矢野経済研究所は、国内の健康食品市場を調査し、各セグメント別の動向、参入企業の動向、将来展望を明らかにした。

<健康食品とは>
本調査における健康食品とは、錠剤、カプセル、粉末、ミニドリンク形状等の健康維持・増進、美容等を目的とした食品を対象とする。

<市場に含まれる商品・サービス>
青汁、コラーゲン、マルチビタミン、グルコサミン、プロテイン、植物発酵エキス(酵素)、ビタミンC、DHA・EPA、黒酢・香醋等

1.市場概況

2017年度の健康食品市場規模はメーカー出荷金額ベースで、前年度比2.1%増の7,708億4,000万円と推計する。近年、健康食品の市場成長性が緩やかとなり、国内需要については企業間競争の激化により、参入企業の業績に大きな明暗が見られる一方、インバウンド(訪日外国人客)需要が好調に推移したほか、機能性表示食品の市場拡大などが健康食品市場全体の押し上げに寄与した。
2018年度についても引き続き市場は伸長し、市場規模は前年度比1.4%増の7,813億6,000万円を見込む。

2.注目トピック

機能性表示食品の2018年度市場規模は1,895憶2,000万円、前年度比6.0%増の見込
機能性表示食品の市場規模は2017年度が1,788憶6,000万円(前年度比31.1%増)、2018年度は1,895億2,000万円(同6.0%増)を見込む。市場の拡大が続くものの、2018年度は成長がやや緩やかになるとみる。

受理品目が増加する一方、競合激化や販売不振から終売する機能性表示食品も散見され、特に菓子や清涼飲料など、嗜好性の強い一般加工食品においてその傾向が見られる。また、スーパーやコンビニエンスストア、ドラッグストアなど、多くの商品が陳列されている売場において、機能性表示だけでは目立ちにくく、消費者の視認を得ることは難しいことから、ターゲット層に対して、機能性表示を活用したコミュニケーション戦略が売上を大きく左右する傾向が強まっている。通信販売においても、積極的な販促活動を行っていない機能性表示食品は、売上が伸び悩む傾向にある。

3.将来展望

健康食品市場は主力需要層である高齢者人口の増加、若年層における健康・美容意識の向上などを背景に今後も緩やかな市場拡大が続くものとみる。さらに、東京オリンピック・パラリンピック開催を含む前後の大型スポーツイベントによるスポーツ関連需要の活発化に加え、訪日外国人客の増加に伴うインバウンド需要の拡大など、国内需要に加え、海外における日本製サプリメントの現地需要拡大も期待され、市場拡大の後押しとなるものと考える。

調査概要


■調査期間: 2018年8月~2019年2月
■調査対象: 健康食品製造・販売企業(健康食品メーカーを中心に一般食品メーカー・製薬メーカー等)、健康食品関連団体、管轄官庁等
■調査方法: 当社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、郵送・メールによるアンケート調査、文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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