高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査(30から74歳の男女対象) 

2017年05月11日
オムロン ヘルスケアは、30から74歳の男女1万人を対象に「高血圧に関する意識と行動に関する1万人実態調査」を行いました。

この結果から、健康診断や人間ドックで30代男性の5人に1人(22.4%)、40代男性の3人に1人(30.8%)が「血圧が高め」と指摘された経験があることがわかりました。そのうち、「医療機関を受診する」や「定期的に血圧を測る」などの改善行動を何もとっていない人が約3割おり、全体の15%と比較して、働き盛りの30・40代男性は血圧改善への関心が低いことが浮き彫りになりました。

厚生労働省の「平成27年人口動態統計月報年計(確定数)」では、主な死因別死亡数の割合において、心疾患と脳血管疾患は合計で23.9%(心疾患15.2%(2位)、脳血管疾患 8.7%(4位))となっています。また、同省の「平成25年国民生活基礎調査」では、介護が必要となった主な原因で、脳血管疾患は18.5%で第1位となっています。このように、脳・心血管疾患は、死に直結する、あるいは、寝たきりとなり介護が必要になるなど、患者本人や家族の生活の質(QOL)を著しく低下させる大きな要因です。

【調査結果のまとめ】

1.3人に1人が、健康診断で「血圧が高め」と指摘された経験あり。
30代でも、5人に1人が「高め」と指摘された経験あり。

2.「血圧が高め」と指摘されても、半数が医療機関を受診していない。特に、30代男女の3人に1人は、受診も生活改善もせず、放置している。

3.働きざかりの男性30~50代・女性30代の約4割に「高血圧リスクにつながる生活習慣」あり。高血圧リスクは高齢者だけにあるとは限らない。

4.9割は血圧の値が変動することを知らず、約6割は「高血圧は自覚症状がない」ことを知らない。全体的に30代・40代男性での血圧に関する知識不足が目立つ。

5.毎日、血圧測定を実施している人は約1割。約9割が毎日、計測していない。
「血圧が高め」と指摘された人でも、4人に1人しか、毎日測っていない。

6.血圧が高めと指摘され、毎日朝晩に測定している人の3割は「血圧値が改善した」ことを実感。

【調査結果】

1 血圧が高めと指摘された経験
3人に1人が、健康診断で「血圧が高め」と指摘された経験あり
30代でも、5人に1人が「高め」と指摘された経験あり

30~74歳男女1万人のうち、健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘された経験があるのは32.1%。
女性に比べ男性の方が多く、男性では41.1%が指摘された経験をもっています。
男女とも年齢の上昇とともに「血圧が高め」と指摘されたことのある人が増えますが、男性は30代でも5人に1人(22.4%)、40代では3人に1人(30.8%)が指摘された経験をもっています。同年代の男女で比べると、男性が圧倒的に多く、30代男性は30代女性の2.6倍、40代男性は40代女性の2.4倍で特に注意が必要です。

2 「血圧が高め」と指摘されたことへの対応①
「血圧が高め」と指摘されても、半数が医療機関を受診していない
特に、30代男女の3人に1人は、受診も生活改善もせず、放置している

健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘されたことのある3,206人に、改善のためにしたことを聞きました。血圧改善のために、「医師の診察を受けた」(53.5%)、「塩分を控えるなど食事に気をつけている」(40.9%)、「自宅で定期的に血圧を計測している」(36.3%)などをしているようです。最も回答者が多かった「医師の診察を受けた」は53.5%ですが、残りの約半数(46.5%)は、医師の診察を受けていないという結果となりました。
なお、「医師の診察」だけでなく、食生活の改善などを含め、「何もしていない」人が15.3%います。
特に、30代男女では、3人に1人が「何もしていない」と回答(男性30.6%、女性34.1%)しています。
この結果から、30代への高血圧への理解促進と「血圧が高め」と指摘されたら「医師の診察」「生活改善」などの行動を促すことが重要であることが浮き彫りになりました。

