長く続く痛みに関する実態調査2013（47都道府県比較）
2013年11月20日痛みには種類があり、その性質に応じた適切な治療が重要とされていますが、患者の自己判断による治療中断や、医師・患者間のコミュニケーションギャップなど、未だ解決されていない診療課題が残されています※2。血圧値や血糖値などのように客観的な評価が難しく、自分自身でしか感じることのできない「痛み」について、より良い診療の実現のため、医師・看護師など他者が理解しやすくなるための要素を検証しました。（調査期間：2013年9月20日～9月30日）
※1：本調査における慢性疼痛の定義：「週2回以上の頻度で痛みが起こる」、「3ヵ月以上痛みが続いている」、「疼痛の11段階（0：全く痛みはない、10：想像を絶する最悪の痛み）のスケールで4以上の強さの痛み」の全てに該当するもの
※2：慢性疼痛に対する患者と医師の意識比較調査（調査期間：2013年5月31日～6月3日）より
【調査結果サマリー】
慢性疼痛を抱える人の「痛み」表現・伝え方の実態
・通院経験のある慢性疼痛※1を抱える人の74.7％が医師・看護師に自身の痛みを言葉で上手く説明出来なかった経験を有する
・医師・看護師に自身の痛みを伝える時、いつも使っていることば（方言）よりも標準語に近付けようと39.4％が意識している。その意識は出身都道府県別では、沖縄県（58.7％）、宮崎県（55.2％）、佐賀県（54.6％）の順に高い
・自身の痛みを表現する際、擬音語・擬態語=オノマトペを82.8％が活用。出身都道府県別では、京都府（90.0％）、滋賀県（89.3％）、和歌山県（88.2％）の順に高い活用度
・痛みの表現にオノマトペを活用する理由は、「感覚的／直感的に表現できるから」58.1％が最多で、次点は「痛みを適切に表現できるから」46.7％
・擬音語・擬態語=オノマトペを使って自身の痛みを表現した時、80.7％が医師・看護師に痛みを理解してもらえたと手応えを感じている
痛みの種類により異なる痛み表現
・各疾患の痛みを擬音語・擬態語=オノマトペで表現した場合、炎症や刺激による痛みである侵害受容性疼痛では、「ズキズキ」（肩関節周囲炎、変形性膝関節症など）、「ガンガン」（片頭痛、緊張性頭痛など）といった表現が高い割合でみられる
・神経による痛みである神経障害性疼痛（坐骨神経痛、糖尿病性神経障害、帯状疱疹後神経痛など）では、「ジンジン」、「ビリビリ」、「ピリピリ」、「チクチク」といった表現が特徴的に多くみられる
慢性疼痛を抱える人の治療・中断に関する実態
・成人の10.9％に慢性的に痛みが生じる「慢性疼痛」の可能性
・慢性疼痛を抱える人のうち30.6％は、長く続く痛みを有するにも関わらず未だ一度も通院経験なし
・通院経験のある慢性疼痛を抱える人のうち40.1％は、痛みが緩和していないにも関わらず、現在通院していない状態。その割合は出身都道府県別で見ると、岐阜県（49.5％）、沖縄県（48.4％）、三重県（48.2％）の順に高い
・通院中断理由は治療効果への不満（75.2％）、費用負担の大きさ（52.9％）、原因未解明（43.6％）の点に集中。5人に1人（20.7％）は訪問すべき診療科・医療機関が「分からない」
【調査概要】
・調査の目的
痛みには種類があり、その性質に応じた適切な治療が重要とされているが、患者の自己判断による治療中断や、医師・患者間のコミュニケーションギャップなど、未だ解決されていない診療課題が残されている※1。血圧値や血糖値などのように客観的な評価が難しく、自分自身でしか感じることのできない「痛み」について、より良い診療の実現に向け、医師・看護師など他者が理解しやすくなるための要素を検証した。
※1：慢性疼痛に対する患者と医師の意識比較調査（調査期間：2013年5月31日～6月3日）より
・調査対象：一次調査179,433名（全国の20才以上の男女）／ 本調査8,183名（一次調査で確認された通院経験のある慢性疼痛※2保有者13,599人の内、本調査に回答のあった人。出身都道府県別 各106～200名）
※2：本調査における慢性疼痛の定義：「週2回以上の頻度で痛みが起こる」、「3ヵ月以上痛みが続いている」、「疼痛の11段階（0：全く痛みはない、10：想像を絶する最悪の痛み）のスケールで4以上の強さの痛み」の全てに該当するもの
・調査方法： インターネットアンケート調査
・調査の実施日：2013年9月20日（金）～2013年9月30日（月）
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