諸外国における対日メディア世論調査(アメリカ・イギリス・フランス・中国・韓国・タイの6カ国対象) 

2016年04月18日
新聞通信調査会は、2016 年 1 月に「諸外国における対日メディア世論調査」を実施した。

調査は、アメリカ・イギリス・フランス・中国・韓国・タイの6カ国において、各国約 1,000 人の回答を得た。アメリカ・イギリス・フランス・韓国は電話調査、中国・タイは面接調査で行った。
「対日メディア世論調査」は昨年1月にもこの6カ国で行っており、今回調査は2回目となる。主な調査結果は以下の通りである。

【主な調査結果】

新聞の情報信頼度はタイが 67.2 点で最高。
中国 65.2 点、韓国 56.2 点、アメリカ 55.7 点、フランス 51.7 点、イギリス 51.2 点。


・新聞の情報をどの程度信頼しているかを、全面的に信頼している場合は 100 点、全く信頼をしていない場合は0点、普通の場合は 50 点として点数をつけてもらったところ、タイが 67.2 点、中国 65.2 点、韓国 56.2 点、アメリカ 55.7 点、フランス 51.7 点、イギリス 51.2 点であった。
昨年 9 月に新聞通信調査会が実施した「メディアに関する全国世論調査」では、新聞の情報信頼度は 69.4 点だった。

・新聞の役割については、すべての国で「インターネットなどの普及により新聞の役割が少なくなってくる」が「今までどおり、新聞が報道に果たす役割は大きい」を上回る。アメリカ・フランス・中国・韓国・タイでは「新聞の役割が少なくなってくる」が半数以上。

テロ報道や情報についての信頼感は、「新聞」「テレビ」が上位。

・テロ報道や情報についての信頼感は、アメリカ・イギリス・フランスでは「新聞」「テレビ」「ラジオ」の3メディアが上位に並ぶ。中国・韓国・タイは「テレビ」「新聞」の順に信頼感が高い。「インターネットのニュースサイト」は中国とタイで3位。

「報道の自由は常に保障されるべきだ」に各国 80%以上の支持があるも、「圧力は仕方がない」「政府が圧力をかけるのは当然」「報道の自由を振りかざしている」にも 50%以上が賛同。

・「報道の自由は常に保障されるべきだ」については、「そう思う」がアメリカ・フランス・韓国で 90%を超え、イギリス・中国・タイで 80%台。

・「現在の報道を見ていると、圧力をかけられても仕方がないと思う」については、「そう思う」が中国で 90%近く。次いでタイで 70%。アメリカ・イギリス・フランス・韓国で 50%を超える。

・「政府が国益を損なうという理由でメディアに圧力をかけるのは当然だと思うか」については、「そう思う」が中国・タイで約 80%。アメリカ・イギリスで 70%前後。フランス・韓国で 50%強。

・「メディアは報道の自由を振りかざしていると思うか」については、「そう思う」がアメリカ・イギリス・韓国で 70%前後。フランス・中国・タイで 50%を超える。

日本のメディアの認知度は韓国が突出。

・日本のメディアの認知度は韓国が突出して高く、中国がそれに次ぐ。欧米3か国では「知らない」人が 70%以上、アメリカでは 90%近く。知っているメディアでは、「NHK(ワールド TV、ラジオジャパンなど)」がすべての国で1位。

・日本のことが報道されると関心を持って見聞きするのは、タイで 84.2%と高い。他の5か国でも半数以上が関心を持っている。

日本についての知識や情報の入手先は「自国のテレビ、新聞、雑誌」、日本のメディアに期待する報道内容は「科学技術」。

・日本についての知識や情報の入手先は、すべての国で「自国のテレビ、新聞、雑誌」が1位、「インターネット」が2位。

・日本に関する報道で、各国民が日本のメディアに期待する内容を挙げてもらった。1位は、タイを除く5か国では「科学技術」、タイでは「観光」。2位には、アメリカ・イギリス・韓国は「国際協力、平和維持活動」、フランスは「歴史と文化」、中国は「ファッション、アニメ、音楽」、タイは「科学技術」「生活様式、食文化」が続く。

訪日経験があるのは韓国で 49%。アメリカ・中国は 10%超。

・訪日経験があるのは韓国で 49.2%。アメリカ(13.1%)・中国(11.6%)は 10%超え。イギリス・フランス・タイは 10%未満。

・行ってみたいところを挙げてもらったところ、すべての国で「東京」が1位。以下、僅差でアメリカ・イギリス・フランス・中国・タイは「富士山」、韓国は「北海道」が続く。

・日本で体験してみたいことを挙げてもらったところ、アメリカ・イギリス・フランス・中国・タイは「京都など日本の文化と歴史ある街を観光する」「日本食を食べる」が上位2位に。韓国は「温泉に入る」が1位。

日本に対する好感度はタイで 90%超、アメリカで 80%近く。イギリス・フランスは 70%前後。中国、韓国は 30%前後。

・日本について「好感が持てる」はタイで 90.8%、アメリカで 78.6%。イギリス・フランスは70%前後。中国は 27.8%、韓国は 32.3%と低い。

・欧米3か国は相互に好感度が高いが、中国はイギリス・フランス・韓国・タイ・アメリカの順に、韓国はアメリカ・イギリス・フランス・中国の順に、タイは日本・イギリス・アメリカ・フランス・韓国・中国の順に 50%以上の好感度。

・日本への信頼度は好感度と同様であるが、中国 17.6%、韓国 17.2%と極端に低い。

日本と聞いて思い浮かべること、アメリカは「第二次世界大戦」、イギリス・タイは「日本食」、フランスは「文化」、中国は「抗日戦争」、韓国は「嫌い」が1位。

・日本と聞いて思い浮かべることを挙げてもらったところ、アメリカは「第二次世界大戦、原爆、真珠湾」、イギリス・タイは「日本食、寿司など」、フランスは「文化、文明、伝統、芸術」、中国は「抗日戦争、中国侵略」、韓国は「嫌い、不快、不信」が1位。

・欧米の3か国では、「日本食」「文化」「科学技術」、中国、韓国は近代の歴史にまつわる事柄、タイは観光に関連する事柄が、それぞれ上位に挙げられた。

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[新聞通信調査会]
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