乳幼児のイヤイヤ期を研究する「イヤイヤ実態調査」第一弾 

2018年01月18日
博報堂こそだて家族研究所と、博報堂発の次世代育児アイテムPechat開発チームは、イヤイヤ期の研究を行うチームを「イヤイヤ研」と称し、活動を開始しましたのでお知らせします。この度、その実態を解明すべく「イヤイヤ実態調査」を実施いたしました。第1弾の調査結果として、イヤイヤ期はいつ始まりいつ終わるのか、親たちはどのくらいストレスに感じているのかなど、興味深い結果が得られましたのでご報告いたします。

<調査概要>
調査1)イヤイヤ出現率調査
 調査手法:インターネット調査
 調査エリア:全国
 調査時期:2017年9月
 調査対象者:0歳~5歳児を持つ男性・女性(n=9,250)

調査2)イヤイヤ実態調査
 調査手法:インターネット調査
 調査エリア:全国
 調査時期:2017年9月
 調査対象者:0歳~5歳イヤイヤ期の子を持つ女性(n=1,200)
 ※調査1から抽出した、該当年齢の子が「イヤイヤ期」にあてはまると思うと回答した女性

<主な調査結果のポイント>

​・ 「魔の2歳」とも言われるイヤイヤ期、2 人に1人は1歳半にスタート。ピークは 2 歳である一方、2歳の時点で4人に1人はイヤイヤ期ではないと回答。
・ イヤイヤ期に対処する親のストレス度は、ママの方がパパよりも 15 ポイント高い。
・ ママの中で一番ストレスを感じているのは「平日の協力者がいない」「専業主婦」のママ。
・ 子供の性別による違いは無いが、兄弟の関係、親の性格が親のストレス度に影響する。
・ イヤイヤ発動率が最も高い場所は、リビング。イヤイヤが発動して一番困る場所は、物販店。
・ 静かにさせるために見せるテレビや動画が、かえってイヤイヤの原因になることもある。
・ シーン別のイヤイヤ発動率は、入浴は「前>中>後」。着替えは「朝>夜」、歯みがきは「夜>朝」。
 驚くことに「おやつ時」や「寝ている間」にも発動。

<詳細データ>

■「魔の2歳」とも言われるイヤイヤ期、2人に1人は1歳半にスタート。ピークは2歳である一方、2歳の時点で4人に1人はイヤイヤ期ではないと回答。

「魔の2歳」と言われるイヤイヤ期について、親が関心を寄せる「いつ始まる?全盛期は?いつ終わる?」という実態を調べるために、0歳児から5歳児のいる母親、父親に「現在イヤイヤ期だと思うか」を聞いたところ、1歳後半で56.8%となり、2人に1人がイヤイヤ期に突入することがわかりました。最も高いのは2歳前半で77.3%、次いで2歳後半の72.3%となり、ピークが2歳であることが確認できた一方で、必ずしも全員がなるわけではなく、ピークでも約4人に1人はイヤイヤ期ではないこともわかりました。3歳後半で50%を下回り、その後も徐々に減っていくものの、5歳でもまだ約4人に1人にはイヤイヤ期だと認識されています。

■イヤイヤ期に対処する親のストレス度は、ママの方がパパよりも15ポイント高い。ママの中で一番ストレスを感じているのは「平日の協力者がいない」「専業主婦」のママ。

イヤイヤ期の子供がいるパパママにストレス度を聞いたところ、10点満点中8点以上だと回答したママは39.7%、パパは24.3%となり、ママのストレス度がパパを大きく越えて高いことがわかりました。パパの育児参加が増えてきているとはいえ、日々の生活の中で子供に接する時間が多いのはママのほう。子供と関わる時間の差が、イヤイヤストレスの差にも表れていると言えそうです。

<イヤイヤ期への対応・対処に関するストレス>
10点満点中、8点以上であると回答した人の割合
ママ 39.7% > パパ24.3%

また、ママに「イヤイヤ期への対応・対処に関するストレス」について聞いたところ、専業主婦が40.8%とフルタイムワーカーの35.5%よりも高くストレスを感じており、また平日の協力者がいないママの方が45.1%と協力者がいるママ38.3%よりもストレス度が高い結果となりました。ワンオペ育児の環境ではストレス度が高くなり、反対に、普段の育児をサポートしてくれる人がいることでイヤイヤ対処ストレスは軽減できることがわかりました。

