平均年収/生涯賃金(100職種別) 2013年版 

2013年12月02日
インテリジェンスが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」は、「DODA 平均年収データ 2013」を発表。

2012年10月~2013年9月の1年間に、DODA転職支援サービスに登録した約10万人のデータを元に、正社員として就業している20歳~59歳までのビジネスパーソンの平均年収(手取りではなく支給額)を年齢別、職種別、業種別、都道府県別、にまとめました。
※生涯賃金の算出方法:22~59歳の各年齢の平均年収を全て足し、退職金は含まない金額

【調査結果】

正社員の平均年収は446万円。4年ぶりに増加

2013年の平均年収は446万円(平均年齢33歳)で、前年比+4万円。2009年以降、3年連続で減少していた平均年収ですが、4年ぶりに増加へと転じました。円安や株高、消費税増税前の駆け込み需要などにより、業績が拡大した企業がボーナスアップを図るなど、アベノミクスによる景気回復が平均年収にも影響したと考えられます。
一方、今回の調査で平均年収が増加したのは35歳未満の若手層が中心。特に40代の平均年収は調査開始の2007年以来、ほぼ一貫して減少しています。これは、企業の給与体系が年功序列型から成果報酬型へ切り替わりつつあることの表れと言えそうです。

■職種別
職種別に見ると、トップ3は前年と同じく、1位に「投資銀行業務」(966万円)、2位は「運用(ファンドマネジャー/ディーラー/アナリスト)」(829万円)、3位に「経営企画/事業企画」(713万円)が並びます。
特に、前年比で最も年収が増加したのは「運用(ファンドマネジャー/ディーラー/アナリスト)」で52万円の増加。アベノミクスによる株価や為替の上昇、2014年スタートのNISAの影響による、運用の活発化が背景にあると考えられます。
また、今回目立ったのは製造業の技術系職種の平均年収の増加です。前年よりも大幅に年収が増加した「生産技術」(+45万円)、「セールスエンジニア/FAE」(+43万円)をはじめ、製造業の技術系職種は軒並み前年より年収が増え、製造業復活の動きが見受けられます。

アベノミクス効果により、金融、メーカーで年収増加

■業種別
業種別の平均年収では、1位は「投信/投資顧問」(784万円)、2位が「医薬品メーカー」(640万円)で、トップ2は前年と同じ顔ぶれとなりました。

前年と比較すると、最も増加しているのは「マーケティング/リサーチ」で前年比44万円。企業が販路拡大や新商品の開発、グローバル展開などに積極的になり、市場調査やマーケティングの需要が増えたことが影響していると考えられます。

さらに、前年比で増加幅の大きい業種トップ10を見てみると、金融系とメーカー系で各4業種がランクインしています。メーカーでは、特にスマートフォンやタブレットの普及により、「通信/ネットワーク機器メーカー」(+36万円)、「コンピューター/OA機器メーカー」(+29万円)で増加が目立ちます。その他にも、新興国や資源国への展開が拡大している産業機器や建設機器メーカー、円高などの追い風を受けて各社で過去最高の生産台数を記録した自動車メーカーなど、電気/電子/機械系のメーカーは軒並み増加しています。

神奈川県が1位、9位までは関東圏が独占。女性は石川県が3位に

■都道府県別
都道府県別の平均年収では、1位は「神奈川県」の480万円。次いで2位は「東京都」(470万円)、3位に「栃木県」(453万円)と、9位までは関東圏が続き、10位に初めて関東以外の「長野県」(439万円)がランクインしています。一方、最も平均年収が低いのは「沖縄県」の343万円。次いで「長崎県」(356万円)、「高知県」(368万円)が続きます。

前年と比較すると、年収が高い都道府県ほど増加しており、年収の低い都道府県ほど前年より減少している傾向があり、都道府県による年収の格差は広がっているようです。

また、今回の結果で特徴的だったのが、全体では28位の「石川県」が、女性では3位にランクインしている点です。石川県は女性の就業率が全国で最も高く(2013年版『石川100の指標』より)、結婚、出産などで中断することなくキャリアを築いていく女性が多いことが背景にあると推察されます。

年功序列型の崩壊!? 35歳未満の年収が増加


■年代別
年代別の平均年収では、20代が349万円(前年比+6万)、30代は458万円(前年比±0)、40代が598万円(前年比-10万円)、50代が756万円(前年比+2万円)と、20代の増加が目立ちます。また、1歳毎にみると、35歳未満は全年齢で年収が増加している一方、35歳以上50歳未満はほぼ全年齢で減少。特に40代の平均年収は調査開始の2007年以来、ほぼ一貫して減少しています。

これは、企業の給与体系が年功序列型から成果報酬型へ切り替わりつつあることの表れと言えそうです。年金受給年齢の引き上げに伴う定年の延長が進む中、年功序列型の給与体系を見直す企業は増加が続くとみられ、年功序列の崩壊は今後一層顕著になっていくでしょう。

ミドル層以上の年収増加が抑制される傾向にあるため、平均年収は景気変動による多少の増減はあれども、長期的には減少が続いていくとみられます。年功による年収増が見込めなくなる中、今後はミドル層以上でも自分の市場価値を適正に見極め、スキルアップを図る必要性が高まるでしょう。反面、成果型報酬型の給与体系の普及により、若手層であっても能力や成果次第で高年収が狙える環境は今後も拡大していくと予測されます。


【調査概要】
・調査対象:2012年10月〜2013年9月末までの間に、DODA転職支援サービスにご登録いただいたホワイトカラー系職種の男女
・雇用形態:正社員
・サンプル数:約10万件

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