博報堂生活総合研究所は自分自身の身体に関する大量の情報「マイビッグデータ(※)」に関する意識調査を実施。

本調査は、ウェアラブル端末や遺伝子検査など、デバイスや解析技術の発展・浸透によって飛躍的に増加が見込まれる、これまで知ることができなかった自分自身の情報、マイビッグデータに対する生活者の意識について調査・分析をしています。マイビッグデータは、多くの生活者からは「自分が気づかない身体の状況を把握できる」「将来的な病気に対するリスクを事前に把握できる」など、生活の利便性を高める情報として認識されている反面、「知りたくなかった情報を知らされてしまう」「プライバシーが侵害される恐れがある」など、抵抗を示す姿も見受けられました。

(※)当リリースにおける「マイビッグデータ」とは、ウェアラブル端末で計測される活動量、脈拍データや、遺伝子検査で明らかになる病気リスクや潜在能力レベル、スマートフォンに蓄積される行動ログデータなどの、「自分の身体状態に関する大量のデータの集積」と定義します。

【調査結果のポイント】

●マイビッグデータ、約7割が「積極的に知りたい」と回答

●自分自身について知りたい情報TOP3は「体質(疲れやすさ、回復力など)」「カラダが求める睡眠・休息時間」「潜在的な能力レベル」

●親しい人について知りたい情報TOP3は「様々な病気の発症リスク」「日常生活の健康度合い」「疲労やストレスの度合い」

●積極派は「知ること自体が自信につながる」、消極派は「知らぬが仏」


【調査結果】

●マイビッグデータ、約7割が「積極的に知りたい」と回答

「今後の技術進歩により、あなた自身に関する様々な事柄が分かっていくとしましょう。そのような時代の流れを全体的に考えた時、あなたは自分自身の情報を知ることに興味を感じますか?それとも、不安を感じますか?」
マイビッグデータ時代に明らかになる様々な自分自身の情報について幾つかの例を紹介した後で、こんな質問を 1,500 名に投げかけてみたところ、合計 73.2%の人が自分自身の情報を知ることに「興味を感じ、積極的に知っていきたい」と回答しました。一方、「不安を感じ、できれば知らずにおきたい」という消極派も、26.8%存在しています。

●自分自身について知りたい情報 TOP3 は「体質(疲れやすさ、回復力など)」「カラダが求める睡眠・休息時間」「潜在的な能力レベル」


具体的にどのような自分の情報に関心が寄せられているのか、新しいテクノロジーによって明らかになるマイビッグデータを 16 種類に分けて呈示し、それぞれの情報について、「とても知りたい」、「やや知りたい」、「どちらともいえない」、「あまり知りたくない」、「まったく知りたくない」の 5 段階で回答を得ました。
「(とても+やや)知りたい」と回答した人の率で 16 個の情報をランキングにしたところ、高いニーズが示されたのは、「体質(疲れやすさ、回復力など)」、「カラダが求めている睡眠・休息時間」、「潜在的な能力レベル」などとなりました。自分のカラダの体質や能力、あるいは今この瞬間のカラダの状態について知りたいというニーズが高いことがうかがえます。

●親しい人について知りたい情報 TOP3 は「様々な病気の発症リスク」「日常生活の健康度合い」「疲労やストレスの度合い」

(配偶者や子供、親、恋人など)自分の親しい人についても、同様の情報を知りたいかどうか回答を得ました。
自分に関する情報では 4 位だった「様々な病気の発症リスク」が 1 位となったほか、「日常生活の健康度合い」、「疲労やストレスの度合い」についても高いニーズが示されました。家族など親しい人について気になるのは、その人の潜在的な病気リスクや日々の健康状態、疲れ具合など、「どのように、いつ、その人をいたわれば良いのかに関する情報」であることがうかがえます。

