アツギは、この春就労する女性新社会人の意識に関するインターネット調査を実施しました。

【​主な調査トピックス】

① 女性新社会人515人が選んだ決意・抱負の「漢字一文字」1位は、『努』
② 管理職になりたいと考えている女性新社会人は、実に40%越え!
③ 有休取得は仕事に支障のない範囲で!64.1%
④ 新社会人が許容できると考える残業時間は月40時間以内がおよそ9割!
⑤ 結婚・出産後も、働きたい・仕事に復帰したい80.5%! 仕事を続ける上で心配なこと、1位「保育園」、2位「残業」
⑥ 将来のパートナーに求めることは・・・出来るだけ残業しないで!家事・育児を手伝って!

【調査結果/サマリー】

今回の調査結果で、2017年の新入社員である女性は、管理職になりたいと考える「キャリア志向」が40.8%、結婚については「結婚をしたい」「いい人がいれば結婚したい」という回答が93.4%で、その中でも、結婚・出産後も、仕事をしたいと考える人が80.5%と「仕事継続意欲」が高いことが分かりました。

新社会人としての抱負を表す漢字からは、女性新社会人の多くは、努力や忍耐をいとわず、早くから社会人として自立したいと考えていることが判明しました。

「キャリア志向」や「仕事継続意欲」は高く、選んだ漢字も非常に前向きですが、残業の許容時間は少なく、結婚生活や出産・育児とも両立できる働き方が理想。昨今の働き方改革の流れで、これから社会に出る女性たちの意識も、変わってきていると考えられます。

有給休暇取得に関しては、強く権利を主張するというよりも、「仕事に支障の無い範囲で取得できればよい」と考える人が多数派になりました。

土日など、決まった休みを取ることができ、普段残業少な目でサクッと帰ることができれば、基本的には仕事熱心、多少は我慢や忍耐が必要なことも承知の上、がんばる意欲の高い“キャリア志向だがサクッと帰る”姿は「サクキャリ女子」と呼べると思います。仕事にも、結婚・育児にも前向きな 「サクキャリ女子」の活躍をしっかりサポートできるかが、今後のビジネスシーンにとって大きな鍵となっていくでしょう。

❶女性新社会人515人が選んだ、決意・抱負の「漢字一文字」1位は、『努』

質問:あなたの新社会人としての仕事への決意を“漢字一文字”であらわしてください。

今年の女性新社会人が抱負を表した漢字ベスト5は、「努」、「挑」、「新」、「耐」、「進」、となりました。新しいことにチャレンジする意欲があり、努力し前へ進み続けることができる、耐久力の高い、自立した女性の姿が浮かびあがってきます。「大変なことや辛いこともあると思うけれど、がんばっていきたい」といった声が多く、「職場に華やかさを添える新卒女子社員」という印象よりは、「社会の一員として、自分の努力で道を切り開いていくスタートラインに立った者のフレッシュさ」という印象を与えます。また、1位で選ばれた「努」のコメントにもあるように、「努力して早く一人前になりたい」ということからも、キャリア志向が読み取れ、近年の女性の力強さも感じられます。

◎少数意見ですが、ランキング外の漢字も紹介いたします。
「春」…新しい本当の人生の幕開け
「献」…会社を支え、世界に役立つ人材となる
「実」…誠実に、実直に、やるべきことを実行していき、その後見つけたキャリアプランを実現したいと思うから。
「笑」…辛くて大変なことがあっても、笑顔で前向きに頑張っていきたいから。またそうしていれば自分の心も、周りの人もポジティブに過ごせると思うから。
「刃」…今までふわふわ生きてきたので鋭く明確な意思を持って物事に臨みたいと思っているから。
「戦」…大変なことばかりだと思うけれど、戦い抜こうと思っているので。

❷管理職になりたいと考えている女性新社会人は、実に40%越え!

質問:あなたは将来、管理職になりたいと考えていますか。 (単数回答)
・はい 40.8%
・いいえ 59.2%

質問:あなたが管理職になりたい理由をお答えください(複数回答可)
・賃金を上げたいから 99
・キャリアアップをしたいから 146
・肩書がほしいから 20
・マネージメントに興味があるから 30
・将来起業を考えているから 5
・その他 5

管理職になりたいと考えている女性新社会人は、2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げるという政府の目標を超え、40%という高い値になりました。一方で、帝国データバンクが2016年8月15日にまとめた特別企画:「女性登用に対する企業の意識調査」(㈱帝国データーバンク調)によると、調査対象企業の管理職に占める女性比率は平均6.6%と少なく、管理職が全員男性で女性が1人もいない企業は50.0%を占めています。

人は、モデルとなる良い手本を観察する機会に恵まれると、社会的スキル獲得が促進されることがわかっています。就職する組織に、既に活躍しているモデルとなる女性管理職がいないという状況は、早くからキャリアアップを目指している女性新社会人にとって、望ましい環境とは言い難く、まず一人目を誕生させるためのサポートが必要だと考えられます。

