害虫・害獣対策に関する意識調査 

2017年08月21日
プラネットは、日用品にまつわるトピックスをお届けする『Fromプラネット』の第68号として、害虫・害獣対策に関する意識調査の結果をご紹介します。

■家庭の害虫の“王者”は?
 毒性の強い外来種のヒアリが各地で見つかり、ニュースになりました。暑い季節は特に、家庭でも身近な害虫に悩まされることが多くなります。今回は、害虫・害獣対策に関してアンケートを行い、自宅で困ったことのある害虫・害獣の種類やその対応、駆除方法などについてまとめました。

 まずは、自宅で困っている害虫は何かを尋ねました。すると、最も多かった1位は「蚊」52.8%。2位「ゴキブリ」34.8%、3位「小バエ」30.9%という順でした。さらに、4位「ハエ」20.0%、5位「クモ」16.5%、6位「アリ」15.4%と続きました。

 男女別では、ほとんどの項目で女性の数値が男性を上回りました。“女性は虫が苦手”というイメージどおりです。男性との差が10.7%と大きかったのは「小バエ」。炊事やゴミの始末などの際に悩まされている女性が多いと考えられます。

 住居形態別に見ると、ほとんどの項目で、「集合住宅」に比べ、「一戸建て」で数値が高くなっていました。「蚊」については、「集合住宅(5階以上)」では41.0%であるのに対し、「一戸建て」では58.9%と、その差は17.9%。「ゴキブリ」や「アリ」などでも住居形態による差は同様に大きくなりました。高階層でも害虫が現れないわけではないけれど、一戸建てに比べて少ないのは確かなようです。虫の項目のうち、「集合住宅(1〜4階)」の数値が「一戸建て」を唯一上回っていたのが「小バエ」です。「集合住宅(1〜4階)」で33.5%と最も高く、次いで、「一戸建て」と「集合住宅(5階以上)」とが僅差で並びました。

■ゴキブリ嫌いのための“楽園”がある
 さらに、エリア別に見ると、「蚊」については、「北海道」「東北」「北陸」で比較的低く、「東海」「中国」「四国」「九州・沖縄」で高くなる傾向がありました。「ゴキブリ」についても似たような傾向が見られ、「北海道」「東北」「甲信越」で低く、「近畿」「四国」「九州・沖縄」では高くなっていました。中でも「北海道」では、「ゴキブリ」に困ったことのある人はわずか1.2%。ゴキブリが苦手な人にとってはうらやましいかぎりです。

 一方で、「ハエ」については「北海道」「東北」「甲信越」と「四国」で比較的高く、「クモ」と「蛾」は「東北」「甲信越」で他のエリアに比べて高いなど、虫によって傾向が違っていました。気候だけでなく、生活環境などの影響もあるかもしれません。

■女性は「台所」、男性は「寝室」で害虫に悩まされる!?

 次に、家の中のどこで害虫に困ることが多いかを聞きました。すると、1位「台所」42.8%、2位「居間」34.8%、3位「寝室」26.1%という順になりました。食べ物や生ゴミなど害虫を引き寄せるもとになるものが集まる「台所」が1位。出現頻度が多いとともに、食べ物に虫がつくと困るという点で、虫に出てほしくない場所でもあります。次いで、「居間」「寝室」など、過ごす時間の長い部屋が上位に挙がりました。「寝室」では蚊に悩まされることも多いかもしれません。4位「庭」は、そもそも虫の住みかと言えます。5位「風呂場」、7位「洗面所」などの水回りも虫が出現しやすい場所と考えられます。一方で、「トイレ」は6.5%と1割以下。トイレで害虫に悩む人は少なく、日本のトイレが清潔であることがあらためてわかります。

 男女差に注目すると、始めの調査の結果(表1)同様、多くの項目で女性の数値が男性を上回っていました。女性のほうが家の中をよく動き回り、家事の時間が長いことの表れかもしれません。一方で、男性の数値が女性を上回り、その差が最も大きかった場所が「寝室」。家の中で、男性が過ごすことの多い場所なのかもしれません。

