中小ものづくり企業の新製品・新技術開発に関する調査 

2013年09月12日
東京商工会議所は、ものづくり推進委員会において、「中小ものづくり企業の新製品・新技術開発に関する調査」の調査結果を取りまとめた。本調査は、中小ものづくり企業の実態把握とともに、新製品・新技術開発に焦点をあて、取組みの状況・意向、成果や課題を検証したものです。

【調査結果のポイント】

1.中小ものづくり企業の現状 

○回答企業の48.8%が営業黒字、24.5%が営業赤字となっているが、5人以下では44.2%が赤字と回答するなど、規模の小さい企業ほど業況は厳しい。今後3年間の見通しについては、「上昇」(25.7%、過去3年間比+7.9ポイント)が「悪化」(18.9%、過去3年間比▲13.8ポイント)を上回り、先行きへの期待感がうかがえる。

○今後3年間の生産設備に係る投資計画について、62.8%の企業が「あり」と回答。規模の大きい企業ほどその割合は高く、特に51人以上の規模では、8割以上が投資計画「あり」と回答。設備投資の目的は、「老朽設備の更新」(61.0%)が最も多く、次いで、「新技術への対応」(41.8%)、「コスト削減」(41.0%)となっている。

○経営に悪影響を与えている外部環境について「景気低迷による需要減退」(72.8%)、「原材料・燃料価格の上昇」(60.6%)、「市場の衰退、競争過多」(57.9%)となり、これまでの景気低迷や市場環境の悪化に加え、相場の高騰や円安による素材高の影響を強く受けている様子がうかがえる。

○今後の事業規模について「現状維持」(64.6%)、「規模拡大」(24.9%)、「縮小・廃業」(10.5%)となり、規模の大きい企業ほど拡大志向が強くなる一方、5人以下では25.8%の企業が「縮小・廃業」と回答している。

2.新製品・新技術開発の取組み 

○新製品・新技術開発の取組み状況について、【現在】55.9%の企業が取組み、【今後】60.8%の企業が取組む意向がある。規模が大きくなるほど取組み状況は高く、101人~300人では86.4%が【現在】取組んでいる。一方、5人以下では、【現在】取組んでいる企業は24.3%にとどまっている。

○成果としては「販売受注量の増加」(67.6%)や「技術力の向上」(57.8%)との回答が多くなっている。マイナスの影響は「特にない」(56.4%)が過半数を占める中、一部、資金繰りや収支の悪化、人材面での回答がある。

○成功させるためのポイントは、「アイデア・発想」(69.9%)、「従業員の意欲」(64.9%)、「経営者の意思」(57.6%)と回答しており、アイデアやマインドといった「人」に係る要素を重要としている。取組む上での課題としては「研究開発人材の確保・育成」(54.5%)が最も多く、次いで「開発資金の確保」(46.5%)、「製品・技術動向の把握(情報収集)」(44.3%)となり、人材、資金面がネックになっている。

○強化すべき支援について、開発や設備投資に係る助成や税制面での支援を求める回答が多くなっている。一方、公的な支援の利用は17.9%に留まっており、各施策の普及が大きな課題である。


【調査概要】
対象:当商工会議所会員企業の製造業を営む中小・小規模企業5,937社
期間:平成25年6月14日~7月1日
回答数:1,050社(回収率17.7%)

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[東京商工会議所]
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