日本の正社員における副業の実態調査 

2019年03月14日

「月刊副業」を運営するCatch the Webは、事実上の副業解禁である、厚生労働省による「副業・兼業の促進に関するガイドライン」公表から1年が経過したことを受け、日本の正社員における副業意識の変化と、副業の実態を調査しました(対象:正社員として働く男女1,000名)。その結果、副業自体には約9割の人が興味を持っているにもかかわらず、「自分に合った副業が見つけられていない」「会社が副業を禁止しているから」などの理由で、副業が浸透していない現状が見えてきました。

調査結果の概要


  • 副業解禁を知っていた人は34%にとどまったが、副業解禁を知っていた人の91%は副業に興味を示していた。
  • 副業解禁を知りながらも副業に取り組まない人の67%は、大都市圏に在住。
  • 副業解禁を知らなかった人でも、88%の人が副業に興味を示した。
  • 副業に興味を示した人のうち、副業に求めるものは「空き時間に」「自宅で」できること。
  • 副業に興味を示した人のうち、副業に対する心配事は「報酬の安さ」と「詐欺」。
  • 副業を禁止している会社に魅力を感じない人は95%。そのうち22%が、副業をしない理由に「会社が副業を禁止しているから」という理由を挙げた。
  • 副業をする理由のトップは「お金」に関すること。副業をやめてしまった人の理由のトップは「時間管理の難しさ」。
  • 人気のある副業は、「記事のライティング」「投資」「オークションやフリマ」。
  • 副業に取り組んでいる人の60%は月に1万円未満の収入。しかし副業にかける時間が多い人ほど、多くの金額を稼いでいる。

調査結果の詳細


●副業解禁を知っていた人は34%にとどまり、66%は副業解禁の事実を知らなかった

事実上の副業解禁である「副業・兼業の促進に関するガイドライン」が公表されたことを知っているかを伺ったところ、34%の人が知らないという回答をしました。

●副業解禁を知っていた人のうち、45%の人が副業に取り組みたいと感じるように。公表以前から副業に取り組んでいる人を含めると、副業解禁を知っていた91%の人は副業に興味を示した

続いて、副業解禁を知っていた人を対象に、副業に対する意識を伺ったところ、45%の人が「副業に取り組みたくなった」と回答しました。また、副業解禁以前から副業に取り組んでいる人は46%にのぼりました。「副業に取り組みたくなった」人と合わせると、副業に興味がある人は全体の91%という結果になっています。
ガイドラインの公表後、とくに意識が変わらなかった人(いいえと回答した人)よりも約5倍の人が、副業に取り組みたいと思うようになったという結果でした。

●副業解禁を知りつつ、副業に取り組みたいと思わなかった人は三大都市圏に集中していた

副業解禁を知り91%の人が副業に興味を示した一方、副業が解禁されても副業に取り組みたいと思わなかったと回答した人もいました。
その方々についてお住いの地域を伺ったところ、76%の人が三大都市圏に集中しているという結果になりました。

●三大都市圏に住んでいる人のうち、副業をしない理由のトップは「自分に合った副業が見つけられていない」

三大都市圏で「副業に取り組みたいと思わなかった」人が集中していたことを受け、三大都市圏に住んでいる方々に副業をしない理由を伺いました。
副業をしない理由としてもっとも多かったのが「自分に合った副業が見つけられていない(32%)」で、次に「会社で副業を禁止されている(22%)」「時間がない(21%)」という回答になっていました。

●副業解禁を知らなかった人のうち48%が、副業解禁を知って副業に取り組みたいと感じるように。公表以前から副業に取り組んでいる人を含めると、副業解禁を知らない人でも88%の人は副業に興味を示した

34%の人が副業解禁を知っていた一方で、副業解禁を今回のアンケートで知った人も66%いました。
副業解禁を今回のアンケートで知った人のうち、48%が副業に取り組みたいと感じるようになったという結果でした。
副業解禁を知らなくても、以前から副業に取り組んでいた人は40%おり、副業解禁を知らなかった人も88%が副業への興味を示しました。
ガイドラインの存在を知ったあと、とくに意識が変わらなかった人(いいえと回答した人)よりも4倍多くの人が、副業に取り組みたいと思うようになったという結果でした。

