クルマ旅のスタイルについての意識調査(日本RV協会ホームページ閲覧者対象) 

2018年11月19日

日本RV協会は、キャンピングカーユーザー・一般的なクルマのユーザーに「クルマ旅のスタイル」についての調査を行ないました。

クルマを使った旅はたくさんのユーザーが興味を持ち、そして、実際に実行されている方が多くいます。そこで今回は、ユーザーのクルマ旅に対する意識を調査するため、クルマ旅の頻度、必要なモノ、期待する施設などを質問して、その実態に迫りました。

調査結果


■クルマ旅を楽しむユーザーは積極的に車中泊で行動力を発揮する

新しい旅のスタイルとして、クルマでの宿泊を伴う旅が注目されています。実際に経験した方も多く、今回のアンケートでは93.4%の方がクルマでの宿泊を経験されていました(図1)。日本RV協会のホームページではキャンピングカーを所有していない方もアンケートに答えていただいていることから(図2)、その広がりはキャンピングカーユーザーにとどまることなく、一般的なクルマのユーザーであっても車中泊を楽しむ流れが生まれていると考えられます。

車中泊を経験したことのある人に、その頻度を聞いたところ、10回以上と答えた方が一番多く、全体の50%を占めています(図3)。その行動力から、車中泊に対する積極性が強く感じられます。また、以前に比べて車中泊の回数が増えたかを聞いてみると、70.3%の方が増えたと答えていることからも(図4)、車中泊ユーザーは増加傾向にあることが考えられます。

■秋の夫婦二人旅が車中泊ユーザーの定番

増加傾向にある車中泊ユーザー。そのユーザーを受け入れるインフラ整備は急務と考えられます。さらに、ユーザーが何を望み、どのような行動パターンを取るかといった予測も必要となってきます。そこで、車中泊をしているユーザーが、現状の施設をどのように利用しているかの調査を行いました。

そもそも、車中泊をしている人はどこに宿泊しているのか。その回答の多くは道の駅で、全体の61.8%を占めています。その次は比率を大きく下げて、高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA・PA)、キャンプ場、RVパークと続きます(図5)。道の駅は仮眠程度の休憩が認められた施設ですが、多くのユーザーが道の駅を宿泊場所として捉えているようです。
アンケートの結果から、ユーザーの行動パターンも浮き彫りになっています。車中泊の同伴者は夫婦が圧倒的に多く(図6)、車中泊の目的は9割弱が旅行となっています(図7)。また、車中泊のハイシーズンは秋という回答から(図8)、秋の行楽シーズン、夫婦二人旅という車中泊ユーザー像が浮かびあがってきました。

■車中泊ユーザーが求めているもの

車中泊をしたことがある人が宿泊地として選んだ場所は、道の駅が最も多かったのですが、ユーザーが求める宿泊地としての機能性をすべて満たしているかは疑問です。実際のところ、宿泊地として最適な場所を聞いてみると、1位にRVパークが上がっており、実態とのずれが生じています(図9)。本来であれば、RVパークに宿泊すべきと考えながらも、道の駅を選んでいるユーザーが多くいるのです。

では、車中泊をするユーザーは宿泊地に何を求めているのでしょうか。宿泊地で気にしていることを聞いてみると、安全が35.2%、トイレが28%と上位を占めています(図10)。また、クルマの旅の設備で必要なもの、必要でないものを聞いてみたところ、ベッドと電源は最も必要な設備として選ばれ、また、必要ないと感じている人は少数でした。(図11)(図12)。これらの結果から、ユーザーは安全性とトイレの設備が整った場所と、電源の供給という設備を求めていることが分かります。これらの結果は、今後、インフラ整備をする上で大きな指針となることでしょう。
もちろん、現在の車中泊環境も急ピッチに整備されていることは、多くのユーザーが感じていること(図13)ですが、その形態として、どのような環境を提供すべきかは今後も課題となりそうです。

■車中泊のマナー問題

どのような分野でも、利用者が増えると、いろいろな問題が生じます。近年、急激に増加した車中泊ユーザーも例外ではありません。各地で問題を引き起こし、社会問題として取り上げられるケースもあります。車中泊をしていて不快感を感じたことがありますか、という問に72.5%の方が「はい」と答えています(図14)。半数以上の人がなんらかの不快感を感じていました。

不快に感じた原因を探ってみると、場所の占拠が45.3%でトップとなりました(図15)。長期滞在、利用可能エリア以外への侵入、必要以上のスペース確保など、場所に関する問題で多くの人が不快感を感じています。しかしながら、その行為を目の当たりにしながら、マナー違反のユーザーに声をかけることは難しいのが現実です(図16)。不要なトラブルを避けるため、または、楽しんでいるために声を掛けづらいということもあるでしょう。本人がマナー違反を意識しているか否かではなく、周囲に不快感を与えてしまっているのです。

それでは、車中泊の環境を向上させるために必要なものは何なのでしょうか。選択肢からの限定的な範囲での判断となりますが、公共の宿泊施設の増加とルールの明確化が上位にあげられました(図17)。啓発活動よりもルールの明確化が上位に来ているのがポイントで、はっきりとした使用方法や決まり事を知りたいと感じている人が多いことが分かります。これは、禁止事項の可視化ではなく、よりよい環境のためにルールを作って、多くの人が楽しめるようにしたいという思いが強いと考えられます。クルマの旅をもっと多くの人に楽しんでほしいですかという問に対して、86.3%の人が「はい」と答えていました(図18)。不快感の排除という形ではなく、改善を求め、クルマの旅の拡大を希望する人が多くいることは、今後の環境形成に大いに期待できる結果となりました。

調査概要


調査地域:全国
調査対象:日本RV協会ホームページ閲覧者
調査手法:Webアンケート
調査時期:2018年9月18日(火)~2018年10月17日(水)

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[日本RV協会]
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