2017年 都道府県別の中高生自転車通学時の事故件数ランキング 

2019年03月07日

自転車の安全利用促進委員会では、新生活シーズンに合わせ、全国都道府県別の中学生・高校生通学時における自転車事故発生件数について調査いたしました。

今回の調査は、公益財団法人交通事故総合分析センターITARDAから提供を受けた2017年(1月~12月)の事故データを当委員会メンバーでもある公益財団法人自転車駐車場整備センター自転車総合研究所 所長 古倉宗治氏が調査・分析いたしました。

調査トピックス


【2017年都道府県別事故件数ランキング 事故増加・減少の特徴は?】
  • 約7割の都道府県で1万人当たりの事故件数が前年比増。
  • 中学生の1万人当たりの事故件数ワースト1位 佐賀県、2位 群馬県、3位 香川県
  • 高校生の1万人当たりの事故件数ワースト1位 群馬県、2位 静岡県、3位 山梨県
【発生した中高生の自転車事故のうち約2割が加害者に!事故を防止するためのポイントは?】
  • 自転車側が加害者になった事故は中学生:457件、高校生1,646件。
    発生した自転車事故の約2割が自転車側の加害事故。
  • 加害者の割合(1当割合)ワースト1位は、中学生:新潟県、高校生:兵庫県

調査結果詳細


【2017年都道府県別通学時の自転車事故件数ランキング 事故増加・減少の特徴は?】
  • 約7割の都道府県で1万人当たりの事故件数が前年比増。
  • 中学生の1万人あたりの事故件数ワースト1位 佐賀県、2位 群馬県、3位 香川県
  • 高校生の1万人あたりの事故件数ワースト1位 群馬県、2位 静岡県、3位 山梨県

全国の中高生の自転車事故の状況を調べるため、都道府県別に事故件数ランキングと1万人当たりの事故件数ランキングを作成しました。自転車事故の総件数は全体的に減少傾向にありますが、中高生の通学時の事故件数は前年と比較して中学生・高校生ともに増加しています。高校生の自転車事故件数がワースト1である静岡県を例にみると、1日当たり約4件の自転車事故が起こっていることになります。(通学時=登校日を年間200日として計算した場合)

また、都道府県別データを分析してみると、中高生ともに約7割の都道府県で、前年と比較して1万人あたりの通学時事故件数が増加していることが判りました。事故件数が前年の約2倍となっている鹿児島県などの都道府県もあり、学校や家庭などでの自転車通学指導は喫緊の課題だと言えます。

自転車は自動車と同じ“車両”ですが、自転車免許制度の導入や体系的な安全教育がなされていないため、ルール・マナーを知らないまま自転車を利用している中高生も多いと思われます。当調査・分析により都道府県別の事故件数を俯瞰的にご確認いただくことで、全国の安全に対する対策と意識啓発の向上に寄与できればと考えています。

◆全体の自転車事故は減少傾向にある中で、中高生の自転車事故が全国的に増加
全国的に見ると、自転車事故の総件数は減少傾向にあり、さらに少子化の影響により中高生の人数は減少しています。このような状況下で、通学時の自転車事故件数は、全国計で中学生・高校生ともに1万人当たり及び実際の件数の両面で増加しています。このような増加傾向を背景に、約7割の都道府県で中高生とも1万人当たりの自転車事故件数が増加していることが判りました。この結果を重く受け止め、全国で中高生の自転車事故の対策に重点的に取り組む必要性が高まっています。

◆都道府県別ランキング分析 ~中学生ワースト1位が調査開始後初の変動~
都道府県別ワーストランキングを見ると、中学生の通学時1万人当たりの事故件数については、群馬県は2016年(27.60件)から2017年(26.05件)に減少し2位となり、これに対して佐賀県が2016年(15.84件)から2017年(28.41件)に大幅に増加し(対前年増減率79.4%)、3位から1位となりました。高校生の通学時1万人当たりの事故件数については、群馬県が1位、静岡県が2位と昨年と同じですが、昨年8位だった山梨県が3位に、昨年7位だった佐賀県が4位に上がってきています。

佐賀県は中学生で1位、高校生は4位と、ともにランキングが上昇している原因について推察してみると、佐賀県の中高生の事故件数は、2014年から2016年まで減少傾向にありましたが、今回2017年では1万人当たりおよび実際の件数の両面で増加し、特に中学生は大幅な増加です。佐賀県は、人口10万人当たりの交通事故が静岡県に次いで全国2位であり、交通事故が全国からみても多い地域であることから、自転車事故も全国9位(全年齢層1万人当たり9.2人)と比較的多い現状にあります。また、2010年の国勢調査では自転車のみを使用して通勤・通学している割合が、10.08%であり、自転車事故の多い群馬県の8.95%よりも高かったため、より高い割合で自転車が利用されていることが背景にあり、さらに2017年の冬季の路面凍結等も影響していると考えられます。

◆約7割の都道府県で自転車事故増加。事故件数が多くなくても事故が増加する可能性がある。
前述のとおり、1万人当たりの事故件数の対前年増減率は、中高生のいずれも約7割という多くの都道府県で増加しています。中学生では、鹿児島県や山口県が約2倍前後、高校生では、鳥取県や福井県が約1.8倍前後の高い増加です。各県ごとに状況は異なると思われますが、その原因を十分に分析し、早急に今後増加を防ぐための的確な対応や安全啓発が求められます。また、全国的にみると中学生の自転車事故増加率が顕著であることに注目する必要があります。中学生の自転車通学は、高校生と比較して人数も少なく、距離も短いと推測されますが、このようななかで増加が著しいことは、中学生の自転車安全対策がより重要性を増していることを物語っています。

ここで注目すべきは、一部の都道府県を除いて1万人当たりの事故件数が比較的あまり高くないところでも、自転車事故が増加する可能性があるということです。自転車事故件数の少ないところであったとしても、このような増加率の兆候をしっかりと受けとめ、迅速な啓発や通学路の整備など、ソフトとハードの両面からの対策を検討することが必要です。

【発生した中高生の自転車事故のうち約2割が加害者に!事故を防止するためのポイントは?】
  • 自転車側が加害者になった事故は中学生:457件、高校生1,646件。発生した自転車事故の約2割が自転車側の加害事故。
  • 加害者の割合(1当割合)ワースト1位は、中学生:新潟県(60.0%)、高校生:兵庫県(39.4%)
  • 整備不良が加害事故の原因になることも。安全基準を満たした『BAAマーク』貼付自転車の購入を!

続いて自転車通学中の中高生が加害者になった場合*の事故について調査したところ、通学時の事故全体の約2割が自転車側の加害事故であることが判りました。中学生では457件、高校生では1,646件が自転車側の加害事故となっており、特に中学生は加害者割合が高くなっています。都道府県別に見ると自転車側の加害事故が最も多い都道府県は、中学生は新潟県、高校生は兵庫県で、兵庫県を例に見ると、自転車が加害者となった通学時の高校生の事故は207件起こっており、平均すると1日に1件以上起きている計算になります。

*通学時=登校日を年間200日として計算した場合。
*自転車が第1当事者(1当)の事故=自転車側が加害者の事故 と定義した場合。第1当事者とは、事故当事者の中で一番過失が重い人を指す。

中高生が加害者となっている割合は、全国的に見ると、中学生21.6%、高校生19.0%であり、全年齢の16.4%に比べて高くなっています。特に中学生の方が高くなっており、自転車のルール・マナーに関しての知識が未熟であること、自転車運転の経験の不足等が原因になっていると思われます。

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