結婚後の職場での姓(苗字)使用に関する調査 

2018年03月28日

ランスタッドの「働く」と「働く人」の環境にフォーカスした研究機関であるランスタッド・リサーチインスティテュート(RRI)は、日本国内の労働者意識調査「ランスタッド・ワークインサイト」において「結婚後の職場での姓(苗字)使用に関する調査」を実施しました。本調査により、職場で旧姓を使用している既婚女性の割合の実態や、未婚女性の結婚後の姓使用に関する意向などが明らかになりました。

調査TOPICS


①結婚して姓が変わり、職場でもその姓を使っている既婚女性は約8割。
⇒既婚女性が新姓を使用している理由は「それが通例だと思うから(46.2%)」が最も多かった。一方で、少数派であるが職場で旧姓を使用している人の理由として、「業務上姓を変えるのが大変だから(50.9%)」、 「姓を変える手続きが面倒だから(35.1%)」などがあげられた。

②「姓は変わるが職場では結婚前の姓を使い続ける」と回答した未婚女性は、22.2%。 「姓が変わり、職場でもその姓を使うようになる」と回答したのは、30.9%。 既婚女性と比較すると、新姓派と旧姓派の差は少ないという結果に。
⇒未婚女性が職場で新姓を使用したい理由として多いのが、「姓を変えるのが通例だと思うから(52.8%)」「夫の姓を使いたいから(42.5%)」。旧姓派の理由としてあげられたのは、「業務上姓を変えるのが大変そうだから(60.5%)」、「姓を変える手続きが面倒そうだから(42.1%)」。

③職場で旧姓使用が認められていないと回答した人は1割強。

調査結果詳細


①結婚して姓が変わり、職場でもその姓を使っている既婚女性は約8割。

 職場での旧姓使用状況について聞いたところ、「結婚して姓が変わり、職場でもその姓を使っている」と回答した既婚男性が5.0%であったのに対し、既婚女性は77.4%と、約8割という結果に。多くの女性が、職場でも新姓を使用しているという実態が明らかになりました。新姓を使用している理由として最も多かったのが「それが通例であると思うから(46.2%)」という回答で、「一般的にそういうものだ」と、その通例に従って新姓を使用している人が多いことがうかがえます。

 また、「結婚して姓が変わったが、職場では旧姓を使っている」と回答した既婚女性は、16.7%と少数派であることが分かりました。旧姓を使用している理由として、「業務上姓を変えるのが大変だから(50.9%)」、「姓を変える手続きが面倒だから(35.1%)」という回答が多く、結婚後に業務において姓を変えることの不便さと、職場での新姓使用における申請手続きの煩雑さが浮き彫りになりました。

既婚男性に、妻が職場で旧姓を使うことに対して質問したところ、「どちらでもよい/わからない」と回答した割合は約6割
 既婚の男女に相手(夫や妻)が職場で旧姓を使うことについてどう思うかを聞いたところ、「どちらでもよい/わからない」と回答した人の割合は、全体で56.0%という結果に。女性では「どちらでもよい/わからない」と回答した人の割合が28.3%であるのに対し、男性では57.8%と男女で大きな差が見受けられました。

 また、妻が職場で旧姓を使用することに対し、「賛成」と回答した既婚男性の割合は29.2%。「反対」と回答した人の割合は13.0%と、反対派よりも賛成派のほうが多いという結果に。賛成派の理由としては、「旧姓のままでないと不便だと感じるから(48.1%)」、「結婚後の姓に変える手続きが面倒そうだから(35.1%)」などがあげられていました。一方で、反対派の理由としては「夫婦で同性にするのが通例だと思うから(67.0%)」という回答が最も多いという結果に。パートナーである妻のキャリア上の不便さを気にしている人も多い一方で、通例に従って欲しいという意見も見受けられました。

②「姓は変わるが職場では結婚前の姓を使い続ける」と回答した未婚女性は、22.2%。 「姓が変わり、職場でもその姓を使うようになる」と回答したのは、30.9%。

 未婚女性に対して、職場での旧姓使用意向を聞いたところ、「姓は変わるが職場では結婚前の姓を使い続ける」と回答した人の割合は、22.2%。 「姓が変わり、職場でもその姓を使うようになる」と回答したのは、30.9%でした。 旧姓派よりも新姓派のほうが多いという点では既婚女性の現状と同じ傾向ですが、既婚女性と比較すると、新姓派と旧姓派の差は少なくなっています。

 また、新姓派の理由として多かったのが、「姓を変えるのが通例だと思うから(52.8%)」「夫の姓を使いたいから(42.5%)」。既婚女性の実情と同様に、「通例に従うべきだ」という意見が多い一方で、パートナーである夫の姓を使いたいという思いから新姓を使う人も多いことがうかがえます。一方で、 旧姓派の理由としては、「業務上姓を変えるのが大変そうだから(60.5%)」、 「姓を変える手続きが面倒そうだから(42.1%)」などの回答が多く、職場での実情を見て、手続きの煩雑さを懸念している未婚女性が多いことが分かりました。

③職場で旧姓使用が認められていないと回答した人は1割強。

 「あなたの現在の職場で、結婚後の旧姓(結婚前の苗字)の使用は認められていますか?」という質問について、「認められていない」と回答した人の割合は11.8%という結果に。一方で、「認められている」と回答した人の割合は49.6%、「わからない」と回答した人の割合は38.6%と、旧姓使用が「認められている」という回答がほぼ半数ですが、規則として認められていないという回答が1割強という結果になりました。

 また、業種別にみると、旧姓使用が認められている割合が高い業種は、1位が「卸売業、小売業」、2位が「教育学習支援業」、3位が「情報通信業」ということが分かりました。一方で、旧姓使用が認められている割合が低い業種は、1位が「医療、福祉」、2位が「金融業、保険業」、3位が「公務」でした。

調査概要


結婚後の職場での姓(苗字)使用に関する調査
■調査目的:従業員の職場での旧姓使用の実態と企業の対応状況を把握する。
■調査対象:20歳から69歳までの一般企業に勤務する方(正社員・契約社員)および公務員・団体職員
■調査エリア:日本全国
■サンプル数:1,800名
■調査期間:2018年3月2日(金)~3月4日(日)
■調査方法:インターネットによるWebアンケート形式

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