矢野経済研究所は、2018年度の食品通販市場を調査し、市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

<食品通販市場とは>
本調査における食品通販市場とは、①ショッピングサイト(カタログ通販含む)、②生協、③自然派食品宅配、④ネットスーパー、⑤コンビニエンスストア宅配、⑥食品メーカーによるダイレクト販売(直販)、を対象とする。また、製品(商品)については生鮮3品(水産、畜産、野菜・果物)、米、飲料(ミネラルウォーターは含み、宅配水は含まない)、酒類、菓子類、健康食品、その他加工食品を対象とし、日用雑貨等を含まないものとする。

<市場に含まれる商品・サービス>
食品通販(生鮮3品、米、飲料、酒類、菓子類、健康食品、その他加工食品)

1.市場概況

2017 年度の国内食品通販市場規模は、小売金額ベースで前年度比3.0%増の3 兆5,985 億円で着地する見込みである。特にインターネット通販を中心に、通信販売で商品を購⼊するという購買行動が一般化する中、本来は実際に自分で商品を確かめて購入したいというニーズが底堅い食品においても、通信販売で購⼊するというケースが年々定着してきていると考える。日本では、少子高齢化に伴う人口減少で、内需縮小が避けられない中、食品通販、ならびに通販市場は数少ない成長市場であることから、新規参入企業が後を絶たない。通信販売で食品を購入することへの抵抗感が弱くなってきているとはいえ、食品小売市場全体から見たら、現状ではまだほんの一部に過ぎず、更に拡大していく見通しである。
また、2017年度の国内食品通販市場をチャネル別にみると、生協(班配+個配)が構成比39.6%を占め、次にショッピングサイトが同37.2%、食品メーカーダイレクト販売(直販)が同16.5%で続く見込みである。

2.注目トピック

ミールキットが拡大
ミールキット(半加工済食材や調味料などの献立セット)の展開が、生鮮品の食品通販市場を押し上げている。2017年のヒット商品にミールキットがランクインしたようにメディア露出も増加しており、有職主婦が増加する中で、調理の簡便化・時短ニーズが高まり、これを満たす食品として、人気が高まっている。この分野で先行するオイシックスは、ミールキット「Kit Oisix」を展開しており、この定期購入コースを中心に新規会員が予想を上回って増加している。調理の手間を省きつつ、具材カットや炒めるなどの調理工程を残すことで、家事をサボっている感覚を持たないですむことが多忙な女性に評価されている。また、献立を考える手間が省けることも支持されている。

3.将来展望

今後の食品通販市場については、食品を通信販売で購入するというユーザーの広がりとともに市場は着実に拡大していき、2018 年度以降、概ね2~3%台の伸長率で推移し、2021年度の国内食品通販市場規模は小売金額ベースで4兆135億円になると予測する。
チャネル別では、市場を牽引するショッピングサイトがこれまで同様約5%台で2018 年度以降も成長すると、2019 年度には従来構成比率トップだった生協を抜き、首位が入れ替わる予測になる。
一方で懸念するのは、人手不足と配送コスト上昇が、ネットスーパーなどチャネルによっては、市場成長のブレーキになるケースがみられるようになっていることである。自宅まで商品を届ける通販というビジネスモデルは、そもそも人手がかかるサービスであることから、この懸念点への決定的な打開策が出てきていない以上、ボディーブローのようにその他のチャネルにも広がりかねないと考える。

調査概要


調査期間: 2018年4月~6月
調査対象: 通信販売事業者、食品関連企業、生協、食品小売事業者、食品卸等
調査方法: 当社専門研究員によるアンケート調査、電話取材、ならびに文献調査併用

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