女性管理職のストレス分析(管理職における男女比較および女性における非管理職との比較) 

2016年06月30日
アドバンテッジ リスク マネジメントは、女性管理職のストレス反応やストレス要因に着目し、管理職における男女比較および女性における非管理職との比較を通して、女性管理職が抱えるストレスについて分析を行いました。

その結果、下記のことが明らかになりました。 

・女性管理職のストレスは“身体の不調”として強く表れやすい。
一例:
 「首すじや肩が凝る」:女性管理職 88.2% / 男性管理職 67.0%
 「頭が重い、頭痛がする」:女性管理職 51.4% / 男性管理職 31.4%

・女性管理職は女性非管理職に比べ、仕事上で強みを発揮できていると捉えており、私生活の充実も感じているが、仕事への難しさも併せて強く感じている。
一例:
 「仕事で、高度なことを要求された」:女性管理職 29.0% / 女性非管理職 16.0%
 「仕事では、自分の意見や判断が尊重された」:女性管理職 76.5% / 女性非管理職 65.9%

 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が本年4月1日に制定されたことに伴い、労働者301人以上の大企業は、女性従業員の活躍を後押しするために、管理職における女性比率等を必ず把握したうえで、改善に向けた行動計画の策定等が新たに義務づけられることとなりました。
 このたび当社は、ストレスチェック義務化に対応したメンタルサポートプログラム「アドバンテッジ タフネス」を利用した企業の従業員約4万人のうち女性管理職に焦点を当て、回答結果を分析しました。

【調査結果】

■図1:男性管理職と比較した女性管理職のストレス反応 スライド1
図1のグラフは、女性管理職のストレス反応パターンを男性管理職と比較したものです。女性管理職の方が男性管理職に比べて全般的に悪いことがわかります。

■図2-① 「首すじや肩が凝る」 女性管理職 88. 2% / 男性管理職 67.0%

■図2-② 「頭が重い、頭痛がする」 女性管理職 51.4% / 男性管理職 31.4%

■図2-③ 「めまいがする」 女性管理職 27.8% / 男性管理職 16.0%   

■図2-④ 「目が疲れる」 女性管理職 87.4% / 男性管理職 75.6%

■図2-⑤ 「へとへとだ」 女性管理職 53.1% / 男性管理職 41.7% 

 図2-①から2-⑤のグラフは、特にスコアが好ましくない「身体愁訴」や「疲労感」を問う設問において女性管理職と男性管理職との差が著しい例を抽出し、「ほとんどいつもあった」「しばしばあった」「ときどきあった」の割合を比較したものです。女性管理職のストレスは、身体疲労や体調の悪化として表れやすい傾向があるようです。

■図3:女性における管理職と非管理職との比較

 さらに、女性間で管理職と非管理職の違いについても分析しました(図3)。女性管理職は非管理職に比べて仕事の難しさや量の多さを感じていながらも、仕事の裁量を与えられ、強みを発揮できていることで、働きがいを感じていることがうかがえます。また、困難なことや問題に直面しても、あきらめずに向き合って対処し、解決に向けて考え、行動する姿勢が特徴であるといえます。
 一方、プライベートでは、仕事により私生活が充実し、良好だと捉えている一方、仕事による私生活への支障も併せて感じていることがわかりました。
 なお、下図は女性管理職と非管理職との比較においてスコアに差が出た「仕事の難しさ」(図4-①)と「仕事の裁量」(図4-②)の設問を一部抽出し、「まあまあ当てはまる」「よく当てはまる」の回答割合を比較したものです。

■図4-① 「仕事で高度なことを要求された」 女性管理職 76.5% / 女性非管理職 65.9%

■図4-②「仕事では自分の意見や判断が尊重された」 女性管理職 29.0% / 女性非管理職 16.0%

 女性活躍推進法では、女性の活躍を後押しするために各企業が定める行動計画の中に必ず数値目標を含めなければいけません。
 しかし、単に女性管理職の割合を増やすだけではなく、女性が生き生きと活躍できる環境整備やキャリア支援など、ストレスの軽減のための施策を総合的に講じ、女性の力をより一層引き出すことが必要だと思われます。


【調査概要】
・対象:当社のメンタルサポートプログラム「アドバンテッジ タフネス」の『スタンダード』プランを利用している団体・企業の従業員 38,857名(うち女性9,550名)のデータを用いて分析
・調査期間:2015年5月~2016年1月

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[アドバンテッジ リスク マネジメント]
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