第3回 現代人の語彙に関する調査 

2018年12月11日

ベネッセコーポレーションは、グループ内シンクタンク「ベネッセ教育総合研究所」の協力のもと、2018年7月に、全国の高校生から社会人3,028名を対象に「第3回 現代人の語彙に関する調査」(略称:語彙調査)を実施しました。

 本調査は、『語彙・読解力検定』の「辞書語彙*」「新聞語彙*」の2領域から厳選した440語の「熟知度*」を調べ、現代を生きる人々の言語活動の実態、およびその年代・生活・行動などによる「語彙力*」の違いを明らかにすることで、現代人に必要な言葉の力を高める方法を検討することを目的としています。(*は、5ページの「*補足」をご参照ください。)

主な調査結果


1.【語彙と世代】全世代で「インスタ映え」「SNS」の熟知度が高い。語彙の傾向には世代差も。

◆全440語の熟知度(その言葉を知っている人の割合)を見たところ、全体で最も熟知度が高かった語は「インスタ映え」、次いで「SNS」となった。「辞書語彙」にしぼると、高校生・大学生・社会人(20代・30代)で「インスタ映え」が1位、社会人(40~60代)でも2位となっている《表1》。社会人(40~60代)で実際にインスタグラムを使っている人は20%に満たないが、インスタグラムを使っていない層でも「インスタ映え」という言葉が広く認知されている状況がうかがえる。「インスタ映えスポット」「インスタ映えスイーツ」といった表現がテレビやメディアで取り上げられることも多くなり、言葉の認知度が上がるとともに、SNS非利用層も一般的な場面で使う語として定着しはじめているとも考えられる。

◆世代ごとの熟知度の傾向
 高校生や大学生の親世代にあたる社会人(40~60代)は、他の世代より「知っている」語が440語中298語と最も多い。漢語・和語等の語種や政治・経済等の分野の偏りもなく、すべての分野で他の世代を上回った。高校生・大学生が親世代よりも「知っている」語を見ると、辞書語彙では「リムる」「イミフ」など仲間内のSNSで使われる「新語」がほとんどである。一方、新聞語彙では 「SDGs」「マイクロプラスチック」「#Me too」など新しい社会課題や概念に関する語が多く見られ、若い世代の時代への感度がうかがえる結果となった《表2-1》。

◆「新語」の熟知度の変化
 2016年度に実施した第1回語彙調査で、高校生のほうが親世代よりも知っていた語の上位語について、第3回調査までの親世代の熟知度の変化を見たところ、一部の語を除いて熟知度が上がっていた。「ディスる」「りょ」など、いずれもSNSで使われることが多い「新語」であり、若者を起点とした新しい言葉が、間をおいて上の世代にも広がっていると考えられる。

2. 【「書く」ことと「語彙力」の関連性】

◆語彙力が高い人は,「書く」場面で相手に伝えることを意識する傾向が強い
 「話す」「聞く」「書く」の各場面で意識していることと「語彙力」との関連を見たところ《表4》、「語彙力」が高いグループのほうが、「書く」場面で「文章を書いたら、読み直し、読み手にとってわかりやすい内容に修正しようとする」「文章を書くときは、相手や場面に合わせて適切な言葉や表現を選ぶようにしている」などの項目に「あてはまる」と答えた割合が高かった。相手への伝え方を意識して文章を書く経験が、語彙力を伸ばすことにつながる可能性があると考えられる。

◆学校で長い文章を書く機会が多い人ほど、「語彙力」が高い(高校生・大学生)。
 高校生・大学生では、学校で作文や小論文、レポートなどの長い文章を書く機会が多い人ほど「語彙力」が高い傾向が見られ、手紙や日記など私的に長い文章を書く機会と比べても差が大きい《表5》。私的に文章を書く場合と比べ、学校で文章を書く場面では、よりフォーマルな文章が求められることが多く、相手や目的を意識して言葉を選んで書く必要があることが影響していると推察される。

◆学校での「書く」指導の内容によって「語彙力」に違いが見られる。
 学校で「書くこと」に関してどのような指導を受けているかと「語彙力」との関連を見たところ、高校生・大学生とも、「学校に提出し、評価(添削)された文章が返ってきたら内容の見直しをする」「書いた文章をみんなの前で発表したり、クラスメイトと相互に評価しあったりする機会がある」など、特に文章を書いた後の指導について、「語彙力」が高いグループと低いグループの差が大きかった《表6》。高校生について、通学校のタイプ★で分けて見ても同様の結果が見られた。文章を書いたところで終わりとせず、他者からの評価を受けることや、評価を受けるだけでなく、自ら振り返って主体的に見直しをすることが重要であると考えられる。

3. 【「語彙力」と、目的や相手、場面に応じて言い換える力の関連性】

 言葉を、「目的や場面、相手に応じて適切な表現に言い換えられるか」を問うた設問の正答率(以下、「言い換える力」)と「語彙力」との関連を見たところ、「語彙力」が高いグループのほうが「言い換える力」が高いことがわかった《表7》。言葉のニュアンスや使用される場面の微妙な違いをふまえて言葉を選ぶためには、土台として語彙を幅広く身につけていることが重要であると考えられる。

調査概要


名称:第3回 現代人の語彙に関する調査 (略称:語彙調査)
調査テーマ:年代、生活、行動と語彙力の関連性を明らかにする調査
調査方法:インターネット調査(専用ページにて回答入力) 調査時期 2018 年 7 月
調査対象:全 3,028 名
 高校生(高校1年生~3年生):968 名
 大学生(大学1年生~4年生):1,030 名
 社会人(20・30 代): 510 名、(40~60 代):520 名
※男女比は均等人数 ※高校生・大学生は各学年均等、社会人は 10 代刻みで均等人数

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