ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査 

2013年12月13日
発泡酒の税制を考える会は、『ビール・発泡酒・新ジャンル商品の飲用動向と税金に関する調査』を実施(2002年より毎年実施)。この調査は、日本人が好む代表的なお酒である「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の少なくとも1つを飲んでいる 20~69歳の男女 1,000 人(男性 499 人、女性 501 人)を対象に、それぞれのお酒の飲用実態や「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」にかかる税金に対する愛飲者の意識を把握することを目的に実施されたものです。

【調査結果サマリー】

「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用者のお酒の飲み方

◆お酒は家庭で飲むことが多い
大多数の人がお酒は“家庭で飲むことが多い”(89.1%)と回答、“外で飲むことが多い”(5.2%)はかなり少数派でした。“家庭でよく飲むお酒”は「ビール」(70.2%)が最も多く、以下「新ジャンル商品」(54.2%)、「チューハイ」(41.7%)、「ワイン」(38.2%)、「発泡酒」(36.9%)の順でした。“外でよく飲むお酒”も「ビール」(67.2%)が突出して多く、2割台で「チューハイ」(27.5%)、「ワイン」(23.5%)、「焼酎」(20.7%)が続いています。また、「外でお酒は飲まない」という人も1割強(11.9%)いました。

◆家庭における飲酒予算は一人あたり月平均「6,182 円」、昨年より「600 円弱」増える
家庭における 1 カ月間の一人あたりの飲酒予算を聞いたところ、最多価格帯は「1~3千円未満」(27.8%)で、平均は月に「6,182円」でした。性別では、男性「7,792円」が女性「4,579円」より3千円以上も多くなっています。注目すべきは予算の増額傾向で、昨年の平均(5,633 円)より約 600 円近く増えました。平均が6千円を超えたのは、2009 年の調査開始以来初めてのことです。

「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の税金に対する意識

◆ビール系飲料の税負担率が“主要先進国に比べて突出して高い”事実を知らない人が多数派
酒類の税金に対する意識では、日本の「ビール」や「発泡酒」などの税負担率が先進国では突出して高いという事実を知らない人が 6 割(64.1%)を超えます。「発泡酒」の酒税額が他の低アルコール酒類より高いことを知らない人も7割(76.2%)以上です。「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の税負担率を聞くと、正解率はいずれも 1 割台(ビール 10.4%、発泡酒 12.0%、新ジャンル商品 15.7%)でした。

◆酒税負担率は、生活者実感と大きくかい離
酒税に対する意識調査では、「安くてよく売れているお酒の増税は公正でない」(73.0%)、「発泡酒の増税は、企業の研究努力の無視だ」(70.9%)、「新ジャンル商品の増税は企業の研究努力の無視だ」(71.3%)、「消費税があるのに、酒税もとるのはおかしい」(69.2%)などに賛成する人は7割前後と高く、現行税制に不満を持っている人が多いことが分かりました。

◆消費税が増税された場合、酒税を“減税すべき”と考える人は9割近い(85.5%)

消費税が増税された場合、「ビール」などの酒税は「消費税引き上げ相当分(5%)は減税すべき」(43.2%)、「消費税引き上げ分以上(6%以上)は減税すべき」(20.8%)、「消費税引き上げ分まるまるではないが若干減税すべき」(21.5%)など、“減税すべき”(85.5%)という意見が大多数を占めました。

◆「10円」の値上げでも消費に影響し、「30円」幅では値上げでも値下げでも消費への影響は小さくない
「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の3酒類を通じ、「10 円」の値下げは消費への影響はそれほどありませんが、「10 円」の値上げでも影響し、さらに「30 円」の値上げや値下げになると、消費に与える影響は小さくないことが分かりました。

【調査結果詳細】

Ⅰ.「ビール」 「発泡酒」「新ジャンル商品」飲用者のお酒の飲み方

1.お酒を飲む場所
◆ “家庭で飲むことが多い”という人が9割弱(89.1%)、“外で飲むことが多い”(5.2%)は少数派
◆ “家庭で飲むことが多い”割合は、男性(87.4%)より女性(90.8%)の方が若干高い

