「ミドル層が成長できる企業の見極め方」についての調査(転職コンサルタント対象) 

2014年11月25日
エン・ジャパンが運営する『エン転職コンサルタント』上で、転職コンサルタント100名を対象に「ミドル層が成長できる企業の見極め方」についてアンケート調査を行いました。

【調査結果概要】
少子高齢化・年金受給年齢の引き上げなど、これまでよりも長い期間働き続けることが必要になっている昨今。定年年齢引き上げなどの雇用延長施策が各企業に求められていますが、雇用される側も、長く働き続けるための能力やスキルを保有する市場価値の高い人材でいる努力が重要と言えるでしょう。

既に社会人経験を10年以上積んでいる転職希望のミドル層にとって、年齢以上に経験や能力を重視して採用を行なう現在の転職市場は、チャンスとも言えます。では、今後も「自身の市場価値を高められる企業」はどのように見極めれば良いのでしょうか。多くの求職者を転職成功に導いてきた転職コンサルタント(転職支援のエキスパート)100名に「ミドル層が成長できる企業の見極め方」について伺いました。成長を実現できる企業の環境は、「個人の裁量権が広い」「企業の目標・ビジョンが明確」「経営者にリーダーシップがある」などが挙げられました。成長できる業界は、専門性やマネジメント能力が鍛えられる「メーカー」「建設・不動産」や未成熟な組織であるがゆえに個人裁量が広いことの多い「IT・インターネット」という結果に。企業のタイプは、変化スピードの早さや1人に多くの業務を求められることから「ベンチャー企業」と積極的な海外進出からチャンスの機会が多い「日系グローバル企業」に意見が集中しました。

【調査結果詳細】

1:ミドル層が成長できる環境は裁量権の広い社風と明確な経営戦略。

転職支援のエキスパートである転職コンサルタントに「ミドル層が成長を実現できる企業はどのような環境が多いですか」と伺いました。もっとも多かった意見は「社員一人ひとりの裁量権が広い」(62%)こと。『裁量があるほど発揮できる力の幅や厚みが出てくる』『個人が自ら考えて行動することができる』『従来の横・縦割り、保守的な組織では成長は見込めず、グローバルにも戦えない』という理由が挙がっています。第2位「企業の目標・ビジョンが明確」(53%)、第3位「経営者にリーダーシップがある」(44%)は、いずれも経営戦略の重要性を指摘しています。『経営者・管理職がビジョンやミッションを基にリーダーシップを発揮し、裁量権を持たせることでモチベーションが上がり、能力発揮と責任感を強くし成果を上げるプラスの連鎖が期待できる』『企業の目標・ビジョンと、その方の保有スキルとが明確に合致する場合、更なる成長を実現できる』『既にある知識を明確なビジョンへ活用できるため』『経営者がしっかりした方向性を指し示せないと、他社経験のあるミドルは使いこなせない』『慣例にとらわれずミドル層の経験を活かそうとするリーダーシップは大切な要素』などが理由として挙げられています。

上記のような企業で活躍する方法を探るため、「成長できる環境のある企業は、社員にどのようなことを求めますか」と伺いました。第1位は「チャレンジングな目標掲示と、達成への強い執着心」(68%)、第2位は「主体的に自分を成長させようとする姿勢」(67%)、第3位は「慣習にとらわれない柔軟な思考」(53%)でした。『成長=変革が求められる』『圧倒的成長を求める企業は、大抵多くの負担を社員に課す』『現状を打破するためのインプットとアウトプットを推奨する環境が成長環境』というコメントが寄せられています。成長は自身で高い目標を課し、能力以上を発揮しようとする際に促進されるものであることがうかがえます。

2:ミドル層が成長できる業界は「メーカー」「建設・不動産」「IT・インターネット」「コンサルティング」。

「ミドル層が成長を実現できる企業はどのような業界に多いですか」と伺いました。第1位は「メーカー」(43%)、第2位以下はほぼ同率で「建設・不動産」(32%)、「IT・インターネット」(31%)、「コンサルティング」(30%)という結果に。「IT・インターネット」以外は高い専門性が求められるため、実績に応じたスキルがあれば活躍できる環境があることが理由として挙げられました。「IT・インターネット」は成長過程で裁量権も広いケースが多く、企業とともに自身も成長できると期待されています。