2 「血圧が高め」と指摘されたことへの対応②

健康診断や人間ドックで「血圧が高め」と指摘され、改善のために「医師の診察を受けた」1,715人のうち、「高血圧症」と診断され、現在、通院されている人が68.0%、「高血圧症」と診断されているが、通院は 中断している人が4.8%おり、合わせて72.8%が「高血圧症」と診断されていることが明らかになりました。

3 高血圧リスク
働きざかりの男性30~50代・女性30代の約4割に「高血圧リスクにつながる
生活習慣」あり。 高血圧リスクは高齢者だけにあるとは限らない

30~74歳男女1万人に食生活などの生活習慣を聞き「高血圧リスクにつながる生活習慣」の該当数を確認しました。
1万人のうち、36.5%が、「高血圧リスクにつながる生活習慣」の数が3~5個 (「そろそろ気をつけましょう」タイプ)、および6~10個(「ちょっと危険」タイプ)となりました。
性年代別にみると、30代・40代・50代の男性、30代の女性の約4割で「高血圧リスクにつながる生活習慣」が3個以上あると回答しています。この結果から、30~50代の働きざかりの男性と30代女性に高血圧予防の基本である生活習慣改善の必要性があることがわかりました。

4 「高血圧」に対する理解
9割が血圧値が変動することを知らず、約6割が「高血圧は自覚症状がないこと」を知らない。30代・40代男性での血圧に関する知識不足が目立つ

「高血圧」や「血圧」に関する知識の認知を聞きました。
「安眠していても血圧が急激に上昇することがあること」(11.9%)、「朝は血圧があがりやすく、だるくなりやすくなること」(15.8%)、「日中は血圧が高めであること」(17.0%)の認知は、いずれも1割台にとどまり、「血圧値が変動すること」に関する認識が低いことがわかりました。また、「高血圧は痛みなどの自覚症状がほとんどないこと」を知っている人も約4割(39.6%)にとどまっています。
高血圧や血圧に関する知識は、60代以上と30・40代で大きな差がみられます。
「高血圧が、脳や血管、心臓関連の病気を引き起こすリスクがあること」は、男女60代・70代では約6~7割の人が知っていますが、男性30代では3人に1人(33.3%)、男性40代でも約4割(39.6%)にしか知られていません。

5 血圧測定の実態
毎日、血圧測定を実施している人は約1割。約9割が毎日、計測していない
「血圧が高め」と指摘された人でも、4人に1人しか、毎日測っていない

血圧は毎日測ることが望ましいといわれています。今回の調査でも、家庭で血圧を測っている頻度を聞いてみたところ、「毎日、朝晩測っている」が全体の5.3%、「毎日、1回測っている」が4.8%となり、毎日測っている人は、10.1%(5.3%+4.8%)にとどまりました。したがって、約9割が血圧を毎日測っていないことになります。
また、「血圧が高め」と指摘されたことのある人でも、家庭での測定頻度は「毎日、朝晩測っている」が13.6%、「毎日、1回測っている」が11.9%で、毎日測っている人は合計25.5%と、指摘後でも血圧への関心が低いことがわかりました。

6 週1回以上定期的に血圧を測定してよかったこと
血圧が高めと指摘され、毎日朝晩に測定している人の3割は「血圧値が改善した」ことを実感

家庭で定期的*に家庭で血圧を測っている1,854人に、家庭で血圧を測ることによって良かったことを聞いてみました。約4割が「その日の自分のからだの状態が確認でき、行動に反映できる」と感じています。また、4人に1人(25.6%)が「血圧の変動への不安が薄れ、安心感がもてるようになった」と思っています。
男性30代では、「規則正しい生活をするようになった」、「生活のリズムができた」と感じている人が他の性年代よりも多く、家庭で血圧を測ることが、生活スタイル全体の改善にもつながっているようです。
「血圧が高め」と指摘され、家庭で毎日朝晩測定している人は、約3割(30.5%)が「血圧値が改善した」と感じています。

*定期的=1週間に1度以上、定期的に測定している人


【調査の概要】
調査対象 :30から74歳までの男女 合計1万人
調査期間 :2017年3月21日から2017年3月23 日
調査エリア:全国
調査方法 :インターネット

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