第4回「ビジネスパーソン1000人調査」(ダイバーシティ) 

2015年02月10日
日本能率協会グループは、全国のビジネスパーソン1000人に対して意識調査を行いました。この調査は働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。

今回、人材の多様性について聞いたところ、外国人・女性管理職・シニア人材・障がい者と一緒に働いている人の半数以上は職場に何らかの影響があると感じていることがわかりました。「アイデアの広がり」や「価値観尊重」「助け合いの風土」を感じていますが、女性管理職に対しては「気を使うことが増える」という回答が最多です。
また、ポジティブな影響については、一緒に働いていない人のイメージを上回る効果を実感しているという結果が得られました。

【調査結果サマリー】

1.大企業を中心に進む人材の多様化。
女性が「女性管理職」と働き、60代が「シニア人材」と働く傾向。人材配置には偏りもうかがえる

2.一緒に働いている人の半数以上は、多様な人材が職場に与える影響を実感している。
外国人は「アイデアの広がり」、シニア人材は「価値観尊重」、障がい者は「助け合いの風土」。しかし、女性管理職は「気を使うことが増える」という回答が最多に

3.一緒に働いている人の「実感」と、働いていない人の「イメージ」にはギャップあり。
ポジティブな効果については、おおむね期待以上の実感が得られている

4.女性管理職と働いている男性(28.3%)は、女性(17.5%)よりも「気を使うことが増える」と実感。一緒に働いていない男性がイメージ(20.0%)するよりも多くの人が感じている

5.多様な人材と一緒に働いている人の3割強は、職場への影響は「特にない」と感じている

【調査結果】

1.大企業を中心に進む人材の多様化。
女性が「女性管理職」と働き、60 代が「シニア人材」と働く傾向。人材配置には偏りもうかがえる


職場で共に働く人(同じ会社内であっても、仕事上の接点がない人を除く)の多様性について聞いたところ、「外国人」がいる人は 14.2%、「女性管理職」がいる人は22.6%、「60 歳以上のシニア人材(役員・経営者を除く)」がいる人は 38.1%、「障がい者」がいる人は 12.2%でした。「該当する人はいない」(外国人/女性管理職/シニア人材/障がい者の誰も職場にいない)人は 44.6%でした。

勤務先の従業員規模別に回答を見ると、「女性管理職」「障がい者」と働いている人の割合は規模に比例して増えます。
「該当する人はいない」(外国人/女性管理職/シニア人材/障がい者の誰も職場にいない)という回答をに着目すると、勤務先の従業員規模が 5000 人以上の回答者は 30.8%と低く、大企業を中心に人材の多様化が進みつつあることがうかがえます。
一方、勤務先の業員規模が 100 人未満の回答者の半数以上(56.4%)は、外国人/女性管理職/シニア人材/障がい者と一緒に働いていません。

性別に回答を見ると、「女性管理職」のみ顕著な差がみられ、男性(19.1%)よりも女性(27.0%)が多くなっています。
年代別に回答を見ると、「シニア人材」と働く人は年齢が上がるにつれて増え(20代 27.0%、30 代 31.4%、40 代 34.5%、50代 37.6%)、60 代では 68.3%と格段に多くなります。また、「外国人」と働いている人は 30 代~60 代では 12%~13%台にとどまるのに対し、20 代は 21.4%にのぼります。

2.一緒に働いている人の半数以上は、多様な人材が職場に与える影響を実感している。
外国人は「アイデアの広がり」、シニア人材は「価値観尊重」、障がい者は「助け合いの風土」。
しかし、女性管理職は「気を使うことが増える」という回答が最多に


外国人/女性管理職/60 歳以上のシニア人材(役員・経営者を除く)/障がい者と一緒に働くことで職場にどのような影響があると思うか、実際に働いている人にはその実感を、働いていない人にはイメージを聞きました(複数回答)。
「外国人」と働いている人(142 人)の 62.7%は職場への影響を感じており、その内容は、1 位「仕事のアイデアの幅が広がる」(26.8%)、2 位「相手の価値観を尊重する」(19.0%)、3 位「気を使わなければならないことが増える」(18.3%)でした。
「女性管理職」と働いている人(226 人)の 56.2%は職場への影響を感じており、その内容は、1 位「気を使わなければならないことが増える」(22.6%)、2 位「仕事のアイデアの幅が広がる」(19.5%)、3 位「相手の価値観を尊重する」(13.3%)でした。
「シニア人材」と働いている人(381 人)の 55.9%は職場への影響を感じており、その内容は、1 位「相手の価値観を尊重する」(18.1%)、2 位「助け合いの風土が生まれる」「気を使わなければならないことが増える」(同率 15.7%)でした。
「障がい者」と働いている人(122 人)の 59.0%は職場への影響を感じており、その内容は、1 位「助け合いの風土が生まれる」(32.0%)、2 位「気を使わなければならないことが増える」(19.7%)、3 位「フォローのために自分の仕事が増える」(18.9%)でした。

3.一緒に働いている人の「実感」と、働いていない人の「イメージ」にはギャップあり。
ポジティブな効果については、おおむね期待以上の実感が得られている


多様な人材が職場に及ぼす影響を聞いた質問で、一緒に働いている人の回答(実感)と、一緒に働いていない人の回答(イメージ)を比べました。両者の回答で 5 ポイント以上差があったのは、外国人に対しては「協調性が高まる」(一緒に働いている人 16.2%>働いていない人 9.9%)、女性管理職に対しては「仕事のアイデアの幅が広がる」(同 19.5%>同 10.6%)、シニア人材に対しては「相手の価値観を尊重する」(同 18.1%>同 9.2%)、「仕事のアイデアの幅が広がる」(同 15.0%>同 9.5%)、障がい者に対しては「助け合いの風土が生まれる」(同 32.0%>同 26.4%)でした。

4.女性管理職と働いている男性(28.3%)は、女性(17.5%)よりも「気を使うことが増える」と実感。
一緒に働いていない男性がイメージ(20.0%)するよりも多くの人が感じている


多様な人材が職場に及ぼす影響を聞いた質問のうち、「女性管理職」に対する評価だけ「気を使わなければならないことが増える」というネガティブな回答が最多となりました。
この項目を性別に見てみると、一緒に働いていない人がイメージで答えた回答は、男性 20.0%、女性17.0%と顕著な差はありません。
しかし、一緒に働いている人の回答は、男性 28.3%、女性 17.5%と明確な差がでました。

5.多様な人材と一緒に働いている人の 3 割強は、職場への影響は「特にない」と感じている

外国人/女性管理職/60 歳以上のシニア人材(役員・経営者を除く)/障がい者と一緒に働いている人は、それぞれ 3 割強が職場への影響は「特にない」と回答しています。
様ざまな人材が職場に溶け込み、属性で区別していないからとも考えられますが、人材の多様化がもたらすポジティブな効果も、特段、感じられていない人がいるということも事実です。


【調査概要】
・調査名称:第4回ビジネスパーソン1000人調査
・調査期間:2014年12月1日(月)~8日(月) 8日間
・調査対象:(株)日本能率協会総合研究所「JMAR リサーチモニター」のうち全国の 20歳~69歳までの正規・非正規雇用の就業者(企業や団体で働く正社員、役員、経営者、契約・嘱託社員、派遣社員。ただしパート・アルバイト、医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
・調査方法:インターネット調査
・回答数:1,000 人(内訳:男性 556 人、女性 444 人) ※回答は小数点第 2 位を四捨五入

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[日本能率協会]
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