事業継続/防災ソリューション市場に関する調査2014 

2014年02月05日
矢野経済研究所は、国内の事業継続/防災ソリューション市場に関する調査を実施した。

<事業継続ソリューションとは>
本調査における事業継続ソリューションとは以下の2つを指す。
・BCPコンサルティング:災害などの有事が発生した際に、ビジネスが中断しないように定める対応策であるBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の策定を支援するサービス。策定した計画を継続的に運用していく活動や管理の仕組みの提供、教育、訓練などのサービスも含む。
・DR(Disaster Recovery:災害復旧)ソリューション:災害などによる致命的なシステム障害から情報システムを復旧させる、又はそのような障害復旧に備えるための予防的措置を行うサービス。

<防災ソリューションとは>
本調査における防災ソリューションとは以下の5つを指す。
・防災行政無線システム:国および地方公共団体が非常災害時における災害情報の収集・伝達手段の確保を目的として構築している無線システム。
・消防指令システム:災害発生時の消防指令業務を支えるシステム。
・総合防災システム:災害による被害を最小限に留めるための災害対策業務の実行を支援するシステム。
・災害情報管理・緊急速報システム:エリアや内容などに合わせて個別に対応する災害対策業務の実行を支援するシステム。
・安否確認サービス:災害発生時に、従業員・学生・職員などの対象者の安否状況を迅速かつ簡易に把握できるサービス。

【調査結果サマリー】

◆2011~2013年度は東日本大震災の影響で事業継続/防災対策への取り組みが増加
2011年3月の東日本大震災後、企業や団体において事業継続/防災対策への取り組みが増加した。企業規模では中堅・中小企業、業種では金融業以外の業種でもBCP(Business Continuity Plan)の策定に取り組むところが増え、事業継続/防災ソリューションの利用の裾野が広がった。また、DR(Disaster Recovery)ソリューションではクラウドを活用した災害対策が基幹系システムでも導入されるなど利用の幅が広がった。このような状況から、事業継続/防災ソリューション市場規模の2011年度から2013年度までの年平均成長率(CAGR)は4.4%と高い伸びになった。

◆2014年度以降は市場の伸びこそ鈍化するが需要は安定的に発生
2014年度以降は、時間の経過とともに災害に対する危機意識が薄れてきていることや主だった企業が対策を完了済みであること、またクラウド型のサービスの登場によるサービス単価の下落などが影響し、事業継続/防災ソリューション市場の伸びが鈍化していくと予測する。但し、既に事業継続対策を完了済みの企業においても、新たなリスクに備えた事業継続計画の見直しや計画策定後の継続的な運用・訓練などの取り組みが進み、政府や地方自治体でも防災システムの見直しや高度化・高機能化が定期的に進んでいくと考える。そのため、今後も事業継続/防災ソリューションへの需要は安定的に発生すると予測する。
事業継続/防災ソリューション市場規模は、2011年度から2018年度まで年平均成長率(CAGR)2.5%で推移し、2018年度に2,234億円(事業者売上高ベース)に達すると予測する。


【調査概要】
調査期間:2013年10月~2014年1月
調査対象:事業継続/防災ソリューション提供事業者(IT 事業者、通信事業者、コンサルティング事業者、シンクタンク、保険系事業者、警備会社、設備会社等)
調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・Eメールによる取材、ならびに文献調査を併用。

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[矢野経済研究所]
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