理想の上司と職場環境に関する調査 

2018年10月02日

ランスタッドの「働く」と「働く人」の環境にフォーカスした研究機関であるランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)は、日本国内の労働者意識調査「ランスタッド・ワークインサイト」において「理想の上司と職場環境に関する調査」を実施しました。

本調査では、政府の掲げる働き方改革が進むなか、ビジネスパーソンが上司や職場に望むリアルな声を明らかにすると共に、平成最後の内定式を迎える内定者にも同様の調査を実施し、時代の変遷のなかで求められる「働き方」の理想と実態のギャップも明らかになりました。

調査TOPICS


①「上司に期待すること」と「理想の上司像」、“リアル”と“感情論”のギャップ?!

⇒「上司に期待すること」について、ビジネスパーソン・内定者ともに「正当な評価をしてくれる」 1位。内定者は同率1位で「親しみやすく相談しやすい」と答えた一方、ビジネスパーソンの2位は「適切なアドバイスをしてくれる」という結果に。また、「理想の上司像」についても1位は両者とも「人として尊敬できる」だったものの、2位にはやはり“リアル”と“感情”に分かれる結果に。

②「上司の年齢・性別」は両者同じ結果に。しかしここでもその理由にギャップが。

⇒上司の年齢/性別の希望は、両者とも「同い年もしくは年上」「性別はどちらでもいい」と一致。特にこだわらない傾向が見られました。全体的に「女性より男性がいい」という傾向にあるものの、その理由には面白いギャップが。

③「勤務先を選ぶ基準」は、給与レベルや会社の業績ではなく・・・両者ほぼ一致。

⇒「勤務先を選ぶ基準」について、ビジネスパーソンの1位が「社員の雰囲気」、2位「やりがい」に対し、内定者は1位「やりがい」、2位「社員の雰囲気」と、順位は違うもののほぼ一致。

④「勤務先の環境に望むもの」は両者とも圧倒的に「有給のとりやすさ」。「制度」か「文化」か、柔軟な働き方を阻むものの意識にもギャップが!?

⇒「勤務先の環境に望むもの」は両者とも2位に大きな差をつけて圧倒的に「有給の取りやすさ」となりました。一方、柔軟な働き方の障壁となるものについては、ビジネスパーソンと内定者での意識に差があることが分かりました。

調査結果


①「上司に期待すること」「理想の上司像」、“リアル”と“感情論”のギャップ?!

「上司に期待すること」について、ビジネスパーソン、内定者ともに「正当な評価をしてくれる」が1位でしたが、内定者は同率で「親しみやすく相談しやすい」が1位に。一方、ビジネスパーソンの2位は「適切なアドバイスをしてくれる」となりました。 さらに、上位ではないものの「経営層や上司にも意見してくれる」に対して、ビジネスパーソンが内定者より16.1ポイント多く、逆に「キャリアを気にかけてくれる」に対しては、内定者がビジネスパーソンより12.7ポイント多い結果となりました。
働いているからこそ感じるビジネスパーソンの“リアル”な期待と、内定者の“感情論”の期待から出るギャップであると推察できます。

また、「理想の上司像」についても1位は両者とも「人として尊敬できる」でしたが、2位はビジネスパーソンが「決断力がある」、内定者は「仕事への熱意がある」となりました。また、上位ではないものの、内定者は「プレーヤーとしての能力に秀でている」「自分の目指したいロールモデルである」と答えた割合がビジネスパーソンに比べ10ポイント以上多く、ここでも「実務的なメリットを享受したいビジネスパーソン」と「より感情的な部分を求める内定者」という結果となりました。
これらの結果は時代の変遷によるものではなく、実際に働いてみると上司に求めるものが変わってくることが現れていると推察されます。

②「上司の年齢・性別」は両者同じ結果に。しかしここでもその理由にギャップが。

上司の年齢は、両者とも「同い年もしくは年上がいい」と答え、ビジネスパーソンが89.4%、内定者が96.1%という結果でした。 「年上がいい」と答えた理由は、ビジネスパーソン、内定者ともに「自分よりも経験があるから」が1位、2位は「年上からの支持のほうが受け入れやすいから」でした。「それが社会の通例だから」は、意外にも内定者がビジネスパーソンの約2倍の割合となりました。

