シェアリングエコノミーに関する調査~マッチングサービスの利用意向について~ 

2015年01月23日
JTB総合研究所は、「シェアリングエコノミーに関する調査~マッチングサービスサイトの利用意向について~」をまとめました。

最近「シェアリングエコノミー」という言葉を頻繁に目にするようになりました。シェアリングエコノミーとは共有型経済といわれ、モノやサービスの所有者が利用者に提供、共有することで成り立つ経済のしくみの一つです。欧米で急成長し、日本でも広がっています。このビジネスモデルに、提供者と利用者をつなぐマッチングサービスサイトがあります。「空き部屋マッチングサービス(Airbnb、カウチサーフィン)」、「駐車場(軒先パーキング)」、「食卓マッチング(キッチハイク)」、「宿泊場所と労働力(WWOOFなど)」などがその代表です。

これらはまだ法整備やガイドラインが定まっていないケースが多く、提供者や利用者が安心して利用するための課題が多いのが現状です。一方「新しい消費のカタチ」という観点では、国内の利用実態はほとんど知られていません。今回当研究所は、ソーシャルメディアと多様化する人々の価値観の中で生まれた新しい消費行動という観点から、マッチングサービスサイトがどう認知され、浸透する可能性があるのか、特に旅行と関わる空き部屋マッチングサービスを中心に調査をしました。

【調査結果概要】

◆ 100人に1人がマッチングサービスを経験
-空き部屋、駐車場など各サイト「知っている」は5%未満。経験率(利用・提供)は1.2%~1.6%

◆ ここ1年で利用者が大きく伸びた「空き部屋」マッチングサービス
-初めての利用は1年以内が30.5%。1~2年以内が16.0%
-国内の利用回数は、52.5%が1回のみ。20代、30代男性の利用が多い

◆ 訪日外国人旅行者の利用が多い
-国内の空き部屋提供者に聞いた利用者の居住地は、欧米30.9%、日本29.8%、アジア21.7%

◆ 利用も提供も、「安心」と「手続きが簡単」がキーワード
-利用者の条件は「予約の手続きが簡単」「支払面での不安がない」「現地でのトラブルの不安がない」
-提供者の条件は「利用者とのトラブルのヘルプサービス」「法律などの整備」「予約手続きが簡単」

【スクリーニング調査結果から】

<各マッチングサービスの認知度、経験について>

各マッチングサービスサイトの認知度は5%程度。経験(利用・提供)はほぼ100人に1人
無作為の58,017名を対象としたスクリーニング調査で、代表的4つのマッチングサービスサイト、「空き部屋(Airbnb、カウチサーフィンなど)」、「駐車場(軒先パーキングなど)」、「食卓(キッチハイクなど)」、「宿泊場所と労働力(WWOOFなど)」の認知度、経験率を調べました。いずれのサイトも「知っている」は5%未満で、経験(利用・提供)率は、1.2%~1.6%程度でした。概ね100人に1人がマッチングサービスサイトの経験があるということになります。中でも駐車場マッチングサービスが認知度も経験率も最も高い結果となりました。

スクリーニング調査で認知度が低いことを想定し、最初に利用・提供の意向を聞いた後に、各マッチングサービスサイトの説明文を読んでもらい、その後改めて質問して意向の変化を調べました。その結果、利用も提供も説明後に意向が上昇しましたが、特に利用の意向は大きく上昇しました。

空き部屋マッチングサービスを通じ施設を利用した人は、国内宿泊は79.7%、海外宿泊は40.5%
ここで旅行に関わる空き部屋マッチングサービスサイトの利用状況について詳細を調べてみました。利用者全体の中でみると、利用場所としては、国内が79.7%と海外の40.5%と比較して高く、また、利用サイトとしてはAirbnbが最もよく使われている結果となりました。

空き部屋マッチングサービスの経験者(利用・提供)は男性が多く、年代別では20代~30代が多い
未経験で今後の利用・提供の意向が高い人は性別では女性、年代別は40代以上
利用者のプロフィール(性別、年代、婚姻状況)は、図6~9の通りです。特に20代男女と、30代男性の経験率が高くなっています。未経験者で利用・提供意向がある人は女性が高く、また年代別では各年代の差は減少し、40代以上の意向も高くなっています。


【調査概要】
○調査方法:インターネットアンケート調査
○調査対象者:
(スクリーニング調査)全国に住む20歳から69歳までの男女 58,017名
(本調査)スクリーニング調査回答者の中で、以下のそれぞれに該当する20歳から69歳までの男女を抽出 計2,180名 (*下記4つの該当者には重複があります。)
 ・空き部屋マッチングサービスの利用者 255名
 ・空き部屋マッチングサービスの提供者 272名
 ・空き部屋マッチングサービスの利用意向者 1,730名
 ・空き部屋マッチングサービスの提供意向者 848名
○調査期間:2014年11月5日~12月2日

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