GABA(ギャバ)・ストレス研究センターでは、ストレスチェック制度導入に先駆け、ビジネスパーソンのストレス実態の調査を行いました。

【調査結果サマリー】

ビジネスパーソンの2.5人に1人が「9月病」
◎ビジネスパーソンの40.9%が「9月病」を実感。男性は46.2%、女性は53.3%で一般職(56.8%)に多い。
◎9月病の症状は、「疲労感」(79.9%)、「無力感」(62.5%)、「不安や焦燥感」(38.9%)、「イライラ」(34.8%)など。
◎9月病の原因は、「夏バテ」(65.4%)、「気温の変化による体調不良」(42.5%)と夏の暑さによる季節的な要因が大。

ビジネスパーソンの91.6%がストレスに悩み中、原因は職場関係
◎ビジネスパーソンの91.6%が心理的・精神的ストレスを感じている。
◎ストレスは職場で起きている!ストレスの最大の原因は「職場関係」(61.8%)。9月病の30代男性は72.3%にアップ。
◎職場で感じるストレスの原因は、「膨大な仕事量」(37.7%)、「上司との人間関係」(36.2%)、「給料が安い」(32.9%)、「同僚との人間関係」(29.7%)、「度重なる残業」(21.1%)など。9月病の人では「上司との人間関係」が原因第1位に。

ビジネスパーソンのストレス解消法はコーヒーやチョコなどのお菓子でお手軽に
◎残業時のストレス解消法は、「コーヒー・紅茶などを飲む」(50.4%)、「チョコなどのお菓子を食べる」(49.7%)。
◎9月病の人の残業時のストレス解消法は、「チョコなどのお菓子を食べる」(54.1%)がトップ。
◎女性(63.9%)だけでなく男性(42.6%)もチョコでストレス解消中。ビジネスパーソンのストレス解消はチョコが定番に。

【調査結果】

季節とストレス
秋は季節の中でストレスがいちばん感じにくい季節
しかし、9月のストレス度は高く、特にビジネスパーソンは要注意


厚生労働省「健康意識に関する調査」(平成26年8月発表)によると、国民の7割が「不安や悩み」(70.2%)があり、3人に1人が「ストレスが溜まる・精神的に疲れる」(36.3%)と答えています。このようなストレスフルな状況を改善すべく、改正労働安全衛生法の施行により、2015年12月からは従業員50人以上の企業を対象に、ストレスチェックの実施が義務付けられる「ストレスチェック制度」も導入されます。
現代人にとってストレスは上手くつきあっていかなければならない宿命のようなものですが、その実態はどうなっているのでしょうか。ストレスに関する調査を行いました。

まずはじめに、10代~60代のさまざまな職業の男女1,200人を対象に、ストレスを感じるかどうか聞くと、45.1%がストレスを感じており、職業別では「ビジネスパーソン」(49.5%)のストレス率が最も高いことがわかりました。
また季節別のストレスを聞くと、四季の中で「夏(6~8月)」(53.4%)が最もストレスを感じやすく、次いで「春(3~5月)」(46.1%)、「冬(12~2月)」(45.7%)と続き、「秋(9~11月)」(35.2%)はストレス度が最も低い季節となりました。
しかし、秋のストレス度を月別で見ると、9月のストレス度は42.4%と、10月(31.4%)や11月(31.9%)と比べて10ポイント以上も高くなっています。これを職業別で見るとビジネスパーソンのストレス度が46.5%と高く、性・職業別でも働く男性(47.5%)と働く女性(44.2%)のストレス度が最も高くなっています。
過ごしやすい秋の到来でほっとひと息つきたいところですが、9月のストレス指数はまだまだ高く、特に働く人たちにとっては、注意が必要な時期です。
そんな彼らを襲うのが「9月病」です。9月病とはもともと、夏休みが長いヨーロッパなどで、休みが終わってもなかなか仕事モードに戻れない人が陥る状態を指していました。日本では、春からのストレスがたまった上に、蒸し暑い夏に体力を消耗して心身に不調が出ることや、夏休みに今の環境や将来の姿を考えて不安になることなどを9月病と呼び、ビジネスパーソンに増加傾向があると言われています。
9月病の主な症状は、5月病と同じく、抑うつや無気力、疲労感、不安感、焦り、不眠や過眠などがあります。秋の初めに寝つきが悪くなったり、朝早くから目覚めたりするのは、9月病の前触れかもしれません。

ビジネスパーソンの「9月病」の実態
ビジネスパーソンの2.5人に1人は「9月病」
男性より女性、役職者より一般職に多く、疲労感や無力感を感じる


9月のストレス度が高く、9月病が増加傾向にあるビジネスパーソン。その実態を把握すべく、次に20代~40代の働く男女1,800人を対象に、彼らのストレス実態を調査しました。
まず、9月病の定義を提示し、実感があるかないかを聞くと、4割が「実感がある」(40.9%)と答えており、ビジネスパーソンの2.5人に1人が9月病経験者であることがわかりました。
9月病経験者(736人)の内訳をみると、男性(46.2%)より女性(53.8%)の方がやや多く、20代女性が19.6%と最多で、職位別では「一般職」(55.8%)に多いことがわかりました。
9月病の具体的な症状には、「疲労感」(79.9%)や「無力感」(62.5%)が多く、「不安や焦燥感」(38.9%)、「イライラする」(34.8%)、「頭痛」(30.8%)などがあげられました。
また、9月病の原因を聞くと、「夏バテ」(65.4%)が最多で、次いで「気温の変化による体調不良」(42.5%)と夏の暑さによる季節的な要因が大きいようですが、「夏休みボケ」(25.0%)や「休暇中に色々なことを考えてしまった」(20.9%)、「夏の楽しかった思いでが名残惜しくて」(13.6%)など夏休み明けのネガティブ思考も少なくありません。また、「上期末だから」(19.3%)や「急に仕事が忙しくなったから」(19.3%)などの仕事理由によるものもみられました。

