生活者の受療行動に関する調査②~3つの受療スイッチ 

2013年04月18日
メディカルライフ研究所は、日本の生活者の受療行動に関する実態や意識を把握するために「生活者の受療行動に関する調査(2)」を実施。第3回分析結果をまとめた。

※“受療行動”:メディカルライフ研究所では生活者が身体の不調を感じてから医療機関での受診にいたるまでの一連の行動を“受療行動”と呼んでいます。

不調や疾患があると感じていながらも病院に行かずに放置している人が多く存在している中で、では生活者はどうすれば「病院で診てもらおう」という“キモチ”になるのでしょうか。「病院で診てもらおう(受診)」という意識には、「症状について学習したい」という意識が密接に関係しており、またこれらの受診、症状の学習といった受療行動意向を高める為には、3つの大きな“キモチのスイッチ(きっかけ)”があるということを、長期不調症状または慢性疾患の保有を認識している2000人のデータを分析することにより、実証することができました。

○メディアや広告、啓発サイトなどを通じて、自分の症状・今後の見通しや治療法・薬について調べるなど、理解を高めようという“学習意向”が高い人ほど“受診意向”も高くなる傾向がみられています。

○受療行動意向を高める3つのスイッチとして、『不調・疾患の原因の理解』『不調・疾患の症状に対する認識』『症状・治療法・薬全般に対する知識と学習態度』があります。
これらのスイッチのいずれかが入ることによって受療行動への意識が高まるようです。

【スイッチ1:不調・疾患の原因の理解】
本人がその症状(疾患)の“原因”について、「この症状(疾患)の原因は“○○(加齢、感染、不摂生など)”にある」と強く思うほど、受療行動への意識も高まる傾向があります。

【スイッチ2:不調・疾患の症状に対する認識】
本人がその症状(疾患)について、「よくあるような一般的な症状ではない」「周りの人達に不快な思いをさせ迷惑をかけている」などと強く思うほど、受療行動への意識も高まる傾向があります。

【スイッチ3:症状・治療法・薬全般に対する知識と学習態度】
例えば、本人が「治療法について知識がないと不安だ」「薬に対する知識がなければ不安だ」や、「自分で調べることによってよりよい治療が受けられる」などと強く思うほど、受療行動への意識が高まるようです。

○年齢や、保有している不調、疾患によって、強く影響を与える“スイッチ”は異なると考えられます。例えば、病院に行かない理由として「お金がないから」が上位にあがるような30代男性では(メディカルライフ研究所第2回リサーチレポート 2013年3月より)、まず「この症状は、放っておくと大変なことになる(=スイッチ2:症状に対する認識)」としっかり意識してもらうことが、受診への“キモチ”を高めると思われますが、他の性年代であればその人の状況(意識、ライフスタイルなど)にあったキモチの“スイッチ”があるはずです。


【調査概要】
・調査対象者:全国の20代~60代男女
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2012年9月
・調査サンプル:有効回収数2,000

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[メディカルライフ研究所]
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