■女性の4人に1人が他の人に助けを求める害虫は…

 今度は、自宅で害虫を見つけた際にどんな対応をするかを、虫ごとに調べました。結果は、表3のとおりです。「蚊」では93.5%の人が「自分で駆除する」と回答。「ハエ」「小バエ」「ゴキブリ」「アリ」「ナメクジ」「ダニ」「ノミ・シラミ」でも、「自分で駆除する」が80%を超えていました。一方、「シロアリ」「スズメバチ」「ハチ(スズメバチ以外)」では、他の虫に比べ「自分で駆除する」が低くなっていました。「シロアリ」「スズメバチ」については「他の人に駆除してもらう」が他の虫に比べて高く、専門業者に依頼する人も多いと思われます。「ハチ」では「追い払う(家の外に逃がす/追い出す)」人も多く、刺激せずに、とりあえず身に危険が及ばないよう家の外に逃がす対処を取る人もいることがうかがえます。

 「ハチ」以外に「蛾」と「クモ」についても、「追い払う」と「放っておく(何もしない)」と答えた人が、他の虫に比べて多くなっていました。どちらも特に危険のない虫ですが、なんとなく不快、不気味などの理由で視界から追い出したくなるかもしれません。特に「クモ」では、「放っておく」が12.1%と、虫の中で最も高くなっていました。益虫であることから、家の中にそのままにしておく人も少なくないと想像されます。

 面白いのは「ゴキブリ」に関する男女別の結果です。男性では「自分で駆除する」と答えた人が92.3%と9割を超えましたが、女性では68.2%と7割以下。一方で、「他の人に駆除してもらう」と答えた女性が26.5%もいました。女性の4人に1人以上が「ゴキブリ」を自分以外の誰かに駆除してもらっていることがわかります。退治するどころか“見るのもイヤ”という人もいるかもしれません。「ゴキブリ」を“脅威”に感じている女性の多さがうかがえる興味深い結果でした。

■スプレー式がトップも、必殺ワザ「たたく」はやはり有効!

 さらに、何を使ってどんな方法で虫を駆除しているかを聞きました。すると、ほとんどすべての虫で「スプレー式殺虫剤」が1位を獲得。「ゴキブリ」では71.4%、「ハエ」では70.2%と7割超、さらに「スズメバチ」では86.7%、「ハチ(スズメバチ以外)」では89.9%と9割近くが「スプレー式殺虫剤」と回答。専用殺虫剤も市販されており、虫ごとに使い分けている人もいると思われます。

 ほとんどの虫で、「スプレー式殺虫剤」に次いで多かったのが、「たたくなどして駆除」するという原始的な方法。蚊を見つけると反射的にパチンとたたいてしまう人も多いと思います。たたいたりつぶしたりすると、確実に“しとめた”感が得られるのかもしれません。

 3番目に多かった駆除法は、虫によってばらつきが見られました。「蚊」では、昔ながらの「渦巻き型のくん煙式殺虫剤(蚊取り線香など)」が32.4%で3位。「ゴキブリ」では「市販の毒入り餌を設置」が27.6%で3位、「粘着系捕獲グッズ」が19.9%で4位に続きました。一方、「小バエ」「ハエ」では、「粘着系捕獲グッズ」が3位。特に「小バエ」では13.3%と1割を超え、昭和世代には懐かしい“ハエ取り紙”が今も活躍していることがわかりました。

■家庭用殺虫剤・害虫駆除剤の売れ筋アイテムは?