ビジネスパーソンのストレス実態
ビジネスパーソンの91.6%が心理・精神的ストレスあり。
ストレスの原因は6割以上が仕事関係。


次に、9月病に限らず、ビジネスパーソンのストレスについて聞いてみました。「心理・精神的なストレスはない」と答えたのはわずか8.4%で、ビジネスパーソンの91.6%がなんらかのストレスを感じています。
普段感じるストレスの原因は、「仕事関係」(61.8%)が最も多く、「プライベート」(32.6%)の倍以上のストレス要因となっています。9月病を実感する人では62.6%が「仕事関係」がストレスの原因で、9月病を感じる30代男性では、7割以上が「仕事関係」(72.3%)によるものです。
次に、職場で感じるストレスの原因を聞くと、「膨大な仕事量」(37.7%)、「上司との人間関係」(36.2%)、「給料が安い」(32.9%)、「同僚との人間関係」(29.7%)、「度重なる残業」(21.1%)が上位にあげられました。
9月病の実感がある人では、全体1位の「膨大な仕事量」(42.1%)より僅差ながらも「上司との人間関係」(42.9%)に悩む人が多く、9月病を実感しない人(31.5%)と比べ10ポイント以上も悩みが深くなっています。
特に、9月病を実感する30代女性では50.8%と2人に1人が「上司との人間関係」に悩んでいます。

ビジネスパーソンのストレスサイン、ストレスタイム
イライラ、無気力、怒りっぽいがビジネスパーソンによくあるストレス症状
朝起きるのがつらくなったら、9月病のサインかも(?!)


ストレスが原因で感じる心理・精神的な症状を聞くと、「イライラしやすい」(58.9%)、「気力がわかない」(46.3%)、「怒りっぽくなる」(30.1%)、「落ち着かない気分になる」(26.8%)、「朝起きるのがつらい」(26.4%)が上位にあげられました。
9月病の実感がある人は、すべての項目を感じる人が多くなっています。「イライラしやすい」(67.0%)、「気力がわかない」(58.2%)と上位2つは全体と同じ順位ですが、全体5位の「朝起きるのがつらい」(37.9%)は3位に浮上しています。9月病の実感がない人と比較すると「気力がわかない」(9月病58.2%/実感なし38.1%)、「朝起きるのがつらい」(9月病37.9%/実感なし18.5%)は20ポイント前後の差があります。
いつものイライラに加え、気力がなく朝起きるのがつらいと感じるようになったら、9月病のサインかもしれません。

ストレスを最も感じる時間帯は「出社直後」(35.2%)と「残業時」(30.7%)で、仕事中より仕事の前後がストレスタイムのようです。
9月病を実感する人も 「出社直後」 ( 40.4%)と「残業時」(25.5%)がストレスタイムですが、「出社直後」のストレスは9月病を実感する人の方が高いのに対し、「残業時」のストレスは、全体平均(30.7%)や9月病を実感しない人(34.3%)の方が高くなっています。

ビジネスパーソンのストレス解消法
残業時のストレス解消法、コーヒーやチョコなどのお菓子でお手軽に
9月病を実感する人では「チョコでストレス解消」がトップ


前述の通り、ビジネスパーソンの3人に1人が「残業時」(30.7%)にストレスを感じていますが、残業時のストレス解消法を聞くと、「コーヒー・紅茶などを飲む」(50.4%)、「チョコなどのお菓子を食べる」(49.7%)、「トイレに行く」(31.1%)などがあげられました。9月病の有無で比較すると、9月病アリの方がストレス解消法も総じて高く、さまざまな解消法を試みているようです。また、9月病アリの人では、「チョコなどのお菓子を食べる」(54.1%)がトップとなっています。

9月病の実感があり、残業時のストレス解消法として「チョコなどのお菓子を食べる」と答えた人を性・年代別で見ると、「30代女性」が70.0%と最多となっています。女性の方がチョコ率は高め(63.9%)ですが、男性でも半数近くが「チョコなどのお菓子を食べる」(42.6%)と答えており、“残業時のストレスはお菓子で乗り切る”がビジネスパーソンの定番スタイルになりつつあるようです。

残業時のストレス解消にチョコなどのお菓子を食べると答えた895人に、1週間のお菓子にかける費用を聞くと、平均で821.0円となりました。9月病を実感する人のお菓子支出は1,033.8円となり、全体平均より212.8円、9月病を実感しない人(650.6円)より383.2円も多くなっています。
1週間のお菓子支出が最も多いのは部長職以上で平均で1,857.1円。残業時に自分では食べないのに支出額は多いことから、部下への差し入れなどが推測できます。また、男性(1,451.4円)の方が女性(794.5円)より倍近く高く、最も支出の多い20代男性(1,735.0円)と最も低い20代女性(691.8円)の間には1,000円以上もの差があります。残業時のお菓子事情は、お菓子男子が詳しいようです。

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[GABAストレス研究センター]
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