フィンテックサービスの利用動向調査 

2017年04月18日
情報通信総合研究所は、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションが提供する「NTTコムリサーチ」登録モニターを対象に、「フィンテックサービスの利用動向調査」を実施しました。

フィンテックサービスは、金融分野のみならずさまざまな分野を巻き込みながら注目の度合いを高めています。フィンテックサービスが話題になった当初はバズワードや一過性の熱狂と言われていましたが、昨今では、フィンテックベンチャー企業の提供するサービスが消費者のニーズを的確に汲み取り、柔軟にアプローチすることで徐々に受け入れられてきています。一方で、フィンテックサービスを利用する消費者の特徴を仮定すると、金融のみならずICTのリテラシーも高く、クレジットカードや電子マネーなどの非現金決済を普段から積極的に利用している消費者のイメージが想定されます。

そこで、フィンテックサービスがどの程度受け入れられているのか、都市部と地域部に在住の消費者を抽出し、それぞれに対し、フィンテックサービスの利用状況や利用意向、利用している消費者の金融リテラシーの状況を把握するとともに、フィンテックサービスの地域差の有無について観察をおこなうために、本調査を実施しました。

【主な調査結果】

1.フィンテックサービスの利用状況について

・認知度の高いフィンテックサービスは「パソコンバンキング」や「モバイルバンキング」であり、「インターネット決済サービス」はECの普及を背景に認知されている割合が高い。
・ビットコインに関するニュースの影響からか、「仮想通貨の利用」についても認知度は高い。
・フィンテックサービスの利用状況については、「パソコンバンキング」は比較的高いが、「モバイルバンキング」は認知度の高さに比べると低い。
・「インターネット決済サービス」の利用状況は高く、ECの拡大を背景に、セキュリティ意識の高まりから今後もクレジットカード情報(番号)を加盟店に渡したくない消費者も増えていく可能性がみえる。
・利用意向については、地方部で「パソコンバンキング」と「モバイルバンキング」での利用意向が高い結果となった。背景には、銀行口座の残高確認や振り込みをおこなう際に、保有口座の銀行本支店やATMが近場に無いために、ネットバンキングの利用意向が高いのではないかと推察される。
・フィンテックサービスを利用しない理由としては、「セキュリティ」に不安を感じる消費者が多く、「個人情報を渡す」ことへの不安も大きいことがうかがえる。また、手続きの煩雑さや使い勝手の悪さなどについては今後、提供企業の工夫が期待される。

2.属性別のフィンテックサービス利用状況について

・フィンテックサービスは、女性に比べ、男性の方が利用頻度は高い傾向にある。
・年代別の利用状況では、30代と40代はICTリテラシーも高く、収入や資産が今後増えていくことを考慮すれば、フィンテックサービスの利用が促進されると考えられる。
・年収とフィンテックサービスの関係では、年収が高まるにつれて、何らかのフィンテックサービスを活用している傾向にある。一方で、保有資産については資産額が多いほどフィンテックサービスの利用も増える傾向もみられるが、年収の場合とは違う動きがみられた。

3.金融サービス利用状況について

・金融リテラシーについての地域差の存在について観察したが、それほど大きな差異は無い。
・都市部、地方部に関係なくインターネット専業銀行の存在感は大きく、地域の銀行(地銀)よりも口座保有割合は高い結果となった。
・クレジットカードの利用状況については、都市部と地方部ではあまり違いが無い。クレジットカードの保有については、2割弱の消費者が1~3枚のクレジットカードを保有している。
・電子マネーについては、交通系電子マネーの保有状況に地域間の差があるが、地域の交通事情を鑑みれば地方部の保有は少ないことがうかがえる。


【調査概要】
調査対象:NTTコム リサーチ クローズド調査(※)
調査方法:非公開型インターネットアンケート
調査期間:2016年11月18日~11月21日
有効回答者数:1,052人

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[情報通信総合研究所]
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