お酒は「家庭」と飲食店など「外」のどちらで飲むことが多いか聞いたところ、「ほとんど家庭で飲む」(57.4%)という人が過半数を占めました。さらに「主に家庭で飲むが、外でも飲む」(31.7%)を合わせた“家庭で飲むことが多い”(89.1%)は9割近くで、“家飲み派”が多い傾向が明らかです。これに対し、「家庭でも外でも同じぐらい飲む」(5.7%)、「主に外で飲むが、家庭でも飲む」(2.5%)、「ほとんど外で飲む」(2.7%)などは、いずれも少数派でした。
性別でみると、「ほとんど家で飲む」割合は男性(54.1%)でも過半数に達していますが、女性では6割(60.7%)以上と高率でした。また、「主に家庭で飲むが、外でも飲む」を合わせた“家庭で飲むことが多い”人の割合も男性(87.4%)より女性(90.8%)が多くなっています。過去の調査結果と比較すると、「ほとんど家庭で飲む」割合は(12 年 52.7%→13 年 57.4%)と増えており、“家飲み派”の増加傾向を窺わせます。

2.家庭でよく飲むお酒の酒類
◆ 家庭でよく飲むお酒は 1 位「ビール」が 7 割(70.2%)、次いで「新ジャンル」が過半数(54.2%)

「家庭」でよく飲むお酒を複数挙げてもらったところ、「ビール」(70.2%)が最も多く、「新ジャンル」(54.2%)も5割を超えています。過去の調査と比較すると、「ビール」が年々(11 年 63.8%→12 年 69.0%→13 年70.2%)伸びてきています。
次に「家庭」で“一番よく飲むお酒”を挙げてもらったところ、「ビール」(33.1%)が最も多く、「新ジャンル」(25.8%)が続き、この2つで6割弱(58.9%)を占めています。過去の調査でも、「ビール」「新ジャンル」が常に過半数を占めてきました。中でも最近は「ビール」(11 年 26.5%→12 年 30.7%→13 年 33.1%)が伸びてきています。

3.外でよく飲むお酒の酒類

◆ 外で飲むお酒も 1 位は「ビール」(67.2%)で、2位「チューハイ」(27.5%)以下とは大差

飲食店などでよく飲むお酒を複数挙げてもらうと、1位は「ビール」(67.2%)で7割近くと突出して多く、2位以下は2割台で「チューハイ」(27.5%)、「ワイン」(23.5%)、「焼酎」(20.7%)と続きます。一方で、「外でお酒は飲まない」(11.9%)という人も約1割いました。過去の調査との比較では、わずかながら「ビール」が増加傾向(11 年 64.8%→12 年 66.6%→13 年 67.2%)にあります。
「外」で“一番よく飲むお酒”を挙げてもらったところ、やはり「ビール」(51.7%)が多く、過半数を超えています。これに対し、2位以下の「チューハイ」(7.8%)、「焼酎」(5.9%)、「ワイン」(5.3%)などは1割を下回っています。過去の調査でも、毎年 1位は「ビール」ですが、この 3年をみると増加傾向(11 年 47.5%→12 年 48.0%→13 年 51.7%)にあります。

4.家庭での飲酒予算
◆ 家飲み予算は月に「1~3千円未満」(27.8%)が最多価格帯、平均すると「6,182 円」
◆ 昨年(5,633 円)より約 600 円近く増え、09 年の調査開始以降初めて「6,000 円台」を突破
◆ 月平均予算、男性「7,792 円」、女性「4,579 円」と、男女間で約 3,200 円もの大差が開く

家庭における飲酒の予算は、月単位一人分にして「1~3千円未満」(27.8%)が最も多く、次いで「5~7千円未満」(20.9%)、「3~5千円未満」(18.7%)と続き、平均は月に「6,182 円」でした。性別では、男性が「7,792 円」、女性が「4,579 円」と、男女間で約 3,200 円もの大きな違いがみられます。
過去の調査と比較すると、毎年「1~3千円未満」が最多価格帯という傾向に変わりはありませんが、月あたりの平均が昨年(5,633 円)より約 600 円弱増え、6,182 円と「6,000 円台」を突破、平均が6千円を超えたのは、2009 年の調査開始以来初めてのことです。

Ⅱ.「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の飲用実態

1.「ビール」の飲用実態
◆ ふだん「ビール」を「飲んでいる」人が8割強(81.8%)、男性(83.2%)も女性(80.4%)も8割台
◆ 「ビール」を飲む理由は 1 位「おいしいから」(72.6%)、2 位「飲みごこちがよいから」(47.2%)、3 位「味や品質がよいから」(28.2%)が続き、“味”に関わる理由が上位を占める
◆ 「ビール」を飲むのは、「週末に家で」(72.6%)と「平日に家で」(66.7%)など、“家飲み”が多数派
◆ 週に「ビール」を飲む量は1缶 350ml を「1~4缶未満」(63.3%)が過半数を占め、平均「2.8 缶」