❸有休取得は仕事に支障のない範囲で!64.1%

質問:有給休暇について、あなたの考え方を教えてください。(単数回答)

a.やるべき仕事を優先し、仕事にあまり支障のない範囲で取得できればよい。
b.多少、仕事に支障があっても、権利として、しっかり取得したい。

・a 23.3%
・どちらかと言えばa 40.8%
・どちらかと言えばb 24.5%
・b 11.5%

有給休暇取得に関しては、「やるべき仕事を優先し、仕事にあまり支障の無い範囲で取得できればよい」と考える人が64.1%と、多数派になりました。選んだ5つの漢字にも見られるように、仕事において、多少の努力や忍耐が必要であるということは承知の上で、納得できる範囲であれば、譲歩するという姿勢が見受けられます。また、5つの漢字のコメントからも「新人だからと臆せず、積極的に仕事に挑戦し、関わっていきたい」や、「また新たに学ぶことが始まり、日々進歩したいと思うから」といった新入社員としての意見が目立ち、まずは仕事を覚えることが大事といった印象も受けます。土日など、決まった休みを取ることができ、普段残業少な目でサクッと帰ることができれば、基本的には仕事優先で、有給休暇に関しては無理に強く主張しない、「現実的でプロ意識も高く、過度な期待はしない」という女性が多いようです。

❹新社会人が許容できると考える残業時間は月40時間以内がおよそ9割!

質問:残業は月に何時間まで許容できますか。あなたの考えを教えてください。 (単数回答)

政府を介し、経団連と連合側で働き方改革について議論を行ってきましたが、3月17日に政府より繁忙期に例外的に認める残業時間の上限規制を「月100時間未満」とすることが正式発表されました。本調査では、許容できる残業時間について40時間以内が約9割となり、20時間以内という回答が半数を超えています。昨今、各企業が取り組んでいるような「ノー残業デー」の設定や、政府および経団連が提唱・推進する「プレミアムフライデー」など、残業することがよいという日本的な文化を根本的に変えていこうという動きが社会全般にみられるようになりました。組織の一員としてデビューする女性たちも、仕事後のプライベート時間を有効に活用したいという意識が調査結果からは読み取れます。「自分を第一に考え、無理はしない」といった、現代的な姿が見えてきます。

❺結婚・出産後も、働きたい・仕事に復帰したい80.5%!仕事を続ける上で心配なこと、1位「保育園」、2位「残業」

質問:あなたは結婚をしたいと思いますか
・結婚をしたい 65.2%
・いい人がいれば結婚したい 28.2%
・結婚したいと思わない 6.2%
・既婚 0.4%

質問:あなたの希望に近いものを下記から選んで下さい。(単数回答)
・結婚したら仕事を辞めたい 7.0%
・子どもが生まれたら仕事を辞めたい 10.6%
・子どもが生まれたら休職して子育てが落ち着いたら復職したい 50.3%
・結婚、出産してもずっと仕事を続けたい 30.2%

質問:(復職したい、仕事を続けたいと回答した方に対し)あなたが出産をしたあとも仕事を 続ける上で不安なことをお答えください。 (複数選択可)
・保育園に子どもを預けることができない 191
・時短勤務の際に収入が下がる 74
・定時帰宅できずに残業する 168
・休日出勤がある 81
・子育てに対して職場の理解が得られない 117
・体力気力が消耗する 161
・親のサポートが得られない 23
・パートナーのサポートが得られない 83
・その他 13

結婚については「結婚をしたい」「いい人がいれば結婚したい」という回答が93.4%でした。その中でも、結婚・出産後も、仕事をしたいと考える人が、80.5%と、大変高い数字となりました。「保活」の問題に関しては、地域差は大きいもののニュースで見聞きすることも多く、心配事項の1位となっています。仕事にも育児にも前向きな、若く意欲的な女性の活躍を応援するという意味でも、十分な保育施設の確保が急務と言えます。

また、2位は、残業に関する心配事項となりました。企業側には、残業時間への配慮、保育施設には、多少の残業には対応可能な柔軟で多様なサポートが求められていると思われます。

❻将来のパートナーに求めることは・・・出来るだけ残業しないで!家事・育児を手伝って!

質問:あなたはパートナーと家事・育児を分担したいですか。(単数回答)
・はい 87.8%
・いいえ 12.2%

質問:あなたはパートナーの働き方についてどちらを希望しますか。(単数回答)

a.出来るだけ残業をしないで家事や育児に参画してほしい
b.家事や育児よりも仕事を優先して、残業もしてほしい

・a 18.8%
・どちらかと言えばa 55.3%
・どちらかと言えばb 23.8%
・b 2.9%

パートナーの家事分担は、「してほしい」という回答が圧倒的という結果になっています。また、結婚・出産後も仕事を続けたい、休職しても復帰したいと考える人が多く、晩婚化や非婚化を懸念する声がある中、社会人デビューをする女性たちは、結婚には意欲的、仕事も何らかのかたちで続ける意思があり、助け合えるようなパートナーを求めている、という姿が見えてきます。夫が経済面、妻が家事・育児、といった、明確な役割分担の依存的な関係ではなく、夫婦それぞれが同じような役割を協力して担っていくという結婚のスタイルが今後ますます主流となり、女性が自分自身について理想とする姿も、より自立的なものになっていくでしょう。

また、企業側も男性の働き方の見直し(長時間労働是正・育休取得推進等)を改めて検討するべきでしょう。


【調査概要】
調査方法:インターネット調査
調査対象:全国の女性新社会人
(2017年4月から入社を予定している専門学校生、短大2年生、大学4年生、大学院修士2年生、その他)
有効回答:515サンプル
調査期間:2017年2月9日(木)~3月6日(月)
監修:心理学者 晴香葉子

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