●積極派は「知ること自体が自信につながる」消極派は「知らぬが仏」

「マイビッグデータを積極的に知りたい」と回答した積極派の人からは、その理由として「知ること自体が自信につながる」、「客観的な情報で、正しい選択ができる」、「将来のリスクをきちんと把握したい」などといった声があがりました。また、知らない方が幸せかもしれないが「怖いもの見たさで知ろうとしてしまう」という意見も見られました。
一方、「できれば知りたくない」と回答した消極派の人からは、「知らぬが仏。知ってしまうと不安になる」、「感性や意志が揺らいだり、失ってしまいそう」、「情報漏えいが心配」などといった声があがりました。

マイビッグデータ積極派の主な意見

知ること自体が自信につながる

「自分自身が分からないことも多く、それによって更に自信が持てなくなっている。自分について色々なことが分かると、それだけで安心できそう」(30 歳・女性)
「客観的な分析結果を知ることによって、吹っ切れることも多い。割り切った考えが出来るようになりそう」(30 歳・男性)
「とりあえず知った上で考え、判断したい。知らないでいる、わからないでいることは、逆に不安を感じる」(39 歳・男性)

客観的な情報で、正しい選択ができる

「“自分の事は自分が一番わかっている”とよく言いますが、客観的に調べてもらえる方法があれば、知らなかった自分を知る機会にもなると思うので興味があります」(37 歳・女性)
「正しい自分自身の情報を手に入れることで、正しい選択をする確率や、人生をより豊かにする確率が増えると思う」(27 歳・男性)

将来のリスクをきちんと把握したい

「現在パーキンソン病を発症し、進行を遅らせるためにスポーツジムに毎日トレーニングに通っています。疾患を早く発見し積極的に立ち向かうべきでは。人生は一度です」(67 歳・男性)
「親族の中に難病指定の病気で苦しんでいる人がいるので将来に対する不安があります。自分の病気リスクを知る事で何かできる事があるのではと思います」(39 歳・女性)

怖いもの見たさで知ろうとしてしまう

「知らない方が幸せだとは思うのだが、隠されているものってやっぱ知りたい。怖いもの見たさ」(22 歳・女性)
「不安を感じやすい日本人には良くない時代の流れかもしれないが、知ることができるようになってしまったなら、知りたいと思う」(41 歳・女性)

マイビッグデータ反対派の主な意見

知らぬが仏。知ってしまうと不安になる。

「知らぬが仏。知ったところで、対処方法や解決方法が分からなければ、または分かったところで実践できなければ、知る意味があるとは言えない」(37 歳・女性)
「心配症なので、あれこれ考えて心身ともに疲弊しそう」(27 歳・女性)
「早いうちに対処すべき事柄を知ることができれば将来のためにもなるので、興味はあります。しかし、すべての事柄がわかってしまうと、不安によって将来の選択肢を減らしかねないと思います」(29 歳・女性)

感性や意志が揺らいだり、失ってしまいそう

「科学的に自分の情報を知るより、自分で感じたままに生きたい」(23 歳・男性)
「知ってしまうとこれからの人生がつまらないものになると思う」(29 歳・男性)
「自分の意志を失いそうで不安」(24 歳・男性)
「特に気にならないと思っていたことで、実はストレスを感じているとわかったら、余計にストレスを感じたりしそう」(24 歳・女性)

情報漏えいが心配

「とてもプライベートな情報なので、他人にだけは知られたくない」(32 歳・男性)
「その情報を知るのが自分と分析する会社だけだとは思えない」(37 歳・女性)
「自分の情報を他者が見ることで、人間関係に変化が起きたり、自分にとって不利益な状況に陥るのが怖い」(48 歳・女性)


【調査概要】
調査地域:首都40km圏、名古屋40km圏、阪神30km圏
調査方法:インターネット調査
調査時期:2015年5月
調査対象者:20歳~69歳男女
サンプル数:1,500人  (3地域の性年代別人口構成比に合わせ各500人を割付)

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