●副業に求めるものは「空き時間に」「自宅で」できること

副業に取り組みたいと回答した人に対して、副業に求めるものを伺ったところ、「空き時間にできる(27%)」という条件を示した人がもっとも多く、「自宅でできる(22%)」という条件を示した人が次に多いという結果になりました。さらに「楽しくできる」「スマホでできる」が、ともに12%という結果になっていました。

●副業に取り組みたいと思った人の心配ごとは「報酬の安さ」と「詐欺」

副業に取り組みたいと回答した人に対して、副業に取り組むにあたっての心配ごとを伺ったところ、「報酬が安い(25%)」と回答した人がもっとも多く、「詐欺(22%)」と回答した人が次に多いという結果になりました。
さらに「時間がかかる」「会社に副業がバレる」ことを心配している人も、それぞれ15%程度いらっしゃいました。【図7-1】
さらに年齢別で心配事を伺ったところ、どの年齢でも「報酬の安さ」と「詐欺」が多いという結果でした。また、60歳以上の人のみ「投資が必要」という回答は多かったものの、それ以外はどの年齢でも大きな偏りがありませんでした。【図7-2】

※ 今回の調査では、19歳以下と50歳~59歳の人の回答はありませんでした。

●副業を禁止している会社には魅力を感じないと感じる人が95%

改めてアンケート回答者全員に対し、「副業を禁止している会社に魅力を感じるか?」と伺ったところ、95%の人が「魅力的ではない」と回答していました。【図8-1】
また、魅力的ではないと回答した人のうち、副業に取り組んだことがない人へその理由を伺ったところ、もっとも多かったのは「自分に合った副業を見つけられていない(33%)」という回答でしたが、次に多かったのは「会社で副業を禁止されている(22%)」という回答でした。【図8-2】

●現在副業をしている人が副業をする理由は「お金」「時間の有効活用」「人脈とスキルアップ」

副業に取り組んでいる人を対象に、副業をする理由を伺ったところ、もっとも多かった回答が収入や貯金などの「お金に関すること(44%)」となっており、次いで「時間の有効活用(29%)」、「スキルアップと人脈の形成(15%)」でした。

●副業を経験しつつも、副業をやめてしまった人の理由は「時間」「収入」がメイン

現在も副業に取り組んでいる人がいる一方で、16%の人が副業をやめているという結果が出ました。【図10-1】
副業をやめた人に対して、副業をやめた理由を伺ったところ、もっとも多かった回答が「時間管理が難しい(26%)」となっており、次いで「収入が割に合わない(20%)」となっていました。
また、「その他(22%)」という回答も多く、時間や収入、本業以外のさまざまな理由で副業を断念していることが伺えます。【図10-2】

●副業の種類は、ライティングなどの軽作業がトップ。次いでインターネット関連の副業が多数

副業に取り組んでいる人を対象に、どんな副業に取り組んでいるかを伺ったところ、もっとも多かった回答が「記事作成(21%)」という回答でした。
次いで、「投資(16%)」や「オークションやフリマ(13%)」といった、インターネットを活用した副業に取り組んでいる人が多数となっていました。

●副業に取り組んでいる人の85%は、週に1時間以上を副業に割いている

副業に取り組んでいる人を対象に、週にどれくらいの時間を副業にあてているかを伺ったところ、「1時間以上3時間未満(33%)」という回答がもっとも多く、次いで「3時間以上5時間未満(21%)」、「5時間以上10時間未満(18%)」という結果になっていました。

●副業に取り組んでいる人でも、60%の人は1万円未満の収入

副業に取り組んでいる人を対象に、1ヶ月間に得ている副収入の金額を伺ったところ、60%の人が1万円未満という結果となりました。【図13-1】
さらに、1週間のうち副業にかける時間と収入の関係を調査したところ、副業にかける時間が多いほど収入も増えるという結果が出ていました。【図13-2】

調査概要


調査対象:1,000名(正社員)※
調査方法:インターネット調査
※ただし回答が得られなかった19歳以下および50~59歳を除く

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