査に引き続き、「グーグル(Google)」、「アップル(Apple)」、「アマゾン(Amazon)」など、成長性が高い企業が上位にランクインしている他、「三菱東京UFJ銀行」、「日本電信電話(NTT)」、「東京ガス」、「みずほ銀行」など、銀行やインフラ系企業もランキングを上げています。

アンケート対象が祖父母世代となる“お孫さんに勤めてほしい企業”では、「花王」、「サントリー」、「味の素」、「カゴメ」など日常生活に身近な企業が名を連ねていました。

父母・祖父母が自身の子供・孫に勤めてほしい企業は、トップ20中、半数以上の12社が重複しており、安定イメージの高い公務員、製造業、交通インフラ系の企業において、両世代から支持を集めていることがわかる結果となりました。(図表C・D)

3 世代間で重視するイメージに価値観の違いも表面化

「安定している」、「社員を大切にする」、「福利厚生が充実」、「給料がよい」、「将来性がある」が上位となりました。トップ5の項目は両世代から高い支持を得ており「安定性」、「勤務環境」、「給与」に関わるイメージが重視される結果となりました。

また、父母は祖父母に比べ「土日が休み」、「休暇制度が充実」、「ボーナスがよい」など収入や働き方に関わる面を重視する傾向がみられる一方、祖父母においては父母に比べ「社会的責任を果たしている」、「世界的に活動している」、「経営者が優れている」等を重視するなど世代により子や孫に勤めてほしい企業の価値観に違いもうかがえる結果となりました。(図表E)

[総評] -自身の夢や憧れを投影しつつ子や孫の「安定した生活」を願う

お子さん、お孫さんに勤めてほしい先として前回調査に引き続き公務員が1位、2位を占める結果となり、公務員を除いたトップ3も順位に変化はありませんでした。今回の調査でランキング上位となったのは「安定職」の代名詞である公務員の他、そのほとんどが業歴60年を超える大手優良企業であり、それは祖父母世代から存在し、また長期間にわたり安定して事業を継続してきた企業です。(図表F)

第5回までの調査でも「安定性」が重視されてきたことを考慮すると、父母・祖父母からみた子・孫の勤務先に「安定性」は必須であると考えられていることがうかがえます。

また、2017年3月に就職活動生向けに実施した「第3回就職したい企業・業種ランキング」と比較すると双方のランキングトップ20のうち8社が重複しています。公務員や鉄道会社など、安定イメージの高い職業において重複がみられるため、「父母・祖父母」と「子・孫」の双方において、就職先に「安定性」を求める傾向は高いといえますが、その一方で「父母・祖父母」が求める就職先には世界規模の自動車メーカーや総合商社など世界的な企業や世界での活躍がイメージできる企業も上位にランクインしており、安定企業であることの他に企業で働くことに対し夢を抱いている様子もうかがえます。(図表G)

さらに、お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業において稼いでほしいと考える最低年収は「年収は気にしない」(回答率21.3%)、「500万円以上」(回答率19.8%)、「400万円以上」(回答率14.4%)が上位となっており、「年収は気にしない」を除くと子・孫別、男子・女子別にみても「年収500万円以上」の回答が最も多い結果となりました。親や祖父母は子供や孫の職業に自身の夢や憧れを投影しながらも、堅実に平均年収以上は稼ぎ安定した生活を実現できる企業に勤めてほしいと願っている様子がうかがえます。(図表H)

企業が優秀な人材を獲得するためには、今回のアンケートにおいて上位にランクインした企業の様に、就職する本人だけではなく、父母・祖父母など幅広い世代に優良な就職先であると認められることも重要であることが見て取れます。大企業の不祥事に関するニュースが目を引く昨今の情勢において、優秀な人材から選ばれる企業になるためには、規模や業歴、知名度による安定性・堅実性のイメージに頼るのではなく、従業員が安心して働ける環境をつくり、真摯に社会的責任を果たすことで多様な世代から支持されることが必要なのではないでしょうか。


【調査概要】
・調査名称:第6回「お子さん/お孫さんに勤めてほしい企業」調査
・調査方法:インターネット調査
・調査エリア:全国
・期間:2017年8月28日(月)~8月30日(水)
・調査対象者:
 未成年の子(男)をもつ20~69歳の男女個人 200人
 未成年の子(女)をもつ20~69歳の男女個人 200人
 未成年の孫(男)をもつ20~69歳の男女個人 200人
 未成年の孫(女)をもつ20~69歳の男女個人 200人
・調査対象企業と選定方法:各業界の大手企業・組織200社を抽出
・有効回収数:800サンプル

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