ふだん「ビール」を「飲んでいる」のは8割強(81.8%)で、性別にみても男性(83.2%)と女性(80.4%)で大きな差はありません。「ビール」を飲んでいる理由は、「おいしいから」(72.6%)が圧倒的に多く、次いで「飲みごこちがよいから」(47.2%)、「味や品質がよいから」(28.2%)と、“味”に関わる理由が上位を占めます。性別や年代別に見ても、いずれも「おいしいから」が理由の筆頭に挙げられています。

どんな時に「ビール」を飲んでいるかを聞くと、「週末に家で」(72.6%)がトップ、次いで「平日に家で」(66.7%)が続き、“家飲み”が多い傾向です。昨年調査と比べても「週末に家で」(12年71.2%→13年72.6%)や「平日に家で」(12 年 60.6%→13 年 66.7%)が増加しているのに対し、「飲食店の夕食や飲み会で」(12 年66.0%→13 年 56.4%)は 10 ポイント近く減少しており、“家飲み”傾向が強まっていることが分かります。
1週間に飲む「ビール」の量は、350ml 換算で「1~4缶未満」(63.3%)という人が圧倒的に多く、2位以下の「1缶未満」(14.1%)や「4~7缶未満」(10.9%)などはそれぞれ1割台で、平均は週に「2.8 缶」でした。過去の調査結果と比較すると、毎年「1~4缶未満」が最も多いのですが、12 年 58.6%→13 年 63.3%とさらにその比率が増えました。平均では、12 年「2.9 缶」→13 年「2.8 缶」とほぼ変わらず、横ばいという結果でした。

2.「発泡酒」の飲用実態
◆ 「発泡酒」を「飲んでいる」(44.0%)人は過半数以下で、「ビール」(81.8%)に比べるとかなり低い
◆ 「発泡酒」を飲む理由は「安いから」(65.7%)が1位だが、「おいしいから」(41.6%)が増加傾向
◆ 「発泡酒」を飲むタイミングは、「平日に家で」(76.4%)、「週末に家で」(73.6%)など“家飲み”が主
◆ 「からだにいいタイプが発売された」と支持するのは男性(13.6%)より女性(23.0%)が多い

ふだん「発泡酒」を「飲んでいる」(44.0%)人は半数以下で、「飲んでいない」(56.0%)人の方が多くなっています。前述の“ビールの飲用率”(81.8%)と比べると 40 ポイント近く低い結果でした。
「発泡酒」を飲む理由は、「安いから」(12 年 70.2%→13 年 65.7%)や「家計の助けになるから」(12 年22.1%→13年 19.5%)など、“価格”を理由に挙げる人が多いものの、過去の調査と比較すると減少傾向にあります。それに対し、2位の「おいしいから」(12 年 38.1%→13 年 41.6%)は昨年より増加しており、「味が軽いから」(21.8%)や「味や品質がだんだんよくなってきたから」(20.5%)なども上位に入るなど、“味の良さ”で評価する人が少なくないことが分かります。

「発泡酒」を飲むのは「平日に家で」(76.4%)が最も多く、次いで「週末に家で」(73.6%)も7割台で続き、“家飲み”が主です。平均的な1週間の「発泡酒」飲酒量を1缶 350ml 換算で聞いてみたところ、「1~4缶未満」(65.0%)が突出して多く、以下は「1缶未満」(15.7%)や「4~7缶未満」(11.4%)などが1割台でした。平均は週に「2.4 缶」で、「ビール」(平均 2.8 缶)よりやや少なくなっています。
「発泡酒」が支持される理由は、「味と価格のバランスがよいから」(12 年 49.7%→13 年 47.3%)や「消費者の財布の事情に合ったお酒だから」(12 年 45.5%→13 年 41.6%)など、“価格”が主な理由になっていますが、いずれも昨年に比べ僅かながら減少傾向です。「からだにいいタイプが発売されたから」という支持の理由は、男性(13.6%)より女性(23.0%)で高くなっています。

3.「新ジャンル商品」の飲用実態
◆ 「新ジャンル商品」を「飲んでいる」のは6割強(61.7%)で、「ビール」(81.8%)より少ないが「発泡酒」(44.0%)よりは多い
◆ 「新ジャンル商品」を飲む理由は「安いから」(74.2%)が約4分の3を占め、価格が最大の理由
◆ 飲むのは「平日に家で」(80.7%)、「週末に家で」(76.8%)が上位、やはり“家飲み”が多い
◆ 週に飲む量は平均「3.3 缶」で、「ビール」(2.8 缶)や「発泡酒」(2.4 缶)と比べて多い

