「子宮頸がんについて」の調査 

2016年03月01日
エムティーアイが運営する、女性のカラダとココロの健康情報サイト『ルナルナ』シリーズでは、「子宮頸がんについて」の調査結果を発表。

【調査結果】

■ “子宮頸がん”疾患名の認知は、ほぼ100%!でも、知っているのは名前だけ…!?
Q1. “子宮頸がん”という病気をどの程度知っていますか?

最近は20~30代の若い世代にも増加傾向の“子宮頸がん”。女性なら誰でもかかる可能性があるだけに疾患そのものを正しく知っておくことが大切です。まずはルナルナユーザーに、“子宮頸がん”の認知状況を聞いてみました。
結果は、「名前だけ知っている」61.3%と「名前だけでなく病気についても知っている」38.4%をあわせて99.7%と疾患名においては、ほぼ100%認知されていることがわかりました。
年代別で見てみると、30歳以上で「名前だけでなく病気についても知っている」の回答が高くなる傾向が見られ、特に35歳以上のユーザーにおいては半数以上と、年齢が高くなるにつれ原因や予防など疾患に対する理解が進んでいることがわかりました。

■ 原因は・・・?よくわからないが大多数!理解しているのは約3割
Q2. “子宮頸がん”の原因は知っていますか?

続いて、“子宮頸がん”の原因を知っているかを聞いてみたところ、「よく理解している」6.9%、「大体知っている」25.9%をあわせ32.8%にとどまりました。一方で、「あまり知らない」という回答が47.9%、「まったく知らない」という人も19.2%と、半数以上のユーザーが女性特有の疾患であることはわかりつつも、原因については、正しく理解できていない様子が伺えます。

■ ワクチン対象年齢の母親世代と本人世代が、予防法の認知度高めの傾向が!
Q3. “子宮頸がん”の予防方法は知っていますか?

さらに予防方法についても聞いてみたところ、「知っている」という回答は3割程度でした。
年代別で見てみると、45歳以上の人は4割以上が知っていると回答、子どもが子宮頸がんワクチンの接種対象と思われる母親世代の認知度が高くなっています。
また自身がワクチン接種の対象となった10代後半の認知度も33.6%で、20代~30代前半より高くなっているのがわかります。

■ “子宮頸がん”の予防には、病気に対する正しい理解で、対策を検討!
Q4. “子宮頸がん”の予防方法について知っているものを具体的に教えてください(自由回答)

ではQ3で、予防方法について「知っている」と回答した人に、どんな予防方法を知っているか聞いたところ、1位は「子宮頸がんワクチンの接種」で80.6%、2位は「避妊」20.6%、3位は「子宮頸がん検診」15.8%でした。
“子宮頸がん”のほとんどは、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で、HPVは、性交渉で感染することが知られています。約80%の女性が知らない間にこのウイルスに感染していると言われており、多くの場合ウイルスは自分の免疫力などで自然に排除されます。しかし排除されず数年から数十年にわたって持続的に感染してしまった場合には、“子宮頸がん”の前がん病変や“子宮頸がん”になることがあると考えられています。
2位にあがった「避妊」は、こうした原因を理解しての回答なのかもしれませんが、ウイルスは性器の周りなどさまざまな所に潜んでいるので、それだけで完全に予防できるものではありません。
“子宮頸がん”は、原因やがんになる過程の解明が進んでいる疾患で、ワクチン接種の有無に関わらず、定期検診による早期発見の効果も評価されています。誰でもかかる可能性のある疾患であることを理解して、積極的に定期検診を受けてほしいと思います。

■ ワクチン接種の経験は10代後半では70%以上も…
Q5. 子宮頸がんワクチンを接種したことがありますか?

Q4で、予防策として最も回答の多かった子宮頸がんワクチンについて聞いてみました。
「接種したことがある」と答えた人は全体で20.4%でしたが、特に10代後半~20代前半の高校生・短大生・大学生・専門学校生で「接種したことがある」と回答する人が多く、10代後半では7割を超えました。
さらに、「接種をしたことがある」人たちに「何歳でワクチンを接種したか」を聞いたところ、平均年齢は16.0歳、ワクチンの標準接種年齢とされる中学1年から高校生までの間に接種をした人がほとんどで、13~18歳の間に約9割の人が接種をしたという結果でした。

■ ワクチン接種は専門医に相談し、有効性とリスクを理解して判断を…
Q6. 子宮頸がんワクチンを受けたきっかけは何ですか?(複数回答)

Q5で、子宮頸がんワクチンを「接種したことがある」と回答したユーザーに、そのきっかけを聞いてみました。
最も多かったのが「自治体からお知らせがきたため」39.7%、次いで「学校ですすめられたため」38.7%「家族からすすめられて」32.1%でした。接種率の高い10代後半~20代前半ではおよそ8割の人が「自治体のお知らせ」もしくは「学校でのすすめ」をきっかけに接種をしたと回答しています。
Q4の予防方法についての回答にもあるように、ワクチン接種は“子宮頸がん”の予防策のひとつですが、接種後の副反応についての調査や検証が十分とはいえない現状などから、厚生労働省では、2013年6月よりワクチンの接種を積極的にはおすすめしていません。接種を検討する場合は、婦人科などの専門医に有効性と副反応などのリスクについての説明を受け、十分に理解したうえで判断をして欲しいと思います。

■ 20歳以上は2年に1回!定期的な検診で、早期発見・早期治療を…
Q7. 子宮がん検診をどのくらいの頻度で受けていますか?

