「CEOレピュテーションの付加価値」に関する調査(19カ国の管理職対象) 

2015年03月06日
世界81か国でPRコンサルティングを提供するウェーバー・シャンドウィックは、KRCリサーチ社と共同で、北米、欧州、アジア太平洋地域および中南米の19カ国1,700人以上の管理職を対象とする調査結果「CEOレピュテーションの付加価値:エンゲージメント時代を勝ち抜くために(原題:The CEO Reputation Premium: Gaining Advantage in the Engagement Era)」を発表しました。

調査結果では、管理職の81%が、コーポレート・レピュテーション(企業の評判・評価)の構築には、CEO(最高経営責任者)が、パブリック・エンゲージメント(CEOが一般消費者と関わりを持つこと)や企業の顔としてのCEOの認知度が、極めて重要になると考えていることが明らかになりました。

CEOレピュテーションが重要視されるようになってきた背景には、CEOとステークホルダーが数多くの場面で関わりを持つことを可能にするデジタル・コミュニケーションの普及とデジタル・コンテンツに対するニーズが一層高まっていることが考えられます。

ウェーバー・シャンドウィックのチーフ・レピュテーション・ストラテジストであるレスリー・ゲインズ-ロス(Leslie Gaines-Ross)は「CEOや管理職は、数年前までCEOの企業の顔としての認知度と注目度を混同していました。しかし現在着目されているのは、CEOの注目度ではなく、多様なチャネルを通じて構築されたCEOの信頼性が、企業価値を高めるという点です。企業の顔としてのCEOの認知度は、CEO本人がより明確な意思を持ち、より強い存在感を様々な方法で示していくことで向上させることができます」と述べています。

CEOレピュテーションはなぜ重要なのか

CEOレピュテーションが、企業の将来を左右するようになることは疑う余地なく、競合との厳しい競争に打ち勝つために、最も価値のある経営資産の一つに挙げられています。今回の調査でも、各国の管理職は、コーポレート・レピュテーションの約半分(45%)はCEOレピュテーションに起因すると考えています。さらに、その半数が、今後数年間でコーポレート・レピュテーションに及ぼすCEOレピュテーションの影響力はさらに大きくなると考えていることから、それらの関連性はますます強まることが予想されます。

CEOレピュテーションは収益性にも影響を与えています。管理職は企業価値のおよそ44%はCEOレピュテーションに影響を受けていると考えており、強固なCEOレピュテーションを構築することは人材の採用(77%)や人材流出防止(70%)にも非常に効果的であると回答しています。

ウェーバー・シャンドウィックのアジア太平洋地域コーポレート・クライシス・ヘッドであるタイラー・キム(Tyler Kim)は「今日では、CEOの対外エンゲージメントは企業価値を高める上で重要な要素となっています。本調査結果では、その重要性を認識するだけではなく好機ととらえ、積極的に社内外に向けてメッセージを発信し、周囲との新たな関わり方に取り組もうとする新しいタイプのCEOが現れ始めていることも明らかになっています」と述べています。

「謙虚さ」がCEOの評価要素に

CEOレピュテーションの重要性が高まっているものの、単にCEO個人のエゴや注目度を高めることがCEOレピュテーションの構築になるわけではありません。

私たちの調査では、2014年のCEOの「謙虚さ」に関する報道は、過去20年間で最も多く見られました。ゲインズ- ロスによれば、「謙虚さ」は今やCEOにとって必要不可欠な要素(“ニュー・グリーン”)と捉えられています。本調査でも、極めて評価の高いCEOが在籍する企業の管理職34%が「自社のCEOには謙虚さがある」と回答し、その割合はそれ以外の管理職(6%)の6倍近くとなっています。

一般消費者とのエンゲージメントがCEOの新たな任務に

CEOレピュテーションと対外活動には密接な関連性があります。極めて評価の高いCEO(50%)は、それ以外のCEO(13%)と比べ、4倍も多く社外でのエンゲージメントに努めていると考えられています。本調査では「時間的制限が多くリスクを最小化したいCEOにとって、どのコミュニケーションの場が最も重要と考えるか」という質問を行いました。その結果、管理職の大多数(82%)が、CEOと社外ステークホルダーの最も効果的な関わり方として、業界内外を問わない講演活動を挙げました。(その他の活動は以下を参照のこと。)

CEOの認知度向上ために重要なコミュニケーションの場--同意する(%)
・各種イベントでの講演(業界内外): 82
・ニュースメディアへの露出: 71
・自社ウェブサイトに顔写真やメッセージを掲載: 68
・一般消費者向けに新たな知見やトレンドに      
・関する情報を発信: 67
・地域コミュニティへの積極的な参画: 64
・公式動画チャンネルへのCEO動画の掲載: 63
・社外の活動でリーダー的地位に就く: 53
・社会の諸問題に対する立場の表明: 52
・ソーシャルメディアへの参加: 43
・政策や政治問題に対する立場の表明: 36

企業の目標や、将来のあるべき姿をCEO自らが語る需要が高まる中、CEOのコミュニケーションの場が豊富にあることを把握し、またそれらの活動を戦略的に選択し活用することは、全ての企業にとって有効と考えられます。

調査結果の地域差

・北米の管理職は、欧州、アジア太平洋、中南米に比べ、社内外のいずれにおいても自社のCEOが優れたコミュニケーターであると考える傾向が見られます。

・北米の管理職は他の地域に比べ、自社のCEOがメディア対応に抵抗がないとみる割合が大幅に高くなっているものの、今後この差は縮小することが予想されます。欧州では10人中4人(41%)、アジア太平洋と中南米ではほぼ半数(いずれも49%)の管理職が、数年前に比べ自社のCEOが積極的にメディア対応するようになったと回答しています。

・非常に強固なレピュテーションを構築できていると回答するカナダの管理職の割合(63%)は、調査対象国の中で最も高くなっています。

・インドネシア(87%)と中国(79%)の管理職は、今後数年間でCEOレピュテーションの重要性が高まることについて楽観視する傾向が見られます。


本調査について
本調査は、2014年にウェーバー・シャンドウィックとKRC
リサーチ社が共同で、北米、欧州、アジア太平洋、中南米の19カ国にある、年間売上5億ドル以上(または、地域ベースで同等規模)の企業の管理職(マネー
ジャー層からCEOを除く幹部層)1,700人以上を対象とし、インターネットによるアンケート調査を行ったものです。全体の標本誤差は±2%、信頼度は
90%です。アジア太平洋の対象国は、オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国です。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ウェーバー・シャンドウィック]
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