データ提供:True Data
地域:全国
店舗:ドラッグストア
期間:2017年5月1日~2017年7月25日
 ※2017年8月3日時点のデータで算出
カテゴリ:殺虫剤・蚊取り線香・蚊取りマットリキッド・子化蚊取り器・ゴキブリ捕獲器・その他殺虫剤

 実際に、どんな殺虫剤や駆除剤が売れているのかランキングを調べました。
 前の調査の結果(表4)で、大半の虫に対して使用頻度が高かったのが「スプレー式殺虫剤」。ランキングでも、20位までのうちスプレー式タイプが7項目を占めました(1位・7位・9位・13位・17位・19位・20位)。特に1位・9位・19位・20位の商品はハエ・蚊用とうたいつつも、ゴキブリやノミ、シラミ、ダニなどにも効果のあるオールマイティーなタイプ。スプレー式の使い勝手のよさ、従来型の安心感から支持されていると思われます。
 4位・5位・10位・11位・14位・16位の商品は、「ゴキブリ」「アリ」の駆除方法として3位・2位に入っていた、毒入り餌タイプの駆除剤。巣ごと退治できるものが主流のようです。
 20位までのアイテムのほとんどが、オールマイティーに効くタイプを含め、ハエ・蚊対策かゴキブリ対策のアイテム。自宅で困っている虫の種類を聞いた最初の調査(表1)でも「蚊」「ゴキブリ」「小バエ」「ハエ」が上位でしたが、ランキングからも、ハエ・蚊・ゴキブリに悩まされている人が多いことがうかがえました。

■“クモは逃がす”“蚊とゴキブリは徹底的に始末”…害虫駆除に関するエピソード
 害虫対策・害虫駆除に関するエピソードやおススメの方法などを自由回答で聞きました。圧倒的に多かったのが、蚊とゴキブリに関するエピソード。次いで目立ったのが、益虫であるクモの話題でした。代表的な声やユニークなエピソードを紹介します。

 蚊については、独特の不快な羽音を嫌う人も多く、特に就寝中の蚊に対しては退治するまで眠れないという人も目立ちました。ゴキブリは“とにかく嫌い”“怖い”など生理的な不快感を訴える声が。苦手な虫の“駆除係”が決まっている家庭も少なくないようで、面白いエピソードが寄せられました。クモについては、“朝グモは縁起がいい” “クモは家の守り神”などの言い伝えが多数。「かわいいので観察している」「相棒として大事にしている」など、ほほえましいエピソードが印象的でした。

■フン害にゴミの散乱…困ったことのある害獣の1位は
 近年、シカやイノシシ、ハクビシンなどが住宅地や人家に現れ、被害にあったというニュースも増えているようです。今度は、害獣で困ったり悩まされたりしたエピソードや、どんな被害を受けたことがあるかを聞きました。
 いわゆる“フン害”や鳴き声、ゴミ袋を破られるなど、身近な鳥に悩まされている人が多いことがわかります。一方で、アライグマに「庭の池の鯉を全部食べられてしまった」という、びっくりするようなエピソードもありました。殺虫剤・駆除剤といった対策グッズが充実している害虫と違い、害獣対策は個人の手に余ることも多い様子がうかがえました。

 困ったことのある害獣は何かを聞いてみると、やはり最も多かったのは「カラス」15.2%、次いで「ネズミ」13.8%という結果でした。都会の道路やゴミ置き場にもわが物顔で集まってくる「カラス」は、近頃は住宅街にも住み着いているようです。さらに、「鳩」6.8%、「ムクドリ」3.0%、「コウモリ」2.2%、「ハクビシン」1.8%と続きました。人間の生活圏から、虫や獣を完全に排除することは難しいと思われますが、知恵と工夫でできるだけ被害を抑え、快適な暮らしを守っていきたいですね。


調査機関:インターワイヤード株式会社が運営するネットリサーチ『DIMSDRIVE』実施のアンケート「害虫・害獣対策」。
期間:2017年7月7日~7月21日、DIMSDRIVEモニター 3,796人が回答。

詳しいリサーチ内容はネタ元へ
[プラネット]
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