サブスクリプションサービス市場に関する調査 

2019年04月09日

矢野経済研究所は、国内のサブスクリプション(定額)サービス市場を調査し、主要カテゴリーの市場動向、参入企業動向、将来展望を明らかにした。

<サブスクリプション(定額)サービス市場とは>
サブスクリプション(subscription)は元来、新聞などの定期購読を意味する英語であるが、サブスクリプションサービスとは会員制・定額制サービスにおける「定期的に利用料等を徴収する販売方式」を指す。

​本調査におけるサブスクリプションサービスとは、これまでの既存のサービスで一般的に提供されてきた期間、回数、種類を超えて利用可能とし、且つ継続利用を前提とした定額制のサービスを指す。対象は①ファッション系定期宅配(化粧品や理美容品等の頒布会・定期販売サービス)②ファッションサービス(衣類・ファッションに関する身の回り品等に関する定額サービス、但し①を除く)③食品系定期宅配(定期購入システムのプラットフォームを利用して提供される食料品や飲料等、当該品頒布会・定期販売サービス)④飲食サービス(外食等の食品・飲料提供における定額サービス)⑤生活関連(家事、家電、家具、日用雑貨等の定額サービス)⑥住居(月額定額で短期間に住み替える、もしくは複数の住居に自由に住み替えることのできる、いわゆる「多拠点居住」で、シェアハウスやマンスリー系賃貸住宅は対象外)⑦教育(月額定額で利用できる学習コンテンツやサービス、但し通信教育は対象外)⑧娯楽(月額定額で利用できる音楽と映像サービス)の8市場とし、市場規模はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで算出している。

<市場に含まれる商品・サービス>
①ファッション系定期宅配、②ファッションサービス(但し①を除く)③食品系定期宅配④飲食サービス⑤生活関連⑥住居(シェアハウスやマンスリー系賃貸住宅は対象外)⑦教育(但し通信教育は対象外)⑧娯楽(月額定額で利用できる音楽と映像サービス)

1.市場概況

2018年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市場規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで、5,627億3,600万円であった。

サブスクリプション(subscription)は元来、新聞などの定期購読を意味する英語であるが、サブスクリプションサービスとは会員制・定額制サービスにおける「定期的に利用料等を徴収する販売方式」を意味する。

サブスクリプションサービス普及の背景には、ECサイトが流通チャネルの一つとして成長するなか、顧客(ユーザー)の購入履歴が利活用されるようになったことがある。ECサイト利用時のレコメンド(推奨)機能など、顧客情報や閲覧・購入履歴等を利用することで、顧客の潜在需要を顕在化させ、定期購入などの消費を促すといった施策を提供する事業者が増えたことがサービス普及の一因である。

また、消費者のモノの所有から利用へと消費行動が変化するなかで、シェアリングサービスの普及もあるものとみる。こうしたなかで、定額でモノやサービスを利用できるサブスクリプションサービスへの需要の高まりもあるものと考える。

2.注目トピック

サブスクリプションサービスではデータ活用による様々な取り組みが活発化
サブスクリプションサービスは有料会員制を基盤とするビジネスモデルである。会員の顧客情報を利活用することで、マス(大衆)需要ではなく、多様化する個人需要をターゲットとする販促活動を可能にしている。なかでもファッションや音楽分野では、より個人ユーザーが理想とするサービスの提供など、様々な取り組みが進んでいる。

3.将来展望

2023年度のサブスクリプション(定額)サービス国内市場規模(8市場計)はエンドユーザー(消費者)支払額ベースで8,623億5,000万円を予測する。

国内は少子高齢化の進展などから、多くの市場において成長率が鈍化してきており、当該市場分野においては新規需要や販路の開拓が課題となっている。なかでもサブスクリプションサービスを先行していたアパレル分野は所有からサービス利用へといった消費者動向を踏まえ、主要企業においてはこうした需要の開拓に成功している。また、自社製品やサービスをサブスクリプションサービスに活用しようとする企業の追随する動きもみられる。こうした動きはアパレル分野以外でも想定されることから、今後もサブスクリプションサービス市場は好調に推移するものと考える。

調査概要


■調査期間: 2018 年12 月~2019 年3 月
■調査対象: サブスクリプション(定額)サービス事業者、関連システム事業者等
■調査方法: 当社専門研究員による直接面談取材、アンケートならびに文献調査併用

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[矢野経済研究所]
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