会社員から見たフリーランスに対するイメージとその実態調査 

2019年08月02日

アデコは、ビジネスパーソンでフリーランスとして働くことに興味がある300名と現役フリーランスとして働く300名を対象に、フリーランスという働き方に関するアンケート調査を実施しました。その結果、フリーランスとして働く現実と会社員がイメージするフリーランス像との間にはギャップがあることが分かりました。

調査結果のポイント


1)現役フリーランスと会社員がイメージする意識のギャップ

 1)フリーランスとして働くメリット
 現役フリーランス:1位 「自分のペースで仕事をしたい」、2位 「自分のやりたい仕事をしたい」
 会社員:1位 「自分のペースで仕事ができる」、2位 「収入を増やせる」
2)フリーランスとして働くデメリット
 現役フリーランス:1位 「収入が不安定」、2位 「社会的信用が低いこと」
 会社員:1位 「収入が不安定」、2位 「自ら仕事をとってこなければならない」

2)現役フリーランス意識調査

 1)約8割が、今後もフリーランスとして働きたい
 2)将来的な不安は、「顧客(仕事)の継続的な確保」
 3)職種によって年収に幅。最も多い年収層は、300万円未満
 4)仕事内容や仕事時間を自分の裁量ででき、会社員時代よりも充実している

3)会社員意識調査

 1)副業としてのフリーランスに興味がある、約8割
 2)フリーランスを希望する理由は、「収入アップ」、「他の収入源の確保」

調査結果詳細


(1)現役フリーランスと会社員の意識比較

(1-1)フリーランスとして働くメリット
現役フリーランス:1位 「自分のペースで仕事をしたい」、2位 「自分のやりたい仕事をしたい」
会社員:1位 「自分のペースで仕事ができる」、2位 「収入を増やせる」
現役フリーランス300名とフリーランスとして働くことに興味がある会社員300名に対して、フリーランスのメリットをそれぞれ質問したところ、1位になった項目は、「自分のペースで仕事ができる」(現役フリーランス60.7%、会社員65.7%)でした。
一方で2位の回答は両者で分かれ、フリーランスは「自分のやりたい仕事ができる」(53.0%)、会社員は「収入を増やしたい」(63.7%)がランクインしました。「現役収入を増やしたい」は、現役フリーランスでは12位と他の項目よりも下位にあり、フリーランスにとってはそれ程重視していない項目であることが分かりました。

(1-2)フリーランスとして働くデメリット
現役フリーランス:1位「収入が不安定」、2位「社会的信用が低いこと」
会社員:1位「収入が不安定」、2位「自ら仕事をとってこなければならない」

フリーランスのデメリットと感じることを現役フリーランスと会社員に質問したところ、両者とも1位は「収入が不安定」(現役フリーランス72.7%、会社員50.0%)をあげており、イメージと現実に乖離がない結果になりました。しかし、会社員の回答の5位にある「仕事する時間が増加する」(30.3%)というイメージに対しては、現役フリーランスでは上位にあがっておらず、これはメリットの1位になっている「自分のペースで仕事ができる」、3位の「働く時間を自分で決める」を裏付け、フリーランス自身の裁量で仕事をすることが可能である働き方であることが分かりました。
一方で、現役フリーランスが回答したデメリットとして2位に「社会的信用が低い」(42.1%)、6位に「福利厚生の整備」(28.9%)があり、フリーランスが働く労働環境には今後も一層の整備が必要なことがうかがえます。

(1-3)フリーランスとして働くうえで求められるスキル
現役フリーランス:1位は「コミュニケーション力」、2位「柔軟性」、3位「時間管理力」
会社員:1位は「コミュニケーション力」、2位は「交渉力、営業力」、3位「人脈・ネットワークを構築するスキル」

フリーランスとして働くために重要だと思う能力について、会社員と現役フリーランスが考えるものには、若干の差異が見られる結果になりました。特に会社員では2位にランクインしている「交渉力、営業力」は、フリーランスでは11位とランキングの下位にあり、それ程重要とは捉えられていないことが分かりました。実際にフリーランスに必要な能力は、「柔軟性」や「時間管理能力」、「専門性」であることが明らかになりました。

(2)現役フリーランスの意識調査

(2-1)今後の働き方
今後もフリーランスとして働きたいが約8割。会社員として働きたいは、わずか4%にとどまる。
現役フリーランス300名に対して「今後、希望する働き方」を質問したところ、77.3%が今後も「フリーランス」を継続したいと回答しました。その一方で、「会社員として働きたい」は4.3%で、自分のペースで働くことができるフリーランスという働き方を今後も希望していることが分かりました。会社員と比較すると、「収入が不安定」、「社会的信用が低い」などのデメリットも感じているものの、それらを踏まえたうえで積極的にフリーランスという働き方を選択していることが分かりました。

(2-2)現役フリーランスが抱える将来的な不安
「顧客(仕事)の継続的な確保」に将来的な不安を感じる、その一方で約1割は「不安ない」
現役フリーランスに対して、何に将来的な不安を感じるかを質問したところ、「顧客(仕事)の継続的な確保」(41.3%)が最も多く、続いて「収入単価の低さ」(39.7%)、「自身の健康の維持」(39.7%)が続きました。その一方で、13.7%の人は「特に不安はない」と回答しています。

(2-3)会社員よりも良いと思うこと
仕事内容や仕事時間を自分の裁量でできることが、会社員時代よりも充実している
Q.  会社員時代と比較して良かったと思うこと(n=121)過去に会社員として働いた経験がある現役フリーランス121名を対象に、会社員時代と比較してフリーランスでよかったことを質問したところ、「自分のペースで仕事ができる(ワーク・ライフ・バランスがとりやすい)」(65.3%)が最も多く、次いで「自分がやりたい仕事ができている」(59.5%)、「通勤のストレスがない」(55.4%)の順に多い結果になりました。

(2-4)現役フリーランスの年収
職種によってフリーランスの収入レベルに幅。最も多い収入層は年収300万円未満
現役フリーランスに過去1年間の個人年収を聞いたところ、300万円未満が63.3%、300-400万円が14.7%という回答になりました。一方で、年収1000万円以上と回答するフリーランスもおり、個人によって収入レベルに幅があることが分かりました。

(3)会社員の意識調査

(3-1)会社員のフリーランスに対する志向
副業フリーランスとして働いてみたいが7割以上
フリーランスとして働くことに興味がある会社員を対象に「フリーランスだけで働きたい」のか「会社員とフリーランスとの副業で働きたい」のかを質問したところ、7割以上が「会社員とフリーランスの副業で働きたい」と回答し、会社員として安定した収入を得ながら、フリーランスに挑戦したいという志向が強いことが明らかになりました。

(3-2)フリーランスとして働いてみたい理由
フリーランスに挑戦したい理由は、より高い収入を得るため
フリーランスとして働くことに興味ある会社員を対象にその理由を聞いたところ、「会社員の収入よりも高い収入を得たい」(39.7%)、「複数の収入源を得て経済的な安定を得たい」(36.3%)の収入に関する理由からフリーランスに興味があることが分かりました。

調査概要


■調査対象:現役フリーランスとして働く300名、会社員や団体で働くビジネスパーソン300名
■調査方法:インターネット調査
■実施時期:2019年6月25日~29日

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[アデコ]
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