「冬の体調管理」についての調査(ケアマネジャー対象) 

2017年01月05日
「ケアマネジメント・オンライン」を運営するインターネットインフィニティーは、サイト会員を対象に「冬の体調管理」について、アンケート調査を実施いたしました。

【背景】

冬は、インフルエンザなどの感染症の流行をはじめ、水分不足による脱水、乾燥による肌トラブルなどが起こりやすく、高齢者の体調管理がとくに重要な季節です。今年はすでにノロウイルス流行の兆候が伝えられるなど、例年以上に利用者への健康の配慮が求められています。そこで、会員ケアマネジャーに、冬の体調管理で注意している点や実践していることについて調査を実施しました。

【調査結果】

(回答者:「ケアマネジメント・オンライン」会員ケアマネジャー1,019人、 調査期間:2016/11/1~2016/11/30)

★6割以上のケアマネジャーが、日ごろの取り組みで利用者の体調悪化を防いだ経験あり
「日ごろの取り組みで、利用者の体調悪化を防いだことがありますか」との質問では、「よくある」が86名(8.4%)「たまにある」が586名(57.5%)で、65.9%が「ある」と回答しました。

■その他ポイント■
○インフルエンザなどの感染症対策は8割が実施。半数が閉じこもり対策を意識
○健康維持には、ホームヘルパーによる日々の観察が有効
○情報入手は6割以上がメディアから。口コミも重要な情報源
○体調管理のポイントは冬ならではの「隠れ脱水」対策
○インフルエンザなどの感染症対策は8割が注意。半数が閉じこもり対策を意識

冬、利用者の体調管理で気をつけていることについて訊ねたところ、最も多かったのは、「インフルエンザやノロウイルスなど感染症対策」で、902名(88.5%)が回答。高齢者にとって命とりにもなるインフルエンザなどの感染症は、大半のケアマネジャーが注意の意識を高くもっていることがわかりました。次いで、「栄養状態や水分補給」674名(66.1%)、「閉じこもりによる心身の活動の低下」517名(50.7%)、「乾燥など肌トラブル」423名(41.5%)、「便秘など排泄の状況」367名(36.0%)と続きました。冬場に心配される“隠れ脱水”や栄養状態の変化、室内への“閉じこもり”など、日々の中で起こりうる変調について半数以上のケアマネジャーが注意を払っていることがわかりました。

○健康維持には、ホームヘルパーによる日々の観察が有効
利用者の健康を維持するためにケアマネジャーが実行していることで、最も多かったのは、「ホームヘルパーに、より細かな観察を依頼する」637名(62.5%)で、次いで「とくに気になる利用者(独居、虚弱な人など)は訪問回数を増やす」609名(59.8%)、「定期的に電話し、様子を確認する」354名(34.7%)、「かかりつけ医や訪問薬剤師など医療職との連絡を密にする」316名(31.0%)となり、いち早く利用者の体調変化に気づくためには、日常的に接するホームヘルパーをはじめとした関係者との連携が欠かせないことがわかりました。また、「その他」33名(3.2%)では、「サービス事業者との情報共有」「訪看、デイサービスとの連携を密にする」など、関係各所との連携のほか、「(インフルエンザの)予防接種を勧める」「(寒い家など、状況や状態に応じて)ショートステイの利用を勧める」など具体的な行動もあげられました。

○情報入手は、6割以上がメディアから。口コミも重要な情報源
体調管理に役立つ情報の入手先は、多い順に「新聞などマスメディアやインターネット」661名(64.9%)、「ケアマネジャー仲間などから口コミ」478名(46.9%)、「医療機関」408名(40.0%)、「保健所や地域包括支援センター」318名(31.2%)、「食品や医薬品などメーカーの情報(ホームページなど)」280名(27.5%)、「薬局」169名(16.6%)となり、メディアや口コミを活用し、保健所など地域の関係機関は、あまり利用されていないことがわかりました。また、今年度から「かかりつけ薬局・薬剤師」の制度がスタートしましたが、日常的な健康サポート機能としては、まだまだ利用されていないことが伺えます。

○体調管理のポイントは冬ならではの“隠れ脱水”対策
冬の利用者の体調管理で「うまくいった」「こうすればよかった」などの自由回答では、とくに「温度管理、加湿対策、水分摂取」の3つについてさまざまな意見があがりました。なかでも、「厚着をして汗をかいていることがある。脱水が心配」「こたつや電気毛布による隠れ脱水」「寒くてトイレに頻回に行くのが大変だからと、水分制限をする人が多い」など、冬ならではの“隠れ脱水”が懸念されていることが明らかに。対策としては、「寒いからと水分を摂取しなくなるので、温かい飲み物を勧めた」「水分補給の促しやゼリーの摂取により、こたつでの脱水を防いだ」のほか、「好きな果物を普段から聞いておき、食欲がないときには果物をすすめた」というように、栄養補給を兼ねた水分摂取への工夫も見られました。その他、懸念される事柄では、湯たんぽなどによる低温やけどや、着ぶくれによる動きづらさ・活動の低下などがあげられ、「衣服を重ね着して転倒骨折につながったことがある」との事例もある一方、「一枚多く着ると大変なので腹巻を勧めたら、大きな体調不良もなく冬を越せた」という声も。また、栄養状態の低下を防ぐため、「食事を宅配弁当からヘルパーの調理に変更した」、閉じこもり防止のために「寒いためにデイサービスやデイケアの準備ができず、閉じこもりになる方がおられたが、送り出しのための訪問介護を利用することで解消された」など、サービスの微調整も有効であるようです。


調査では、6割以上のケアマネジャーが、日ごろの取り組みで利用者の体調悪化を防いだ経験があり、とくにインフルエンザなど感染症対策への意識が高いことがわかりました。また、ホームヘルパーによる観察をはじめ、訪問回数を増やすなど、より細やかに利用者と関わりを持つことで健康維持に役立てていることがわかりました。
冬の体調管理についての自由回答では、数多くの事例があがり、体調が変わりやすい時季だからこそ、利用者ひとりひとりの状態に合わせてより細やかな対応を実践していることが明らかになりました。


【調査概要】
期間:2016年11月1日~11月30日
方法:インターネット調査
対象:「ケアマネジメント・オンライン」の会員ケアマネジャー
回答数:1,019名

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