事業継続マネジメント調査2014 

2014年11月26日
KPMGコンサルティングは、事業継続マネジメント(BCM:Business Continuity Management 以下、「BCM」)に関する調査を実施し、その結果をまとめた。
本調査は、BCMに関わる動向や課題を明らかにし、各企業において、より効果的かつ効率的なBCMを整備・運用するための情報を提供することを目的として、2002年より隔年で調査を実施しており、今回で第7回目の調査となります。

今回の調査報告においては、一部の項目について、KPMG LLP(米国)が、Continuity Insights社 と共同で実施した、BCMに関する国際調査(”The 2013-2014 Continuity Insights and KPMG LLP Global Business Continuity Management (BCM) Program Benchmarking Study”(以下、「海外BCM調査」とする)の結果との比較を行いました。

【主な調査結果】

BCMへの取組みは多くの企業で浸透しつつある

・97%の企業が、事業継続計画(Business Continuity Plan以下、「BCP」)について、現在あるいは将来的に必要であると認識している。
・77%の企業がBCPを策定済であり、また20%の企業が策定中あるいは策定を予定している。
・68%の企業が、事業継続に関する訓練を実施している。
・74%の企業が、安否確認システムを導入・構築している。
・非常時用の食糧・飲料水については、備蓄していない企業の割合が減少し、備蓄している企業(8割超)においては、備蓄量が上昇傾向にある

今後の課題

・BCPに関する訓練としては、安否確認(76%)および緊急対策本部の立ち上げ(46%)が多く、より実務に近い範囲での訓練の実施割合は低い水準にとどまっている。
・委託先や取引先に対してBCPに関連した要請を行っていると回答した企業の割合は、2012年調査時とほぼ同じ65%であり、委託先・取引先との連携に関しては、ほとんど取組みは進んでいない。

海外拠点におけるBCP

・52%の企業が、海外拠点用BCPについて、現在または将来的に必要と考えている。
・海外拠点用BCPとして策定されているBCPは、感染症のまん延の16%、風水害の14%、地震・火災・情報システム障害の12%など、全体的に低い割合にとどまっている。

サイバー攻撃に対するBCP


・73%の企業が、サイバー攻撃を想定したBCPについて、現在または将来的に必要と考えている。
・サイバー攻撃に対するBCPを策定している企業の割合は17%で、策定中・予定を加えても44%にとどまっている。

海外BCM調査結果との比較

・海外BCM調査の結果では、74%以上の企業が専従の事業継続担当を配置しているのに対し、日本では23%にとどまっている。
・日本における事業継続の専従担当者の経験年数は5年未満が63%を占めている。位置付けは異なるが、海外BCM調査の結果では、BCM推進責任者の経験年数は、5年以上が67%を占めている。

前回の調査から2年が経過しましたが、東日本大震災以降も、豪雪による交通やサプライチェーンの混乱、豪雨による大きな被害、サイバー攻撃の増加、大規模な情報漏えいの発生など、事業の継続性に影響した、あるいは影響する可能性のあった災害や事故、事件などが発生しています。企業においては、こうしたさまざまな事象を念頭に置き、将来のリスクへの備えとして、継続的にBCMに関する取組みを推進することが求められているといえます。


【調査概要】
調査対象:4,874社(国内の上場企業および売上高500億円以上の未上場企業の総務部門長)
調査方法:郵送による質問票送付形式
有効回答総数:313社
有効回答率:6.4%
調査期間:2014年8月11日~2014年9月10日

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[KPMGコンサルティング]
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