「新ジャンル商品」の飲用状況をみると、「飲んでいる」という人は6割強(61.7%)で、前述の「ビール」(81.8%)よりは少ないものの、「発泡酒」(44.0%)よりは多くなっています。「新ジャンル商品」を飲んでいる理由は、「安いから」(74.2%)が圧倒的に多く、加えて「家計の助けになるから」(24.3%)が第3位と、“価格”が評価されています。「安いから」(74.2%)の割合は、「発泡酒」(65.7%)よりさらに高率です。過去の調査と比較すると、トップ3は毎年「安いから」「おいしいから」「家計の助けになるから」で変わらないものの、傾向的には「安いから」(12 年 79.7%→13 年 74.2%)や「家計の助けになるから」(12 年 27.7%→13年 24.3%)が減少したのに対し、「おいしいから」(12 年 36.2%→13 年 39.4%)は増加傾向でした。

どんな時に「新ジャンル商品」を飲んでいるかでは、「平日に家で」(80.7%)と「週末に家で」(76.8%)の“家飲み”がやはり多く、前述の「ビール」や「発泡酒」と同じような傾向を示しています。平均的な1週間の「新ジャンル商品」の飲酒量を1缶 350ml換算で聞いたところ、「1~4缶未満」(60.8%)という人が多く、傾向的には「ビール」や「発泡酒」と同様であるものの、平均飲酒量は1週間に「3.3 缶」で、「ビール」(2.8 缶)や「発泡酒(2.4 缶)より多くなっています。
「新ジャンル商品」が支持されている理由を聞いたところ、1位は「消費者の財布の事情に合ったお酒だから」(54.3%)ですが、以下には「味と価格のバランスがよいから」(49.5%)、「味の軽さがうけたから」(20.7%)、「メーカーが努力して味・品質を進歩させてきたから」(19.3%)、「味・香りのバラエティに富んでいるから」(18.5%)など、“価格第一”であると同時に“味”も理由になっていることが分かります。

4.「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」を組み合わせた飲用パターン
◆ 「ビール+発泡酒+新ジャンル」(30.5%)と3酒類ともに飲む人が 3 割で最も多い
◆ “3酒類愛飲者”が 36.3%→30.5%と減少傾向、「ビールのみ」は 21.8%→27.6%と増加傾向
◆ 3酒類を合計した一週間の飲酒量は、「1~4缶未満」(44.8%)が最も多く、平均は「5.4 缶」
◆ 最も飲酒量が多いのは、「ビール」(39.4%)、「新ジャンル商品」(31.2%)、「発泡酒」(8.0%)の順

「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の“飲用パターン”をみると、「ビール+発泡酒+新ジャンル」(30.5%)の3酒類とも飲む人が最も多く、次いで「ビールのみ」(27.6%)も3割近くを占めています。昨年調査と比べ、「ビール+発泡酒+新ジャンル」の“3酒類愛飲者”は1位という結果は変わらないものの減少傾向(12 年 36.3%→13 年 30.5%)で、「ビールのみ」は増加(12 年 21.8%→13 年 27.6%)しています。

3酒類のお酒の1週間あたりの合計飲用量(1缶 350ml 換算)を算出したところ、「1~4缶未満」(44.8%)が最も多く、平均は週に「5.4 缶」でした。性別にみると、男性(平均週に 6.0 缶)の方が女性(平均週に 4.9 缶)よりも1缶以上多く飲んでいます。3酒類で最も飲酒量が多いものを集計したところ、1位が「ビール」(39.4%)、次いで「新ジャンル商品」(31.2%)が3割台を占め、「発泡酒」(8.0%)は1割以下になっています。過去の調査と比較すると、「ビール」は毎年比率を下げてきましたが、今年は反転しました(12 年 34.7%→13 年 39.4%)。


【調査概要】
・調査目的:日本人が好む代表的なお酒である「ビール」「発泡酒」、および「新ジャンル商品」飲用者を対象に、各商品の飲用実態や、「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」にかかる税金に対する意識を把握することを目的に実施しました。
・調査対象:普段から「ビール」「発泡酒」「新ジャンル商品」の少なくとも 1 つを飲んでいる 20~69 歳男女
・調査方法:スクリーニングで抽出された「普段ビール・発泡酒・または新ジャンル商品を飲んでいる」と回答した人に対して、電子メールにてアンケートページのURLを告知、WEB上のアンケートページにて回答を回収しました。
・調査期間:2013 年 8 月 2 日(金)~8 月 8 日(木)

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