具体的には、メーカーを選んだコンサルタントからは『知識・技術など専門性が高いスキルが重視される傾向がある。社員の平均年齢も比較的高い企業が多く、年齢が高くなるといづらくなる環境ではなく、マネジメントや経営企画・事業企画などキャリアを磨ける機会もあるのではと拝察します』『これまでの蓄積したノウハウは製造業がより年功的な厚みが大きいため(サービス業、IT業では変化が早くミドルの知識経験はすぐ陳腐化)活用しやすい』「建設・不動産」を選んだコンサルタントからは『マネジメントでなくリテール営業や施工管理は年齢不問に近い求人ある』『経験実績に裏打ちされた知識・ノウハウが生かせるから』、「コンサルティング」を選んだコンサルタントからは『今までの実務経験(営業・マーケティング・財務他)を生かして中小企業の経営指導することが可能』などのコメントが、それぞれ寄せられています。「IT・インターネット」を選んだコンサルタントは『成長過程にある企業があるため、組織の成長と共に自身も成長できる』『成長を阻む組織内ルールがメーカー等は多く有る。IT業界はベンチャーが多い為、成長を実現できるフィールドが沢山あるため』とコメントしています。

3:ミドル層が成長できる企業のタイプは「ベンチャー企業」と「日系グローバル企業」。

「ミドル層が成長を実現できる企業はどのようなタイプの企業が多いですか」という質問では、第1位が「ベンチャー企業」(48%)、第2位が「日系グローバル企業」(47%)、第3位が「外資系企業」(40%)となりました。「ベンチャー企業」は組織が未熟なため、経験豊富な幹部候補社員が必要とされていることが要因です。具体的には『変化に対するスピードを持った対応力がある。上場・大企業は物事の決定に時間がかかりすぎる』『少人数でなんでもこなさなければいけないが、若手より経験豊富で、意識があって工夫できる人は成長できる』『中小ベンチャー企業側が急激な成長に伴い、幹部の人材不足に陥り、若手社員の採用よりもミドル層のマネジメント力をもった幹部社員の採用を強化している』という状況があるようです。「日系グローバル企業」は、海外拠点が多数あるため、新たなチャレンジをする機会が多いことが理由として挙げられています。具体的には『国内では難しくても海外なら組織のトップのポストがある』『海外展開がある企業は、駐在などの管理職クラスで経験を発揮できる機会が多い』『海外に販路を求める中小企業で大手企業での海外進出のノウハウが活かせる』など、いずれもマネジメント経験を前提として、過去の経験を活かして成長できる環境があるようです。

4:成長できる企業を見極めるためのポイントは「経営者の志向」と「経営戦略」。

「成長できる企業を見極めるためのポイントを教えて下さい」と質問をしたところ、「経営者の志向」「経営戦略」というアドバイスが寄せられました。下記、具体的なコメントを紹介します。

【経営者の志向】
◎次の3点を面接時に確認して、企業選択が必要。更に、転職コンサルタントからも、情報を入手すべきです。(1)経営者の事業に対する情熱と、将来のビジョン及び、現実に対する見通し。 (2)経営者と経営層の幹部社員の事業展開の方向が、同じ方向で活動しているか (3)社員に対するスタンス
◎どれだけ現場に権限が委譲されているか。トップが口を出していないか。中間管理職がトップの顔色をうかがって、現場・若手にブレーキを掛けるような社風でないかどうか。
◎経営者・組織が明確なビジョンとゴールを掲げられているかが重要。目先の予算達成、利益に執着していても人はついてゆけない、モチベーションを維持できないため。
◎意思決定が早く、チャレンジ精神旺盛で、失敗したことを咎めるのではなく、チャレンジしないことを咎める社風の会社は、社員が成長できるかもしれません。
◎個性を尊重できる、人を大事にする、トップダウンではなく、実力で正当に評価する環境。

【経営戦略】
◎経営状態をできるだけ調べ、求める仕事環境に合っているか判断すること。また面接の際に、担当する仕事の範囲・ステップアップの可能性・評価方法について確認し、それに対し納得できる説明を得られるかどうか、がポイントになると思う。
◎TOPの戦略、経営方針、狙いの市場が明確で、強み(製品・サービス)が市場から見ても納得できるものかどうかの自己判断。
◎その会社の戦略が、外部・内部環境に整合しているか。自分が関わることになる部署はその戦略の重要な一要素であるか。
◎会社の存在に社会的意義はあるか。競合と差別化を図れるサービス、製品があるか。
◎成長分野へビジネスが向いているか。常に新しいやり方、ビジネス目標を掲げているか。


【調査概要】
調査方法:インターネットによるアンケート
調査対象:「エン転職コンサルタント」を利用している転職コンサルタント 100名
調査期間:2014年9月1日~2014年9月12日
※本調査では、ミドル層は35歳以上の求職者を想定しています。

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