幼児教育・保育の無償化に関する意識調査(16~79歳の男女対象) 

2019年06月28日

インテージリサーチは、自主企画調査 「幼児教育・保育の無償化に関する意識調査」を実施しました。全国の16~79歳の男女1万803人を対象にしたインターネット調査で、幼児教育・保育の無償化に対する意見やその理由などを尋ねたものです。

調査結果のポイント


  • 保育無償化に賛成する人は約7割。未就学児と同居する人では、男女共に9割近くが賛成と回答
  • 保育無償化に賛成する最も大きな理由は、「少子化対策として有効だと思うから」。ただし、未就学児と同居する人では「経済的な負担が減るから」が高くなりました。一方、保育無償化に反対する最も大きな理由は、「保育士の処遇改善を優先すべきだと思うから」でした
  • 「幼児教育・保育の無償化で支払う必要のなくなった利用料」の分を何に使うか尋ねたところ、「子どものための貯金・資産運用」と答えた人の割合が最も高くなりました

調査結果の詳細


■保育無償化に「賛成」が約7割、未就学児のいる当事者では9割近くが賛成

 全国の16~79歳1万803人に対し、保育の無償化に関する賛否を聞いたところ、全体で「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計が68.3%となり、7割に迫りました。家族形態別に見ると、未就学児と同居している男性では「賛成」「どちらかといえば賛成」の合計が88.4%、女性では85.5%となり、恩恵を受ける可能性のある世帯が無償化を強く支持していることがわかります。

■賛成の理由は「少子化対策として有効」。当事者世帯は「経済的な負担が減る」

 保育無償化に賛成する人にその理由を尋ねたところ、全体として最も割合が高かったのは「少子化対策として有効だと思うから」(29.8%)でした。ただし、家族形態別に見ると、未就学児と同居する人で「自分(または配偶者・パートナー)の経済的な負担が減るから」という理由が男女共に約6割に上り、ほかの家族形態と比べて圧倒的に高くなりました。経済的な余裕があるとはいえない、子育て世帯の懐事情がうかがえます。

 一方で、保育無償化に反対する人にその理由を尋ねたところ、全体としては「保育士の処遇改善を優先すべきだと思うから」(27.9%)が最も高くなりました。未就学児と同居する人であっても、保育士の処遇改善を訴える声が最も多くなっています。未就学児と同居する人は、自分の子どもやその友人が実際に保育所に通っているなど、普段から保育の現場に接することが多いと考えられます。そのため、保育士の働き方改善に対する問題意識が高い人が多いのかもしれません。

 また、2番目に多かった反対の理由は「保育無償化の効果が実感しにくいから」(22.0%)。無償化が本当に子育て世帯の負担軽減につながるのか、また子育て世帯の間の経済格差を是正するのかという点について今後、検証していく必要があるでしょう。

(その他、挙げられた賛成の理由:自由回答)
【賛成】手当など金銭でもらうより、(保育料の)無料の方が、(税金等のリソースが)ちゃんと子どもに使用されていると感じる
【どちらかといえば賛成】若い世帯の経済的な負担が減るから
【どちらかといえば賛成】そもそも子どもの教育費用が、日本は高すぎると思う

(その他、挙げられた反対の理由:自由回答)
【反対】子どもがいない人たちに(とって)不平等だから
【反対】保育料の一定の負担は必要だと考える
【どちらかといえば反対】児童虐待防止など福祉政策を充実すべき

■幼児教育・保育無償化で浮いたお金は「子どものための貯金・資産運用」に

 未就学児と同居しており、その子どもが無償化の対象となる保育所または幼稚園に通っていると答えた人720人に対し、「保育無償化で支払う必要のなくなった利用料の分を何に使うか」を尋ねました。その結果、「子どものための貯金・資産運用」(48.2%)と答えた人の割合が最も高く、次いで「子どもの習い事」(39.6%)、「子どもの生活費」(31.5%)が高くなりました。世帯年収や居住する地域による差は見られませんでした。

 現在の所得水準にかかわらず、幼児期以降にかかる教育費・生活費の負担を見越して貯蓄や資産運用を行う人が多いとみられ、子育て世帯における教育費・生活費の負担感が依然として高いことがうかがえます。

調査概要


■調査方法:インターネット調査
■調査地域:全国
■調査対象者:マイティモニター 全国16歳以上79歳までの男女個人
■サンプル構成:平成27年国勢調査ベース(性別×年代別×居住エリア×未既婚)母集団準拠
■設計数:10,803サンプル
■調査期間:2019年3月25日(月)~3月27日(水)
■調査内容:幼児教育・保育の無償化に対する意見とその理由、支払う必要がなくなる利用料の使途
■調査実施機関:株式会社インテージリサーチ

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[インテージリサーチ]
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