ピースマインド・イープの調査・研究機関である国際EAP研究センターは、約4万人の従業員に対するストレスチェックの結果データをもとに、高ストレス者の傾向分析を行いました。

労働安全衛生法の改正により、本年12月1日以降は企業に年に1回以上のストレスチェックの実施が義務付けられます。ストレスチェックは医師、保健師等によって実施され、ストレスチェックを受けた従業員の中から高ストレス者が選定されます。医師、保健師等は高ストレス者から面接指導が必要な従業員を判定し、面接指導が必要と判定された従業員が企業に申し出た場合には、企業は医師による面接指導を実施しなければなりません。

本調査は、上記の背景を受けて、ストレスチェック義務化後、面接指導の対象者となり得る高ストレス者がどれくらいの比率で存在するのか、またどのような傾向があるのかを明らかにするために実施したものです。

【調査結果のポイント】

1.ピースマインド・イープの約4万人の顧客従業員を対象とした調査結果では、高ストレス者の比率は全体の8.7%
高ストレス者の選定には、厚生労働省による「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(以下、マニュアル)にて示されている基準(※1)を用いました。

2.男性よりも女性、若手従業員ほど高ストレス者比率が高い
男女別の高ストレス者比率を見ると男性は7.5%、女性は10.8%でした。また、年代別では20代(20~29歳)の高ストレス者が10.2%、30代(30~39歳)では9.6%、40代(40~49歳)では8.9%、50代(50~59歳)では7.0%、60歳以上では3.7%と、年代が下がるほど高ストレス者比率が高くなる傾向にありました。

3.上司の部下対応に改善が必要な職場では、それらが良好な職場に比べ高ストレス者比率が約10倍
「上司のリーダーシップ(※2)」、「上司の公正な態度」、「ほめてもらえる職場」、「失敗を認める職場」といった、部下に対する上司の対応に関する項目で、改善が必要とされた職場では、それらが良好とされる職場に比べ、高ストレス者比率に約10倍の差が出ていることが確認されました(「良好」と判定された職場の高ストレス者比率:約2%~4%、「要改善」と判定された職場の高ストレス者比率:約30%~40%)。

【考察】

今回の分析により、男女差や年齢によって高ストレス者比率に差が生じていることが分かりました。また、職場における高ストレス者の数には、上司の部下に対する対応や職場の環境要因が大きな影響を与えていることが分かりました。高ストレス者の数を下げる対応策の例としては、若手従業員に対する自身のセルフケアの促進に加え、上司による部下のサポートなどのラインケア(※3) 対策などが有効であると考えられます。また高ストレス者の少ない職場を作るためには、組織風土や職場環境を改善するための対策が必要であることが示唆されました。

(※1) マニュアルでは約20万人のストレスチェック結果データに基づき全体の約10%が高ストレス者に該当するという基準が示されています。
(※2) ここでいう「上司のリーダーシップ」とは、部下の育成やキャリア形成に対して能動的な行動を取っていることを指します。
(※3) 職場の管理監督者が、部下のメンタル不調の予防と早期発見・対応を図り、部下の生産性の向上を目指すこと。


【調査概要】
・調査期間:2014年5月~2014年10月
・調査対象:ピースマインド・イープの「いきいき職場調査 ココロチェック」シリーズによりストレスチェックを行った団体から抽出された従業員38,028人

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[ピースマインド・イープ]
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