禁煙治療実態調査(禁煙挑戦者と禁煙希望者対象) 

2016年06月08日
キュア・アップは、禁煙挑戦者 160 名、並びに禁煙希望者 515 名を対象に Web アンケート調査を実施いたしました。

厚生労働省の「厚労科研費平成 25 年度報告書」では、「がん対策基本計画」および「健康日本 21(第 2 次)」において、2020 年までに成人の喫煙率を 12%にする目標を掲げています。厚生労働省が 2015 年 12 月 9 日に発表した「平成 26 年国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、直近 2014 年において成人男性の喫煙率は 32.2%、女性喫煙率は 8.5%と、特に男性において目標とする喫煙率を大きく上回っている状況です。
一方、「喫煙に関する 47 都道府県追跡調査 2013」(ファイザー株式会社発表)によれば、2013 年の 1 年間で禁煙に挑戦した方のうち、27.9%しか禁煙を継続できておらず、禁煙治療に有効な禁煙外来やニコチン製剤などの医学的治療手段やツールの利用率も低いことが報告されています。
そこで、本調査では、禁煙挑戦者※1、および禁煙希望者※2 の治療実態、特に禁煙外来の利用目的や、利用しない理由を把握することによって、今後、どのような医学的治療やツールが必要なのかを明らかにすることを目的に、アンケート調査を行いました。

※1:現在、禁煙に取り組んでいる、もしくは禁煙治療中の方
※2:今後、すぐにでも禁煙に挑戦したいと考えている方

【主な調査結果】

(1) 禁煙外来やニコチン製剤は、禁煙失敗の原因となる各種症状に対して効果を示す
過去、禁煙に挑戦したが、継続できなかった原因として回答数が多かったものとしては、「『吸いたい』という気持ちを抑えられなかった」(39.5%)、「口寂しさから」(31.5%)、「仕事によるストレスをタバコで解消できないことに耐えられなかった」(24.8%)、「禁煙することのストレスに耐えられなかった」(23.1%)が多かった。
一方、“禁煙中につらかったこと”のうち、禁煙外来によって解消できたものとしては、「『吸いたい』という気持ちを抑えること」(34.7%)、「禁煙することによるストレス」(24.0%)、ニコチン製剤(ガム)によって解消できたものとしては、「口寂しさ」(32.7%)、「『吸いたい』という気持ちを抑えること」(23.4%)であった。
このことから、禁煙外来やニコチン製剤は禁煙を失敗する要因を解消できる有効な手段であると考えられる。

(2) 禁煙外来やニコチン製剤など、医学的な治療やツールの使用率は依然として低く、特に禁煙外来を利用しない理由としては、通院の面倒さやコスト、通院時間の無さが主な理由であった。
禁煙した時に試したことがある方法としては、「飴・ガム・フリスク」(44.6%)が最も多く、次いで「禁煙パイポ・離煙パイプ」(24.9%)が多かった。一方、「ニコチンガム」(15.9%)、「禁煙外来」(11.1%)、「ニコチンパッチ」(9.2%)の医学的な禁煙治療・禁煙ツールの利用率は少なかった。
また、禁煙外来を利用しない理由としては、「通院が面倒」(42.0%)、「コストが高い」(35.8%)、「通院する時間がない」(22.8%)が多かった。

(3) 禁煙者にとって、禁煙外来のメリットは高い禁煙治療効果である一方で、アクセスの良さや手軽さが課題であることがわかった。また禁煙外来受診のきっかけとしては、情報や CM に次いで、家族や友人からの勧めが多く、今後、医学的治療手段やツールの更なる普及のためには、禁煙挑戦者や希望者に加えて、家族への更なる啓発が必要であることが分かった。

禁煙外来のメリットとしては、「医学的根拠がある」(47.3%)、「有効性が高い」(28.0%)が多く、治療効果の高さをメリットに感じていることが分かった。一方で、「手に入れやすい」(7.1%)、「場所を選ばない」(6.8%)、「続けやすい」(6.4%)などはメリットと感じる割合が少なかった。
また、禁煙外来を受診したきっかけとしては、「自分で健康や禁煙に関して調べた情報がきっかけとなった」(40.0%)、「禁煙ツールの CM を見て興味を持った」(30.7%)、「自分の周囲の友人・知人・家族から勧められた」(28.0%)であった。

まとめ・考察
本調査結果から、禁煙外来やニコチン製剤などの医学的治療手段やツールは、禁煙挑戦者の禁煙失敗原因に有効であることが示唆されましたが、一方で、医学的治療手段やツールを使用しない原因としては、通院の面倒さや時間的理由、コスト等が挙げられました。このことから、今後、禁煙治療に有効なツールとして、医学的根拠に基づき、かつ利用者にとってアクセス性の高い(利用しやすい)治療手段や治療ツールが望まれます。
また、禁煙治療に有効な手段である禁煙外来の更なる利用促進のために、禁煙挑戦者および、その家族等に向けて、メディアを通じた更なる啓発が望まれます。


【調査概要】
「禁煙挑戦者と禁煙希望者を対象にした禁煙治療実態調査」
調査目的:禁煙治療の実態を明らかにする
調査対象/地域:禁煙希望者および禁煙挑戦者/全国
調査手法: インターネット調査 (実査は株式会社楽天リサーチに委託)
有効回答数: 756 名(禁煙希望者 515 名、禁煙挑戦者 160 名)
調査時期: 2016 年 2 月

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