<イヤイヤ期への対応・対処に関するストレス>
10点満点中、8点以上であると回答した人の割合

専業主婦ママ 40.8% > フルタイムママ 35.5%

平日協力者がいないママ 45.1% > 平日の協力者がいるママ 38.3%

■子供の性別による違いは無いが、兄弟の関係、親の性格がストレス度に影響する。

イヤイヤ期に対処するストレスは、男児の親か女児の親かという子供の性別の差はなく、「双子・多胎児がいる」場合にストレス度が45.5%と高くなっており、親のストレスが増していく様子がわかりました。また、何番目の子供かという切り口では、第一子と第二子は同スコア、第三子でやや低くなり、イヤイヤ期に手こずるのは2人めでも同じで、三人めでようやく慣れてくる様子がうかがえました。あるいは、年上の兄弟姉妹が面倒を見てくれることでストレスが軽減されるのかもしれません。

また、イヤイヤ期の大変さは、親自身のキャラクターでも違いがでました。「悲観的にものを考える方」と答えた人のストレス度は39.0%、「楽観的にものを考える方」の人は28.4%となりました。楽観的な性格の親は子供がイヤイヤしていても気にしていなかったり、反対に悲観的な性格の親は過度に心配しているのかもしれません。ストレス軽減のコツは、気楽に構えることだと言えそうです。

■ イヤイヤ発動率が最も高い場所は、リビング。イヤイヤが発動して一番困る場所は、物販店。

何がきっかけで発動するかわからないのがイヤイヤ。子供たちのイヤイヤが、実際にどんな時にどんな場所で起こっているのか、ママ 1200 人に聞いたところ、イヤイヤ発動場所のベスト3は、「リビング」「食卓」「物販店」となりました。ニュースや世間で注目されがちなのは、電車やバスの中ですが、実は自宅が主戦場だということがわかりました。
また、イヤイヤが発動すると困る場所は?ときくと、「物販店」が 47.8%で1位、「飲食店」が 35.3%で 2位になりました。家の中ならばイヤイヤが収まるのを待つという手もありますが、お店の中だと買い物や食事が進まない、周囲の目が気になる、お店にも迷惑がかかるという三重苦状態になるため、せっかくの楽しいお出かけが修羅場に変わることを恐れる人が多いようです。

■ 静かにさせるために見せるテレビや動画が、かえってイヤイヤの原因になることもある。

イヤイヤが発動するシーンをより詳しく聞いたところ、1 位「買い物」72.5%、2 位「自宅遊び」66.8%に次いで、「テレビや動画を観る/やめさせる時」にイヤイヤが発動すると答えた人は 65.8%となり、3位にランクインしました。静かにしてほしい時に便利だと普及したものが、かえって火種になっているようです。

■ シーン別のイヤイヤ発動率は、入浴は「前>中>後」。着替えは「朝>夜」、歯みがきは「夜>朝」。
驚くことに「おやつ時」や「寝ている間」にも発動!

お風呂で発動するイヤイヤは、実は「入浴前」>「入浴中」>「入浴後」の順で発動しやすいことがわかりました。世の中のママ・パパはお風呂に入れるまでに、一番体力を消耗しているようです。また、着替えは「朝の着替え」>「夜の着替え」、歯みがきでは「夜の歯みがき」>「朝の歯みがき」となり、ほぼ同じ行動なのに、朝と夜でイヤイヤ発動率が異なることが分かりました。歯みがきは、朝は忙殺されてほどほどになりがちな反面、寝る前はしっかりと磨こうとすることが、子供たちのイヤイヤを引き起こしているようです。一方で着替えは、夜はパジャマに着替えるだけである反面、朝のほうが着替える枚数も多いことや、時間の余裕がないと焦るママ・パパに対して、お気に入りの服を着たい!などの主張をする子供たちが多いと推測されます。

その他にも「え、こんな時にも!?」と驚いたのが、発動率 23.9%の「おやつ時」、16.4%の「寝ている間」。子どもが大好きなおやつの時間でさえも、「ちがうお菓子が食べたい」「もっと食べたい」もしくは「遊んでいるから食べない、でも片づけると怒る」といった、様々なイヤイヤが発生しているようです。また寝ている間のイヤイヤについては、お布団をかけた瞬間に蹴飛ばすものから、寝言でもイヤイヤを大主張するなどのかわいいイヤイヤ行動があるようです。イヤイヤ期の戦場は、起きた瞬間から寝るまでではなく、寝た後にも及んでいたことが判明する結果となりました。

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