オンライン上のユーザー行動データからユーザーエクスペリエンスを紐解く研究〜高級車の購入検討行動分析〜 

2017年07月12日
ヴァリューズならびに、ネットイヤーグループは、オンライン上のネット行動ログとユーザー属性情報を用いて定量・定性的にユーザーエクスペリエンスを明らかにする研究活動を共同で行いました。

ユーザー像(ペルソナ)ならびにユーザーの体験(ユーザーエクスペリエンス)をオンライン上のユーザー行動データから紐解くために、今回は長期的な購買検討が発生する高級車のオンライン上の購買検討行動ログに対して、定量的な分析と UX 視点での定性的な分析双方を掛け合わせて分析しました。

◆ 調査・分析概要
高級車(新車)を購入したユーザーの検討行動を分析するため、車の購入時期や購入車種を調査しました。アンケートの回答者で高級車(300 万円以上の自動車)を購入したと答えたユーザーについて、自動車購入の 5 ヶ月前~購入月までの半年間のネット行動ログを分析しました。
クラスタリングを行うために、幾つかの仮説(国産車・輸入車による違い/複数の車種の検討・単一の車種の検討による違い/カスタムの可否など趣味性の高低による違い、など)を立てた上でクラスタリングを行い、ピックアップされた行動ログを UX 視点で細かく読み解いて検証しました。最終的に、自動車関連のサイト閲覧傾向からクラスタリングすることで、オンライン上での行動特性の違いが明確に分かれることを見出しました。

それを踏まえ、自動車関連サイトを
・公式サイト(自動車メーカーサイト)
・メディア
・口コミ
・中古購入
・関連グッズ EC
の 5 つのカテゴリに分類した上で、ユーザーのウェブ行動の傾向を分析しました。

◆ ユーザーのクラスタリング
高級車を購入しているユーザーについて、「公式サイト(自動車メーカーサイト)」「メディア」「口コミ」「中古購入」「関連グッズ EC」の 5 つのカテゴリの閲覧傾向を元にクラスタリングを行った結果、ユーザーを 6 つのクラスターに分けることができました。

6つのクラスター
・メーカーサイト中心
・グッズ閲覧
・車メディア好き
・口コミ重視
・中古車検討
・関連サイトの閲覧小

最も大きいクラスターは、検討過程で公式メーカーサイト以外のサイトをほとんど見ていない、「メーカーサイト中心」クラスターであり、高級車を購入しているユーザーの 35%が該当しています。また、公式メーカーサイトはどのクラスターであっても、2番目もしくは3番目に閲覧量の多いサイトであることから、高級車の購入にあたってはメーカー公式サイトが重要なチャネルであることがわかります。
一方、「グッズ閲覧」「車メディア好き」「口コミ重視」の3つのクラスターは、閲覧しているサイトの傾向から、自動車に対する趣味性が高いクラスターと考えられます。約 30%が趣味性の高いクラスターであり、このクラスター群は公式メーカーサイトよりも他のサイトでの検討行動を大きく重視していることがわかりました。中古車も検討範囲に入っていると思われる「中古車検討」クラスター(約 3%)も同様の傾向です。
残りの 34%はサイト閲覧がそもそも非常に少ない「関連サイトの閲覧小」クラスターであり、このクラスターは公式サイトの閲覧比率は高いものの、そもそもオンラインでの検討行動をほとんど行っていないことがわかりました。

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[ネットイヤーグループ]
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