在宅介護における睡眠実態調査(ケアマネジャー対象) 

2017年09月26日
MSDは、不眠症治療の実態を明らかにするための調査を2014年から実施しています。今回は、在宅医療が注目される昨今、在宅で介護を受ける高齢者(以下、在宅要介護高齢者)と、その同居する家族・親族(以下、同居家族)の睡眠に関する実態を明らかにするために調査を実施いたしました。本調査は介護のケアプラン管理の中心的役割を担い、日常的に在宅要介護高齢者やその家族と接することで両者のニーズを客観的に把握し、介護を支援する立場にあるケアマネジャー*を対象としました。

ケアマネジャー828人が回答した1次調査では、在宅要介護高齢者の25.8%(5328人/20691人)が不眠症治療薬を現在服用していることが分かりました。1次調査対象者のうち、不眠症治療薬を現在服用している在宅要介護高齢者を担当しているケアマネジャー500人を対象に2次調査を実施したところ、主に次のことが明らかになりました。

1.在宅要介護高齢者における睡眠実態
・ 「寝付けない」「夜中に目が覚める」など在宅要介護高齢者の不眠について、本人や家族などから相談・報告を受けたことがあるケアマネジャーは89.4%(447人/500人)
・ さらに、不眠について相談・報告をした在宅要介護高齢者について、8割以上のケアマネジャーが「日中の活動低下」、「昼寝などの仮眠が多い」、「夜に眠れないことで規則正しい生活が送れない」などを心配・不安な状態だと回答

2.在宅要介護高齢者の不眠症治療薬の服用実態
・ 在宅要介護高齢者の不眠症治療薬服用について、ケアマネジャーの67.4%(337人/500人)が「眠るために必要である」、55.6%(278人/500人)が「同居者の夜間介護の負担を減らすために必要である」と考えている一方で、57.8%(289人/500人)が「状態によっては適正な薬への見直しが必要である」と回答
・ 不眠症治療薬服用に関し「心配や不安を感じる」、「状態によっては適正な薬への見直しが必要」、「服用を中止できるように取り組みたい」と回答したケアマネジャーの76.0%(273人/359人)が、不眠症治療薬服用について誰かに相談しており、そのうち医師へ相談した割合は72.9%(199人/273人)と最も高かった
・ また、不眠に関する相談または報告があった在宅介護高齢者にみられる症状のうち、「日中の足元のふらつき、転倒」の原因と考えられるものについて、83.9%(282人/336人)のケアマネジャーが「加齢による心身の衰え」、次いで72.6%(244人/336人)が「不眠の治療のために服用している、医師から処方された薬の影響」と回答。「夜間の足元のふらつき、転倒」の原因についても、79.2%(252人/318人)が「加齢による心身の衰え」、77.0%(245人/318人)が「不眠の治療のために服用している、医師から処方された薬の影響」と考えていると回答し、昼夜ともに同様の回答傾向がみられた

3.在宅要介護高齢者の同居家族の介護負担
・ 同居家族から夜間介護の疲労や負担について相談を受けたことがあるケアマネジャーは89.6%(441人/492人)、具体的には「ポータブルトイレやお手洗いへ連れていく際の移動や移乗」が60.1%(265人/441人)、「呼び出し対応」が55.3%(244人/441人)、「眠れない在宅要介護高齢者の対応」が51.2%(226人/441人)と多かった
・ 夜間介護が原因となり、同居家族から自身の眠りに関する相談を受けたことがあるケアマネジャーは73.8%(363人/492人)にのぼった


【調査概要】
調査目的: 在宅で介護を受ける高齢者と同居する家族・親族に関する睡眠実態の把握
調査対象:
 1次調査:ケアマネジャー 828名
 2次調査:ケアマネジャー 500名
(1次調査で不眠症治療薬を服用している在宅介護高齢者を1名以上担当している)
調査地域: 全国
調査手法: インターネット調査(株式会社インターネットインフィニティー)
調査実施日: 2017年6月23日(金)~7月14日(金)

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[PRTIMES]
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