中小企業の年末賞与支給 実態調査 

2015年12月01日
エフアンドエム 中小企業総合研究所は、エフアンドエムクラブ会員企業に対し年末賞与の支給予定についての実態調査を行いました。

【調査背景】

2015年10月30日に一般社団法人日本経済団体連合会が発表した『2015年 年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)』では、全業種平均910,697円と、前年より3.13%のアップ。2014年に引き続き製造業は順調であり、非製造業も前年より4.64%という大幅なアップとなりました。日本経済全体が少しずつではありますが景気回復をしているということを表す結果でした。
大企業のこのような結果を背景とし、中小企業の実態について中小企業総合研究所では調査を行いました。

【調査結果】

<年末賞与支給割合 前期比較>

調査の結果、2015年 年末賞与を支給する企業の割合は、81.4%と前年を2.8ポイント上回る結果となり、景気回復は大企業だけでなく、中小企業にも反映された結果となりました。
2015年よりパートタイマー等 非正規社員への年末賞与・寸志支給状況の調査も開始しました。

<パートタイマー等年末賞与・寸志支給割合>

パートタイマー等に賞与・寸志を支払う予定がある企業は28%と正社員の賞与支給予定企業の3分の1の結果となりました。時間的制約などで自らパートタイマーという働き方を選択していますが、職務内容は正社員と同様というケースが近年増加しています。それに加え、2015年4月1日に改正されたパートタイム労働法では、『パートタイム労働者の公正な待遇の確保』が義務付けられていることも影響し、今後パートタイマー等に賞与を支払う割合は増えていくと予想できます。今後もパートタイマー等への賞与・寸志支給状況について、定期的に調査していきたいと考えております。

次に、正社員の年末賞与支給額の調査も行いました。なお、2015年については、支給額の『予定』を調査した結果となります。

<年末賞与平均支給額 前年比較>

2014年は賞与平均支給額200,000円以下の企業割合が最も多くなっておりましたが、2015年は300,000円以下の企業割合が最も多い結果となりました。表2では、地域・業種別の賞与平均支給額のデータを記載しました。2015年の正社員への年末賞与平均支給額は、287,337円となりました。これは2014年 年末賞与平均支給額269,459円と比較すると17,878円増加した結果でしたが、中央値は2014年同様250,000円と変わらない結果でした。

業種別の賞与平均額では、300,000円を超えた業種が3職種ありました。そのひとつである卸売業は、2014年の支給平均額と比べ、16,268円アップしています。大企業同様、ここでも、非製造業の業績回復が見られました。
地域別でみると、若干ではありますが首都圏の平均支給額が下がったことが特徴的でした。一方で、近畿地方は、前年より27,586円アップし、また、平均支給額も最も高くなっており、これは、景気回復の波が地方にも広がりつつあることを反映した結果となりました。

総評
内閣府が発表する2015年10月の月例報告において、『景気は、このところ一部弱さもみられますが、緩やかな回復基調が続いている』とありました。今回の調査結果からも、景気の回復基調が中小企業にも少しずつ反映されてきたことがわかりました。
企業の業績改善が雇用の拡大や所得の上昇につながり、経済の好循環が実現されることを期待したいと思います。


【調査概要】
調査期間:2015年10月1日~年11月13日
調査対象:エフアンドエムクラブ会員企業
※エフアンドエム会員企業とは、エフアンドエムが提供する中小企業向け管理部門支援サービスに入会している企業
有効回答数:1,319社
調査エリア:全国

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
リンク先リサーチPDF
[エフアンドエム]
 マイページ TOP