直近四半期における取引総額1億ドル超のM&Aを集計した業績調査(Quarterly Deal Performance Monitor: QDPM) 

2013年10月17日
タワーズワトソンとキャス・ビジネススクールが共同で実施した、直近四半期における取引総額1億ドル超のM&Aを集計した業績調査(Quarterly Deal Performance Monitor: QDPM)によると、前回調査に続き、アジア太平洋地域(以下「アジア」)の買収実施企業の業績がMSCI指数(以下「基準指数」)を5.8%上回ったことがわかった。

アジアは、過去3年間一貫して、最も業績が高い地域の座を維持している。本調査を通じて、買収を実施した世界各国の企業の業績が基準指数を3.7%上回り、買収後の業績が好調に推移していることが明らかになった。買収を実施した企業の業績が同指数を上回ったのは3四半期連続となり、これは2011年以降初めてのことである。

アジアの買収実施企業の第3四半期の業績は、アジアの基準指数を4.0%上回った。2008年第1四半期以降の全期間でみると、4.3%超過となる(中央値ベース)。また、世界のM&A市場の約20%を占める同地域において大型M&Aの取引数が安定的に推移しているなかで、再び国内もしくは地域内の取引が大半を占めるようになっている。

北米の買収実施企業の第3四半期の業績は、同地域の基準指数を10.3%上回った。この超過幅は、2008年第4四半期の+6.6%という過去最高の記録を、大幅に上回るものである。今回、4四半期連続で基準指数を上回る業績となるが、これは調査開始以降で初めてのことである。また、過去5年、北米市場におけるM&Aの件数や買収後の業績をみると、他地域に比べあまり変動していなかったが、最近はその安定度がさらに増している。

欧州企業による買収活動は2012年半ばから低い水準で推移しており、今期は基準指数を1.6%下回るなど、あまり振るわない状況となっている。

タワーズワトソンQDPM調査方法:

・買収を実施した企業について、2013年9月13日時点の標準化された期末予想に基づき実施

・公表日に先立つ6ヵ月前から四半期末までの株価の変動率(%)でみた四半期調査における株価動向 (2013年第3四半期データは2013年9月13日までに取得したもの)

・買収後の保有株式が、総発行株式のうち50%未満にとどまる取引はすべて除外しており、少数株式の取得は分析に含まれていない。また、買収前時点で、対象企業の総発行株式数の50%を超えて株式を保有していた場合の当該親会社に係る買収はすべて分析から除外されており、残存株式の取得は含まれていない。
     
・データ元: Thomson One Banker

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[タワーズワトソン]
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