新興国メガシティ15都市における従業員と雇用主に関する調査 

2018年11月08日

マーサーは、世界で最も急速な成長を遂げている都市における従業員のニーズを、「人、健康、資産、仕事」という4つの主な要因に関して精査した広範な調査結果を発表した。

この研究はスキルの高い人材獲得の熾烈な競争を背景にした、従業員のモチベーションについて、極めて重要な洞察を提供するものである。また、企業や地方行政が人材獲得戦略を加速し、商業的な利益向上を実現する一助となる実践的な助言も提供している。

『人が第一:新興国メガシティの成長を推進する (People first: driving growth in emerging megacities)』と題されたこの調査は、ブラジル、中国、インド、ケニア、メキシコ、モロッコ、そしてナイジェリアの7ヵ国における、現在および将来のメガシティ15都市7,200人の従業員と、577人の雇用主を調査したものである。国連が明らかにしているように、この15都市の合計人口は2030年までに1億5000万人に達し、強力なGDPを持つようになると予測されている。

主な調査結果


本調査は、「人、健康、資産、仕事」という、人を基盤にした4つの柱に関する20の決定的な要因を調査した。回答者は5つの要因について、都市に留まるか去るかの決定に影響する重要度をランク付けした。調査結果で最も高く注目されたのは、都市や企業が将来の適切な人材を惹きつけるためには、人的そして社会的な要因が最も重要であるということであった。

全体的には、従業員が都市に留まるか去るかを決定する上で、生活に対する満足感が最も重要な要因に挙げられている。新しい都市への移住を検討する際、従業員は生活に対する満足感を、雇用主の認識よりも2倍重要であると考えている。安全・安心は2位、収入が3番目、家族や友人と近いことが4位、そして就業の機会が5位である。
本調査で明らかになった大きな特徴は、新しい都市に移動すると決めた後では、金銭や仕事の要因が重要になってくる、ということである。同じ都市の中で別の仕事を探す場合、動機のトップ3は給与、より良いキャリアのチャンス、そして昇進である。地域に密着したレベルでは、従業員にとっては、様々な文化的な要因の他、近隣の施設やインフラがより一層重要である。

人々の固有なニーズへの取り組みを強化するために

調査の一部において、マーサーは従業員に焦点を置き、それぞれの回答者層、世代区分、キャリア向上、生涯学習への傾向、経済的安定レベルに基づいた細分化調査を行った。これは、各労働者区分に固有のニーズを特定し、より良く把握すること、またその価値観や見識が、高成長を遂げる都市の雇用主や政府の従業員の価値観、関心、欲求に対するさらなる取り組みにどう役立つかを見出して理解することを目的としたものである。

特定されたのは次の 5つのペルソナである。自信に満ちた達成者、ホワイトカラーの専門職および大卒者、苦労の多い労働者、ビジネスオーナーと能力の高い商人、専門職の家庭。それぞれニーズと要求は大きく異なるが、各対象セグメントをまとめているのは、より全体的な生活の満足感への欲求である。

ほとんどの都市が期待を下回る

地方自治体にとってこの調査の最も重要な結果に、大半の従業員が自分の住む都市は期待以下であると回答している事実がある。従業員の期待と都市のパフォーマンスが最も大きく食い違っている点は、安全とインフラである。汚染、個人的なストレス、手頃な住居、交通機関や移動のしやすさ、そして安全が、都市の提供できるものと、調査対象の従業員が重んじるものとの間の大きなギャップを代表している。この事実は、将来の従業員のニーズと期待への対応を大幅に改善する大きな機会があることを示している。
一方、この調査では良い結果も明らかになっている。多くの回答者が、自分の住む都市は文化や経済の点では大変良いとしている。そして生活に対する満足感、就業の機会、空港や緑地への近さを含む他の項目では、すでに期待を満たしているといえる。

地域によるバリエーション

調査対象となった現在および将来のメガシティ15都市には、いくつかの共通点もあるが、重要な違いも明らかになった。人、健康、資産、そして仕事という4つの柱に対するパフォーマンスに基づき、従業員の期待を満たしているかどうかの観点から、これらの都市を先進的、発展中、台頭中の3つのカテゴリーに分類した(図表4)。先進的な都市は4つの要因全てのスコアが高く、従業員の期待と都市のパフォーマンスの間のギャップは小から中程度であった。
発展中と分類された都市は、期待とパフォーマンスの間のギャップが中程度で、台頭中の都市は4つの側面全てのスコアが低い。3グループの中で期待と都市のパフォーマンスのギャップが最も大きく、生活全般の満足感が最も低くなっている。

同様に、オートメーション、AI、そしてロボティクスの影響は国によって大きく異なり、ポジティブな影響を感じる人の割合は中国が最も高く、アフリカが一番低くなっている。

協調的な行動に対する明確な要求

この調査では、人々が自分たちが住む都市のシステムの問題の責任が、特定のグループだけにあるとは考えていないことが明らかになっている。調査結果によると、従業員は、自分の住む都市あるいは地方自治体(79%)、国あるいは連邦政府(74%)、そして大企業(57%)の全てが、都市をより魅力的にし、全体的な生活に対する満足感、安全・安心、そして収入に対する必要を満たす上で役割を果たすことを期待している。
従業員は、必要な資源と権威を持った大きな機関が真の変化をもたらしてくれると期待している。最終的には、1つのグループがシステムの問題に取り組む責任を負うことはできないし、そうするべきでもない。


本調査対象15都市は、人口300万人から1,500万人を有し、今後10年間の予測GDPと人口増加は堅調で、年に40億ドル以上の海外直接投資を受けている。2018年7月から8月にかけて、オンラインと対面式の面談の組み合わせによる調査が実施された。

本調査について

マーサーの『人が第一:新興メガシティーの成長を推進する』 レポートは、ブラジル、中国、インド、ケニア、メキシコ、モロッコ、ナイジェリアの7ヵ国における現在、そして将来のメガシティ15都市7,200人の従業員と、577人の雇用主を調査したもの。調査対象都市は以下の通り:
ハイデラバード(インド)
コルカタ(インド)
チェンナイ(インド)
アーメダバード(インド)
青島(中国)
杭州(中国)
南京(中国)
成都(中国)
ベロオリゾンテ (ブラジル)
クリチバ(ブラジル)
モンテレー (メキシコ)
グアダラハラ(メキシコ)
ラゴス(ナイジェリア)
ナイロビ(ケニア)
カサブランカ(モロッコ)

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