次に、早期発見に最も有効とされる子宮頸がん検診の経験について聞いてみました。
「1年に1回受診している」15.2%と「2年に1回受診している」7.3%を合わせて、22.5%の人が定期的に検診を受けていることがわかりました。そして、「不定期だが受診している」10.6%と「過去に1回だけ受診したことがある」20.5%を含めると、受診経験率は、53.6%と半数を超えるユーザーが子宮頸がん検診の経験がありました。
年代別には、30歳を超えると定期的な検診率が急に上がり、41.0%の人が2年もしくは1年に1回検診を受けていることがわかりました。
日本のがん検診受診率は30~40%程度で、欧米先進国の70%~80%の受診率に比べるとまだまだ低く受診率向上は急務とされています。“子宮頸がん”においては、平成25年の検診受診率は42.1%※で、定期的な受診率はもう少し下がるものと思われます。こうした状況を考えると、30代以上の定期検診率が4割を超えるルナルナユーザーの健康に対する意識はかなり高く、自身のカラダと真摯に向き合っている様子が伺えます。

※厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査」 子宮頸がん検診は、「2年に1度」の受診が勧奨されているため、平成24年と平成25年の検診受診者数の合計に基づく検診受診率です。

■ 初めての検診は、平均26.3歳!初検診の低年齢化の傾向も…
Q8. 初めて子宮頸がん検診を受けた年齢は?

Q7で子宮頸がん検診を受けたことがあると回答した人に、初めて検診を受けた年齢を聞いてみました。
年齢分布では、20歳・25歳・30歳・35歳・40歳と5歳刻みでの受診が多く、自治体から配布されるクーポンなどの影響が大きいと思われます。初受診の平均年齢は26.3歳でした。
また現在の年齢で見てみると初受診は低年齢化の傾向がみられ、年代が低いほど早く、年代が高いほど遅いということがわかりました。国や自治体などの検診率アップに向けた政策の効果のあらわれなのかもしれません。

■ 初受診のきっかけは、自治体からのクーポンが多数派!
Q9. 初めて子宮頸がん検診を受けたきっかけは何ですか?

続いて、子宮頸がん検診の受診経験のあるユーザーに受診のきっかけも聞いてみました。
「自治体からのお知らせ・クーポン」40.4%が最も多く、ついで「婦人科ですすめられて」20.6%、「自分の職場の健康診断の項目にあったため」20.0%でした。
Q8の結果からもわかるとおり、対象年齢になると自治体から送られてくる案内と無料クーポンが受診のきっかけとなることが多いようです。また近年、一定年齢以上には健康診断で必須項目とする企業も多く、女性の社会進出が進み、健康を取り巻く環境が変化する中、こうした企業のケアは必要不可欠と言えます。

■ 未受診の理由の多くは、「なんとなく面倒で」「婦人科への抵抗感」
Q10. 子宮頸がん検診を受診していない理由を教えてください。

Q7で子宮がん検診を「受診したことがない」と回答した人に、その理由を聞いてみました。
「なんとなく面倒で」32.0%が最も多く、ついで「婦人科に行くことに抵抗がある」28.3%と、それぞれ約3割を占める結果となりました。
自分では体調に異変を感じないのに婦人科に行くことは抵抗があり、面倒に感じるかもしれません。しかし、初潮の低年齢化や出産回数の減少、出産年齢の上昇など、時代と共に女性のカラダを取り巻く環境は大きく変化しています。月経回数が多くなれば、関連する病気や症状が増えることも当然で、子宮頸がん検診だけでなく、婦人科のかかりつけ医を持ち、定期的に受診することはとても大切です。産婦人科医は20歳になったら2年に1回“子宮頸がん”の検診をおすすめしています。
また、「検診をどこで受けていいのかわからない」「検診があることを知らなかった」「検診を受ける時間がない」などの理由からは、子宮頸がん検診の必要性が十分に伝わっていない状況も垣間見えます。

■ 7割以上の母親が、“娘には検診を受けてほしい”と回答!

Q11. 娘が子宮頸がん検診を受けることについてどう思いますか

母親世代も多いルナルナユーザーですが、最後に子を持つ母に自分の娘が子宮頸がん検診を受けることについてどう思うかを聞いてみました。
結果は、「受けてほしい」という人が67.6%、「すでに受けたことがある」という人が6.4%で、合わせると74.0%もの人が検診推進派となりました。ユーザーの中には、母娘との対話で“子宮頸がん”を話題にしたことがある人も多く、「検診の必要性」を教育しているケースも見受けられ、10代からの母娘間のコミュニケーションよる早期教育も、今後の検診率向上には大切だと思われます。
近年20~30代の若い世代での発症も増加傾向で、初期には自覚症状がほとんどなく、気がつかないことも多いため、検診による早期発見が重要といわれています。早期発見し早期治療を行うためには、“子宮頸がん”への理解を深め、定期的な検診を心がけてほしいと思います。
まずは第一歩として、この「女性の健康週間」をきっかけに検診や婦人科デビューしてみてはいかがでしょうか。


【調査概要】
調査実施時期:2016年2月4日~7日
有効回答数:8132件

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[ルナルナ]
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