2013年 役員報酬の実態に関する調査 

2014年02月17日
産労総合研究所が発行する定期刊行誌「賃金事情」は、役員報酬の決め方や水準等について定期的に調査を行っており、このほど最新の調査結果をまとめた。本調査は、2005年以降ほぼ2年おきに行っているもので、今回が5回目。

【調査結果の概要】

(1)役位別にみた年間報酬の水準と役員賞与の支給状況

■ 役員の年間報酬は、会長3,019万円、社長3,430万円、専務2,214万円

役位別に、年間報酬の平均額および役員在任年数、平均年齢をみてみると、役員報酬の水準は、賞与の有無、資本金や従業員規模の大小、上場・未上場の区分等によってばらつきがあるが、全体の平均額としては、社長で約3,430万円。役員に就任してからの平均年数は17.2年間、平均年齢は61.1歳であった。

■ 4割の企業が役員に賞与を支給、うち半数弱が「利益配分」として支給

役員賞与については「支給している」企業が40.3%で、前回調査(52.3%)より減少した。
賞与の支給方法としては、従来からある「利益配分として支給(損金不算入)」する方法が44.8%と最も多く、続いて、税務上損金算入が認められる「事前確定届出給与」(25.9%)と「利益連動給与(業績連動報酬等)」(15.5%)という順になった。

(2)役員定年制の有無

■3社に1社は、社長にも「定年制あり」。制度上の定年年齢は平均66.8歳

役位別に定年制のある企業の割合をみると、会長21.5%、社長35.4%、専務取締役44.4%、常務取締役51.4%、取締役(役付以外)59.0%となった。会長、社長を除けば、規模別、上場の有無別にみても、それほど大きな違いはみられない。

なお、定年制あり企業に定年年齢をたずねたところ、平均で会長69.2歳、社長66.8歳、専務取締役65.1歳、常務取締役64.2歳、取締役(役付以外)62.5歳という結果になった。調査回答の分布をみると、会長では38.7%が「70歳」を定年とし、また社長では31.4%が「65歳」、23.5%が「70歳」としている。

(3)退職慰労金制度の有無と今後の方向性

■「退職慰労金制度あり」は、大企業ではごく一部だが、中小では8割弱

今回の調査では、退職慰労金制度のある企業は、全体で63.9%。前回調査(64.2%)と同様の結果となった。ただし「制度あり」の割合は、大企業(1,000人以上)では1社のみの6.7%であるのに対し、中堅企業(300~999人)56.9%、中小企業(299人以下)79.5%と、規模による違いが大きい。
退職慰労金制度のある企業について今後の予定をみると、「これからも存続する」78.3%で、「廃止や減額を含め、現在検討中」9.8%、「廃止の予定」2.2%などとなった。

(4)役員退任後に関する取扱い

■ 役員退任後は、「人によって異なる」52.1%、「常勤の顧問・相談役等になる」22.9%、「そのまま退任」19.4%

本調査の結果では、役員退任後の対応として最も多いのは、「ルールはなく、人によって異なる」52.1%(前回調査48.3%)である。企業規模によって少し様相は異なるが、ケースバイケースでの対応が中心的である点は共通している。
何らかの処遇を行う場合の対応としては、「常勤の顧問・相談役等になる」が最も多く22.9%、次いで「非常勤の顧問・相談役等になる」18.8%などとなっている(複数回答)。


【調査概要】
調査名:「2013年 役員報酬の実態に関する調査」
調査対象:上場企業1,500社と未上場企業から任意に抽出した1,000社の計2,500社(前回調査に回答のあった企業を含む)
調査時期:2013年9~11月
調査方法:郵送によるアンケート方式
集計対象:締切日までに回答のあった144社

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[産労総合研究所]
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