また、上司の性別に関しては、ビジネスパーソン、内定者ともに半数以上が「性別はどちらでもいい」と回答しましたが、両者とも男性上司を求める傾向は根強いことも明らかになりました。そのような中、男性上司がいいと回答した女性側からの理由に面白いギャップが見られました。女性ビジネスパーソンの1位は「なんとなく同性の上司が嫌だから」、2位は「同性よりも頼りになりそうだから」のほか、「勤務先に同性の上司が少ない」という回答が目立ちました。一方、女性内定者では、1位「同性よりも厳しくなさそう」のほか、 25.0% が「職場でもときめきを感じたい」と回答。ここでも働いているからこそ分かる“リアル”と、あくまでも「理想」を描く“感情論”とのギャップが見られる結果となりました。

③「勤務先を選ぶ基準」は、給与レベルや会社の業績ではなく・・・両者ほぼ一致。

「勤務先を選ぶ基準で大切にしていること」という問いに対して、ビジネスパーソンも内定者からも順位は違うものの「社員がいい雰囲気で働いている」、「やりがいのある仕事ができる」が上位に挙がりました。“超売り手市場”と言われる昨今、「基本給与レベルが高い」「業界上位である」「業績が安定している」を押さえる結果となったことに対し、ランスタッドEAP総研所長・川西由美子氏は「職場の雰囲気は、仕事の集中度、本気度、協力体制等に大きな影響を与えると言われている。昨今の働き方改革の波を受けて生産性が求められる中、仕事のしやすい空間ややりがい、人間関係を重視するのは非常によい傾向だ。しかし、特に職場の雰囲気は、努力しないと改善、維持、継続は難しい。なぜなら働き手自身の心の余裕が必要だからだ。改善意欲を高めるためにも、『働き方改革』以前に、働き手それぞれが『遊び方改革』に着手することが望まれる」と述べています。

④「勤務先の環境に望むもの」は両者とも圧倒的に「有給のとりやすさ」。「制度」か「文化」か、柔軟な働き方を阻むものの意識にもギャップが!?

勤務先の環境に望むものは、両者ともに圧倒的1位で「有給休暇の取りやすさ」が、またTop3に「フレックスタイム制度などの柔軟な勤務体系」が選ばれました。一方、ビジネスパーソンから「多様な働き方を受け入れる文化」への支持が多く集まったのに対し、内定者の特に男性からは「インフラ面の充実」を挙げる声が多く聞かれ、「制度があっても文化による弊害を感じる」ビジネスパーソンと、「インフラさえ整っていればどこでも働ける」と考える内定者との違いが見られました。性別による違いに着目すると、女性ビジネスパーソンの38.0%が「子育て・介護中にも働き続けられる制度」を挙げ、男性の18.8%と2倍以上のギャップがありました。この傾向は内定者でも同様で、内定女性が24.6%に対し、男性はわずか10.9%と、性別役割分担の考えが年代問わず根強く残ることが露呈されました。

調査概要


【ビジネスパーソンへの理想の上司などに関する調査 概要】
■調査目的: 有職者を対象に、対象者属性ごとに理想の上司像を明らかにする。また、対象者の勤務先選択基準および労働環境に対する希望を探る。
■調査対象:20歳から69歳までの一般企業に勤務する方(正社員・契約社員)および公務員・団体職員
■調査エリア:日本全国
■サンプル数:1,800名
■調査期間:2018年8月10日(金)~8月12日(日)
■調査方法:インターネットによるWebアンケート形式

【内定者への理想の上司などに関する調査 概要】
■調査目的: 2019年新卒入社内定者を対象に、対象者属性ごとに理想の上司像を明らかにする。また、対象者の勤務先選択基準および労働環境に対する希望を探る。
■調査対象:20歳から29歳までの2019年新卒入社内定者
■調査エリア:日本全国
■サンプル数:100名
■調査期間:2018年9月13日(木)~9月17日(月)
■調査方法:インターネットによるWebアンケート形式

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