外食・中食 調査レポート(外食・消費者の健康意識) 

2015年01月30日
外食・中食市場情報サービス『CREST』を提供するエヌピーディー・ジャパンは外食・消費者の健康意識について調査・分析しました。

2014年7月に中国の大手食肉加工会社が日本のチェーンに対し賞味期限切れの食材を使用していたことがニュースになって以降、12月には食品への異物混入が相次ぐなど改めて食の安全に大きな注目が集まっている。
今回のレポートでは、外食における消費者の健康意識に関する、2014年上半期(1-6月)と下半期(7-12月)の変化をエヌピーディー・ジャパン(株)が提供する外食・中食市場情報サービス『CREST*1』から探ってみる。

【調査結果】

■14年下半期、外食における健康意識が高まった
まずはじめに2014年の上半期と下半期で、外食する消費者の健康意識*2について5段階評価のうち「健康を常に・時々意識している(Top2Box)」の比率を比較してみる。

2014年全体のTop2Box比率は52.3%で、この比率は上半期と比べ下半期は+1.7pts上昇した。2014年7月以降、世間を騒がせている食品の偽装問題や異物混入問題などの影響が伺える。

■食材へのこだわりが高まる。カギは「国産」「安全」
では消費者は、日々健康について具体的にどんな意識をしているのだろうか。外食した消費者が「健康について日々どのような意識をしているか」複数回答で調査した結果を上半期と下半期で比較した。

外食する消費者が2014年下半期に健康で最も意識しているのは「朝食を食べる(58.5%)」で、「野菜を食べる(47%)」が続く。その他項目で下半期伸びたのは「国産のものを食べる(+1.6pts)」と、「多少値段が高くても安全な食材(+1.2pts)」の2つで、ここでも7月以降のニュースの影響が垣間見れ、健康意識の中でも、特に安全な食材を求める傾向が強くなっていることがわかる。

さらに外食する消費者の店舗選択理由(MA)をCRESTで分析すると、「食べ物の質が良いから」は3.6%で30ある選択肢の内上位10位内にも入らず、その推移もほぼ横ばいであった。このことから、消費者の健康志向、食材の安全志向が高まる一方で、そのポイントが外食時に消費者の来店理由になることはまだ比較的少ないようだ。(特典データ)

■健康意識の高い女性、ドライバーは女性50代+
消費者の高まる健康意識は、一体どの属性がドライバーなのか。図表3は外食市場で国産または安全な食材を意識していると回答した人を合算し、その喫食者の性年代比率を分析したグラフである。

外食全体の男女比では男性の比率が高いものの、国産または安全な食材を意識する喫食者に絞ると女性比率が高まる。年代別では、特に女性30代以上のシェアが外食全体と比べて+15.4ptsも高く、中でも特に女性50代以上の影響力が大きいことが特徴だ。

さらに1食機会の平均支払金額に注目すると、通常外食全体では男性30代以上の支払金額が全体よりも多い傾向だが、「安全または国産の食材」を意識している喫食者に注目すると、男性30代以上に加えて「女性50代以上」の支払金額が高くなる傾向であることは興味深い。

今後外食における売上拡大の要素の一つとして、「国産または安全な食材」というキーワードに反応する女性50代以上に選んでもらえるメニュー展開やプロモーション戦略は、新たに取り組む価値がありそうだ。昨今のニュースから消費者の健康意識が高まる中で、いかに彼らのニーズを満たし客数や客単価を伸ばせるか、各社の取り組みに注目したい。

*1 CRESTとは
外食・中食市場において「いつ、誰が、どこで、何を、どのように食べ、どの程度満足したか」など消費者のあらゆる喫食動態データを、1年365日、直接消費者から収集し、年間13万を超えるサンプル数を元に調査分析できる情報サービスです。(海外各国版もご用意)
詳細は http://www.npdjapan.com/service/food.html

*2 消費者の健康意識とは
CRESTの調査票の中で、外食や中食をする際、健康を意識して料理を選ぶ程度を聞いている分析項目

*3 食機会数とは
外食・中食を利用した延べ食機会(朝/午前の間食/昼/午後の間食/夕/夜の間食)数

*4 MAとは
Multiple Answers. 複数回答している質問項目

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[エヌピーディー・ジャパン]
 マイページ TOP