「健康に働くための指標」を開発するための全国 1 万人会社員調査 

2018年09月04日

電通は、会社で健康に働くためのカギを探り、健康に働くための指標を開発するため、多様な規模・業種の会社員を対象に「全国1万人会社員調査」(以下「本調査」)を実施しました。

なお、調査にあたっては、社員や組織が健康であるためには、単に疾病の有無だけでなく、社員一人ひとりがイキイキと前向きに仕事や生活ができていることが重要であるという仮説に基づき、予防医学や働く人の健康づくりの専門家である石川 善樹氏(予防医学研究者)と西本 真寛氏(北里大学 特別研究員)の監修のもと、ポジティブ心理学の理論的な枠組みを用いて設計を行いました。

調査結果


本調査で得られたバイタリティの状態に影響する 3 つの要素について

社員や組織のバイタリティを左右する要素は、①「睡眠」②「雑談」③「ちょっと幸せになれる習慣」
バイタリティを左右する要素を統計的手法を用いて分析した結果、社員や組織のバイタリティには、「睡眠」「雑談」「ちょっと幸せになれる習慣」(毎週、自分が幸せになれる活動をあらかじめ予定に組み込む習慣)という 3 つの要素が関係していることが分かりました。

①睡眠
「睡眠」に関しては、8 時間の平均睡眠時間が取れている人のバイタリティが最も高い結果となり、睡眠時間の確保がバイタリティと深く関係していることが分かりました。具体的には、一般的に最低限必要といわれる 6 時間睡眠を基準とし、平日の平均睡眠時間が 6 時間台の人のバイタリティの度合いを 100 とした場合に、4 時間未満では 16%もバイタリティの度合いが低くなり、最も高くなるのは 8 時間台で 3%ほどバイタリティの度合いが高くなることが分かりました。一方で、平均睡眠時間が 9 時間以上になると、逆にバイタリティが下がる傾向にあるという興味深い発見がありました(図 1 参照)。
また、平日と休日の起床時間のズレが大きいほどバイタリティは低く、ストレス度も高くなる傾向があることも分かりました。

②雑談
「雑談」に関しては、「職場で雑談することがない」と答えた人のバイタリティの度合いを
100 とした場合に、あると答えた人のバイタリティの度合いは 33%ほど高い数値となり、雑談がバイタリティの高さに関係していることが分かりました。業務効率化においては、不必要に思われがちな「雑談」が、バイタリティという視点においては、むしろ重要であるということが示唆されました(図 2 参照)。

「プライベートの雑談」や「キャリアの雑談」など、雑談すること自体がバイタリティの高さと深く関係しており、「職場で笑う機会がある」や「職場でみんなでワイワイガヤガヤと話すことがある」といったこともバイタリティと強く関連していることが分かりました。

③ちょっと幸せになれる習慣
「ちょっと幸せになれる習慣」については、「毎週の予定に、自分が幸せになれる活動を入れるようにしている」人は、それがない人に比べ、バイタリティの度合いが 21%高いなど、少し先の楽しみをきちんと予定しておくことの有用性が示唆されました(図 3 参照)。
なお、幸せになれる活動の具体例を自由回答で聞いたところ、「録画しているドラマを鑑賞する」「カフェで読書する」「お風呂上がりのオイルマッサージ」「友達と食事に行く」などの回答がありました。

調査概要


【全国 1 万人会社員調査】
・調査時期:2018 年 3 月 2 日(金)~3 月 5 日(月)
・調査手法:インターネット調査
・調査機関:株式会社電通マクロミルインサイト
・調査対象:全国男女 20~60 代 合計 10,000 名の会社員個人
 社員数 50 名以上の会社に所属
 平成 26 年経済センサス(総務庁統計局)に基づき社員数規模別×性別で割付

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[電通]
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