がん経験者への治療実態調査 

2018年04月24日

ライフネット生命は、特定非営利活動法人キャンサーネットジャパンの協力を得て、がん経験者 215 名にアンケート調査を実施しましたので、その調査結果をお知らせします。
がんは、過去には「死に至る病」と思われていましたが、近年の医療技術などの進歩によって生存率が向上し、「長く付き合う病気」へと変化しています。また、医療技術の進歩に合わせて、治療方法も多様化しています。
本調査は、このようながん治療の実態をより深く理解するために、がんをご経験された方に調査したものですが、この度、調査結果の一部を公開することとしました。

調査結果


~ 入院 ~
■がん治療は入院を前提としない時代に
  •  がん診断から 2 年後以降は、入院する割合が激減
  •  4 人に 3 人が、「その後 5 年後までに一度も再入院しなかった」

まず、がんの長期治療における「入院の有無」について、実際にがんの治療を 5年以上している人を対象に、初めてがんの診断を受けてから 5 年後までの入院有無について調査をしました。
がん診断から 1 年後までにおける入院については「入院した」が 96%と高い割合となる一方、2 年後以降は 15%(2 年後)、9%(3 年後)、9%(4 年後)、14%(5 年後)と急激に入院する割合が下がっていることがわかります。
では、「がん診断 1 年目に入院した」人は、その後、再入院をしているのでしょうか。
がん診断 1 年目に入院した人に、その後 2 年後から 5 年後までに「一度でも再入院したかどうか」を調査したところ、「一度も再入院なし」が 75%という結果となりました。

~ 「抗がん剤治療」「ホルモン療法」における通院頻度 ~
■治療による通院頻度の違い
  •  抗がん剤治療経験者の 96%は「少なくとも月に 1 回は通院」
  •  一方、ホルモン療法経験者の 65%は「2 ヶ月から 3 ヶ月に 1 回のペースで通院」

がんの 3 大治療の 1 つである「抗がん剤治療」は、比較的治療が長期化する治療と言われています。
その抗がん剤治療について、今回、実際に抗がん剤治療を経験された人を対象に、抗がん剤治療期間中の「通院頻度」について調査をしました。
抗がん剤治療経験者132名に、「治療期間中の最も多い通院頻度」を聞いたところ、「1週間に1回」が 27%、「2 週間に 1 回」が 20%、「3 週間に 1 回」が 37%、「1 ヶ月に 1 回」が 12%、「2 ヶ月に 1 回」が 3%、「3 ヶ月(以上)に 1 回」が 1%という結果となりました。抗がん剤治療においては、「少なくとも月に 1 回は通院している」人が 96%という割合となりました。

同じく、ホルモン療法を経験された人を対象に、ホルモン療法期間中の「通院頻度」について調査をしました。
ホルモン療法経験者 119 名に、「治療期間中の最も多い通院頻度」を聞いたところ、「1 週間に 1 回」が 3%、「2 週間に 1 回」が 1%、「3 週間に 1 回」が 4%、「1 ヶ月に 1 回」が 27%、「2 ヶ月に 1 回」が9%、「3 ヶ月(以上)に 1 回」が 56%という結果となりました。ホルモン療法においては、「最低月に 1 回は通院している」割合が少なく、「2 ヶ月あるいは 3 ヶ月(以上)に 1 回程度の通院している」という割合が 65%という傾向が出ました。

~ 「ホルモン療法」における 1 回の処方量 ~
■ホルモン療法の経口投与における長期処方の傾向
  •  ホルモン療法の経口投与の処方は、「3 ヶ月分をまとめて処方」というケースが最多
  •  8 割の人が、「1 度に、2 ヶ月分あるいは 3 ヶ月分の処方を受けている」
  •  過半数が、「通院は 3 ヶ月に 1 回、処方量は 3 ヶ月分まとめて」

前述の通り、がん治療におけるホルモン療法経験者の通院頻度は、「2 ヶ月あるいは 3 ヶ月に 1 回程度の通院」が過半数を占めていましたが、通院頻度と処方量の相関関係を把握するため、ホルモン療法の「経口投与(錠剤やカプセルなどの飲み薬)」処方についてアンケート調査を実施しました。
経口投与によるホルモン療法を経験された 119 名に、「ホルモン療法の経口投与の処方は、1 度に最長何ヶ月分、処方されましたか?」と聞いたところ、「1週間分」が2%、「2週間分」が1%、「3週間分」が 1%、「1 ヶ月分」が 15%、「2 ヶ月分」が 10%、「3 ヶ月分」が 71%という結果となりました。
81%の人が、錠剤やカプセルなどの飲み薬を「1 度に、2 ヶ月分あるいは 3 ヶ月分の処方を受けている」という結果となりました。

~ QOL(クオリティ・オブ・ライフ)への意識 ~
■もしも、QOL 向上のために、毎月 10 万円を受け取れるとしたら・・・
  •  第 1 位は「食事・食材のために使いたい」
  •  次いで、「交通費」「ジム・ヨガなどの運動」「趣味娯楽」
  •  その他、「患者会などのコミュニティ参加費用」「妊よう性保持や、将来の妊娠・出産費用」に充てたいという声も

がんが「死に至る病」から「長く付き合う病気」へと変化することで昨今注目をされているのが、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)です。「生活の質」を意味する言葉で、がん罹患後の副作用や長期治療と向き合いながらも、がん罹患者がいかに自分らしい生活を維持・向上していくかが重視されています。
一方、QOL 向上のためには少なからず出費が発生するものも多く、「経済的な理由から QOL 向上のための行為をあきらめた」という声を耳にします。
そのため、今回の調査では、がん経験者に「もし仮に、治療を続けている限り毎月 10 万円を受け取れるとしたら、QOL 向上のために、どのようなことにお金を使いたいか」という切り口で調査をしました。
QOL 向上のためにお金を使いたいものとして最も多かった項目は「食事・食材」で、がん経験者の 2人に 1 人が食事・食材による QOL 向上を望んでいるという傾向が表れました。
次いで、「交通費」が 41%、「ジム・ヨガなどの運動」が 36%、「趣味娯楽」が 33%と続きました。

調査概要


調査タイトル:「ライフネット生命保険 がん経験者への治療実態調査」
調査対象:最初のがん告知を受けてから「2年以上10年以内」のがん罹患者
 ※がん罹患時の年齢「20歳~59歳」
有効回答:215名
調査方法:ウェブアンケート
調査地域:全国
調査実施時期:2018年1月
調査協力団体:特定非営利活動法人キャンサーネットジャパン

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